鈴鹿クラブマン2020開幕! 波乱のスーパーFJは岡本大地選手がポール・トゥ・ウィン
2020年3月23日
今シーズンもシリーズ6戦+スペシャルステージで争われる予定の鈴鹿クラブマンレース。土曜は雨の影響を受けた開幕戦だったが、日曜の決勝はドライコンディションで行われた。
「2020鈴鹿クラブマンレースRound1」
開催日:2020年3月14~15日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:ARCN、SMSC
3月14~15日、鈴鹿サーキットで「鈴鹿クラブマンレース第1戦」が開催された。今年もシリーズ6戦+11月末のスペシャルステージで争われるが、そのうち6戦がフルコースを舞台とする。
新設されたクラスはない一方で、2019年を限りに「FE1」こと初代「フォーミュラEnjoy」と「ネオヒストリック」が終了し、今シーズン限りで「RS(アールエス)」が終了することになった。R「Sは、1983年から続いてきた歴史あるクラスで、かつては鈴鹿1000kmの準主役ともなっていただけに、寂しくもある。
鈴鹿クラブマンレースでも新型コロナウィルス感染拡大防止対策はもちろん怠らず、受付をクラスごと個別に行い、ブリーフィングはピットビル3階のテラスで実施されていた。
鈴鹿スーパーFJ選手権開幕戦は、帰り新参の岡本大地選手がポールポジションを獲得。予選では午前中まで降った雨が路面に残るも、ドライタイヤでもほぼ走行可能な状況。その中で「最後の最後しか狙っていませんでした」と、しっかりとピークを合わせていた。2番手には初めてのフル参戦を予定している、上野大哲選手がつけた。
決勝では予選5番手から飛び出した元嶋成弥選手がポールの岡本選手にも迫り、2周目のシケインで逆転に成功。一方、上野選手はスタートに出遅れ、4番手に後退したばかりか、4周目の2コーナーで接触されて、無念のリタイアを喫していた。
抜かれた岡本選手は、その後も遅れず続き、そのまま激しいバトルが繰り広げられることが予想されたが、なんと元嶋選手にはドライビングスルーペナルティの判定が……。鋭いダッシュは、ジャンピングスタートだったのだ。
これで後続との差が一気に広がった岡本選手は、ファステストラップを狙ってアクセルを少しも緩めず。最後は約8秒差での圧勝となり、「今年は鈴鹿で全部勝たないとダメだと思っています」と強く宣言した。2位は中村賢明選手との激しいバトルの末に、6周目の逆転で下野璃央選手が獲得した。
鈴鹿・岡山ツーリングカー選手権で競われる、FIT 1.5チャレンジカップは、2019年チャンピオンのHIROBON選手と2位の伊藤裕士選手が鈴鹿・岡山シリーズから卒業しており、新たな覇権争いが注目された。そんな中、4度目となるポール獲得となったのは寺西玲央選手。「これまでスタートに難があったんですが(笑)、1コーナーにトップで飛び込めれば、たぶん大丈夫だと思います」と意気込む。1000分の5秒差で松尾充晃選手が、その寺西選手に続いていた。
FIT 1.5チャレンジの決勝では、さらに西尾和早選手と蜂須賀清明選手を加え、4台で激しくトップが競われた。公約どおり1コーナーへのホールショットを決めた後は、後方からのプレッシャーにも屈することなく、寺西選手は逃げ切りに成功。「スプリントでは初めてです。耐久では優勝したことあるんですけど」という、嬉しい結果を修めた。2位は西尾選手で初表彰台。最終ラップのシケインで喫した松尾選手のミスを、最後にしっかり捉えていた。
48台のグリッドに対し、3台の予選落ちを出すまでの盛況ぶりを見せたTOYOTA GAZOO Racingネッツカップヴィッツレース2020関西シリーズ開幕戦。再びゼッケン1を誇らしげにつけた峯幸弘選手がポールポジションを獲得した。
決勝でもスタートと同時に飛び出して早々と差を広げるも、3周目の130Rで転倒車両があり赤旗中断。再開後も峯選手がいったんは逃げたが、橋本達宏選手に追い付かれ、ラスト3周はテール・トゥ・ノーズの戦いに転じていく。しかし、要所をしっかり押さえた峯選手は逆転を許さず。「橋本選手のペースが良くて、僕はまずまずな感じだったので」と語るも、まず幸先のいい1勝目を挙げることとなった。3位は杉山博紀選手が獲得し、水野大選手の追撃を振り切っていた。
RSは近田直人選手がポール・トゥ・ウィンを達成。混走するCS2も徳升広平選手がスタートからトップを譲らず好走。昨年のF4チャンピオンは練習を含め、ドライコンディションを初めて走ったにも関わらず、圧倒的な速さを見せていた。
VITA-01で争われるクラブマンスポーツでは、山谷直樹選手が予選で最速タイムを記すも、ピットレーンの速度超過があり2グリッド降格のペナルティが。繰り上がってポールを獲得したのは、これがデビュー戦の元山泰成選手だった。
8周の決勝レースは、途中で赤旗中断を挟む展開となるが、最初のスタートのみならず、リスタートも完璧に決めたバイエルン松尾選手が優勝。昨年の岡山チャンピオンが鈴鹿シリーズに移行してきた格好で「チャレンジャーとして、戦っていきたいと思います」とは松尾選手。元山選手は山谷選手にも逆転を許し、デビューウィンを飾れなかったことを非常に悔しがっていた。
新型のFE2だけで競われることになったフォーミュラEnjoyは、後続の激しいバトルを尻目に辰巳秀一選手がポールから一度もトップを譲らず。「優勝は初めてです。いいスタートが切れたので、今年はこの調子で行けたら」と語っていた。2位は永井秀和選手が、3位は今田一人選手が獲得した。
FFチャレンジは、久々の登場となった松下裕一選手のポール・トゥ・ウィン。だが、最後まで毛利有佑選手を背後に置いたのは「1年ぶりだったので、勘が戻っていなくて、常に安パイで走っていた」ためだと。本領発揮の走りも見たいところだ。3位は坂和晃選手が獲得している。
フォト/Motorsports Forlum A.B、はた☆なおゆき レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部