新型肺炎の感染拡大防止のため各カテゴリーで3~4月イベントの開催中止や延期が発表

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2020年3月5日

2020年シーズン開幕を前に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を鑑みた各オーガナイザーやプロモーター等から開催に関する各種発表がなされ、鈴鹿サーキットで4月11~12日に予定されていたスーパーフォーミュラ開幕戦が延期されることが発表された。

※本記事の情報は3月3日現在の政府やFIA、主催者及びプロモーター等の発表に基づいたものです。

 新型コロナウイルス感染症の流行に対する、感染拡大防止の取り組みが各方面で行われているが、2020年シーズンの開幕戦を目前に控えた四輪モータースポーツの世界でも、3月に入って、イベント開催についての対応が続々と発表されている。

 厚生労働省からは2月20日に「イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ」が発表され、「イベント等の主催者においては、感染拡大の防止という観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討していただくようお願いします。なお、イベント等の開催については、現時点で政府として一律の自粛要請を行うものではありません」という要素を強調。

 続けて「開催にあたっては、感染機会を減らすための工夫を講じていただくようお願いいたします。例えば、参加者への手洗いの推奨やアルコール消毒薬の設置、風邪のような症状のある方には参加をしないよう依頼をすることなど、感染拡大の防止に向けた対策の準備をしていただくようお願いいたします」と具体的な対策法を提示。そして「新型コロナウイルス感染症の今後の感染の広がりや重症度を見ながら適宜見直すこととしています」ともアナウンスしている。

 また、同じ厚生労働省の「メッセージ」の中で、2月26日には「政府といたしましては、この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえ、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請することといたします」という総理メッセージも追加された。

 そして、文部科学省からは2月26日付けで「各種スポーツイベントの開催に関する考え方について」といった感染拡大防止対策の基本方針が示された。その内容によれば、2月24日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議において「これから1~2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」とされており、「今後2週間に予定されているものについて、中止、延期又は規模縮小等の対応」を求めている。

 JAFとしても、2月20日の厚生労働省からの声明を考慮して、3月31日までに開催予定のJAFが主催するBライセンス講習会は中止、もしくは延期となる由のリリースを2月21日付けで発表。これら各省庁の方針や世情を踏まえて、国内四輪モータースポーツのイベントについて、中止や延期、規模縮小などの対応が主催者やプロモーター等から発表されている。

 2月28日には、D1グランプリを運営する株式会社サンプロス・D1事務局から、2020年D1スケジュールの変更が発表された。その内容は、3月28~29日に開催予定のD1ライツ開幕戦(奈良・名阪スポーツランドCコース)と、4月25~26日開催予定のD1グランプリ開幕戦(福島・エビスサーキット西コース)の開催延期というもの。

 D1ライツ開幕戦については、4月11~12日に名阪スポーツランドEコースで代替開催され、D1グランプリ開幕戦は11月14~15日にシリーズ第8戦としてエビスサーキット西コースでの代替開催されることになった。ちなみに4月に予定されていたD1ライツ第2戦は、D1グランプリ第8戦と同じ週末の11月14日に第7戦として開催される模様だ。

 そして、3月2日には、4月3~5日に東京都渋谷区での開催が予定されていた「モータースポーツジャパン・2020フェスティバルイン渋谷」の開催中止がモータースポーツジャパン運営事務局から発表された。

 同じ3月2日には、鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎを運営するモビリティランドから、3月21~22日に鈴鹿サーキットで開催予定の「ピレリスーパー耐久シリーズ2020」開幕戦と、4月4~5日に鈴鹿サーキットで開催予定だった「2020 NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」の開催延期が発表。

 併せて、スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーションからは、同日にスーパーフォーミュラ開幕戦の延期を改めてリリースすると共に、3月9~10日に鈴鹿サーキットで予定されていた「スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト」についても延期することが発表された。

 FIAでは、WHO世界保健機構の声明を併記した上で3月3日に声明を発表。「現在まで、主に中国に影響を与えているコロナウイルスのエピデミックについて、FIAメディカル委員会代表、ジェラール・サイヤン教授監修のもと、関係当局とそのクラブメンバーとの進展状況を緊密にモニタリングしている。FIAは、予定されているレースカレンダーを評価しつつ、必要ならば、世界のモータースポーツ・コミュニティと公益を守るための措置を講じる」と表明し、3月下旬開催予定のFIAフォーミュラE選手権の中国大会、4月中旬開催予定のF1中国グランプリについては、開催延期が決定している。

 3月14~15日には国内で多くのモータースポーツイベントが予定されているが、岡山国際サーキットで開催が予定されているスーパーGTの公式テストや、JAF全日本ラリー選手権第2戦新城ラリーについては無観客で実施されることがすでに発表されている。

 また、同日に京都コスモスパークで開催予定のJAF全日本ダートトライアル選手権第1戦は規模を縮小して開催することを主催者が表明。そして、4月11~12日に予定されているスーパーGT開幕戦については、公式ウェブサイトの記述によれば「関係機関の発表や情勢を踏まえ、改めて発表する」としている。

フォト/JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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