インタープロト&KYOJO CUP最終戦で2019シリーズチャンピオンが決定。インタープロトは坪井翔選手が初戴冠!

レポート レース

2020年1月8日

2019年のインタープロトシリーズ Powered by KeePer 第4 大会が11 月16 日(土)~11 月17 日(日)に富士スピードウェイで行われ、第7 戦、第8 戦ともに優勝を飾った#32 坪井翔選手(NETZ NOVEL MIE)が逆転でシリーズチャンピオンに輝いた。また17日に行われた、同じく富士を舞台とするKYOJO CUP 第4 戦では、#36 村松日向子選手(KNCVita)がシリーズ初優勝を飾るとともに、逆転で年間チャンピオンに輝いた。

2019インタープロトシリーズPowered by Keeper 第4大会/2019 KYOJO CUP第4戦
開催日:2019年11月16~17日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)
主催:富士スピードウェイ(株)、FISCO-C、SMC
(2019 富士チャンピオンレースシリーズ第6戦)

 16 日(土)に行われたインタープロトシリーズ公式予選は、セッション終盤に1 分44 秒112 を記録した#8 宮田莉朋選手(J-Gear8 T-Japan)が初のポールポジションを獲得。シリーズ参戦2 年目の宮田選手は予選でなかなか上位に食い込めず苦戦していたが、ようやく勝ち取れたポールポジションに満面の笑みを見せた。

 17 日(日)に行われた第7 戦決勝。宮田選手は後続を抑えてTGR コーナーを通過し、坪井、#73福住仁嶺(キーパー号)、#96 中山雄一(岡山トヨペット K-tunes)の3選手が背後につけ、序盤から接近戦の白熱したバトルが展開された。

 その中でもトップを守り続けていた宮田選手だったが、6 周目のTGR コーナーで坪井選手に隙を突かれ2 番手に後退。逆転チャンピオンのためには何としても優勝が欲しい坪井選手は、そのまま宮田選手を寄せ付けない走りを披露し、第7 戦のトップチェッカーを受けた。2 位には宮田選手、3 位には中山選手が続いた。

 第7 戦の決勝順位のまま隊列を整えてスタートが切られた第8 戦も、坪井選手は冷静なレース運びを見せる。2 番手の宮田選手も何度か並びかけようとするが、逆転には至らなかった。一方、3 番手争いは中山選手と福住選手のバトルが白熱。中山選手はチャンピオン獲得のためには2 位以上が必要な状況だったが、最終ラップのGR スープラコーナーで福住選手の先行を許し4 番手に後退した。

 結局、一度もトップを譲らなかった坪井選手が第8 戦も勝利。今シーズン後半戦で4 連勝をマークする活躍を見せた。2 位には宮田選手が2 戦連続で入り、3 位には福住選手がインタープロト初表彰台を獲得した。

 ランキング首位だった中山選手が4 位で終わったため、坪井選手がシリーズランキング逆転に成功。インタープロトでは初の王者に輝くとともに、ジェントルマンレースのエキスパートクラスに参戦するチームメイト、永井秀貴選手とともにダブルタイトルを獲得した。

 CCS-R クラスは両レースとも#10 山内英輝選手(NTP RACING PN CCS-R)と#87 松井孝允選手(NTPRACING NC CCS-R)による一騎打ちのバトルに。山内選手が最後までトップを守りきり第7 戦、第8 戦ともに連勝。さらにファステストラップも記録し、松井選手を1 ポイント差で逆転してシリーズチャンピオンを手にした。

坪井翔選手 (#32 NETZ NOVEL MIE / 第7 戦、第8 戦優勝・2019 シリーズチャンピオン)
 「この最終戦で2 回勝って、中山選手が2 回とも3 位以下であればチャンピオンが獲れるというのは分かっていたので、とにかく勝つしかない状況でした。その中でしっかりとレースを進めることが出来て宮田選手を攻略して2 回とも勝てました。正直、あのポイント差でチャンピオンが獲れるとは思っていなかったので、最終戦でポイントが1.5 倍になるも大きかったですし、まさに“思っていなかった最高の結果”でした。

 また、午前中のジェントルマンのレースで永井選手が素晴らしい走りをしていて、何とか僕も良い結果を出したいなと良い刺激になりました。両方のシリーズでチャンピオンを獲ることができて、チームにとっても最高のシーズンだったかなと思います」

 シリーズ最終戦となったKYOJO CUPは終日晴天となり、ドライコンディションの中で予選と決勝が行われた。30 分間で行われた公式予選では#31 池島実紅選手(m dent アキランドVITA)がセッション序盤から好タイムを連発。残り10 分を切ったところで2 分00 秒101 をマークし、自身初のポールポジションを獲得した。

 決勝レースでは、「自分のスタートが唯一の不安要素」と語っていた池島選手が、好ダッシュを決めてトップのままTGR コーナーを通過。そのまま後続を引き離しにかかろうとしたが、2 周目のパナソニックコーナーで痛恨のスピンを喫し、9 番手まで後退してしまった。

 池島選手は諦めずに追い上げ、レース中盤には5 番手まで挽回するも、7 周目のパナソニックコーナーで#49 荻原友美選手(ありそ鮨し&バンツォVITA)と接触しスピン。そのままピットに戻り、リタイアとなってしまった。一方、ランキング首位でこのレースを迎えていた荻原選手も、接触の影響でスピンし、6 番手に後退した。

 そんな中トップに立ったのは村松選手。とにかく自分の走りに集中し続け、4 周目には2 分00 秒980 のファステストラップを記録した。その後もペースを緩めることなく快走を続け、9.1 秒ものリードを築いて初のトップチェッカーを受けた。2 番手には#37 翁長実希選手(KeePer VITA)、3 番手には#48 星七麻衣選手(ワコーズ ED ニルズ VITA)がつけた。

 シリーズランキングでは優勝の30 ポイント(最終戦は通常の1.5 倍が与えられる)に加え、ファステストラップのボーナス1 ポイントを稼いだ村松選手が、翁長選手を1 ポイント逆転し2019 シーズンの年間女王に輝いた。

村松日向子選手(#48 KNCVita / 第4 戦優勝・2019 シリーズチャンピオン)
 「まずはKYOJO CUP で初優勝できたことがとても嬉しいです。正直、レースが終わった直後はチャンピオンになったという実感が湧かなかったんですが、シリーズ表彰などを終えて、少しずつ実感が湧いてきました。スタートで2 番手に上がって池島選手を追いかけましたが、まだレース序盤だったので焦らずにいこうと思っていました。トップに立ってからは自分の走りに集中することを心がけました。

 今まではバックミラーで後ろを見すぎてしまうことが多かったのですが、今回はミラーを見る場所をあらかじめ決めて、それ以外では前だけに集中して走っていました。今回のレースでは自分が出来ることは全て出し尽くせたので、まずはそこに満足しています」

第7戦逆転優勝の勢いを持ち込んで、最終戦でも連勝と、速さを見せつけた坪井翔選手。
シリーズ後半戦で怒涛の4連勝を飾った坪井選手は、初のインタープロト王者に輝いた。
KYOJO CUP2代目女王に輝いた村松日向子選手。過去、優勝も飾った全日本カート選手権からステップアップし、2019年はスーパーFJにも参戦した。
KYOJO CUP初優勝を飾った村松選手は、ファステストラップを叩き出したことが功を奏して初のシリーズチャンピオンも獲得した。
KYOJO CUP最終戦表彰。左から2位翁長、優勝村松、3位星七の3選手。翁長選手は沖縄から遠征してシリーズを追った。

フォト/Inter Proto Series事務局、KYOJO CUP事務局 レポート/Inter Proto Series事務局、KYOJO CUP事務局

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