来季のSFを占う合同テスト・ルーキードライバーテストが鈴鹿で開催

レポートレース

2019年12月10日

2020年の全日本スーパーフォーミュラ選手権の開催に向け、早くも合同テスト・ルーキードライバーテストが始動した。将来のSFシート獲得のために若手ドライバーたちが集い、自身の走りをアピール。また今シーズンを戦い抜いたレギュラードライバーたちも負けじと、存分に実力を発揮した。

2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権合同テスト・ルーキードライバーテスト
開催日：2019年12月4～5日
開催地：鈴鹿サーキット（三重県鈴鹿市）

　12月4～5日、空っ風が吹き込む鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラの合同テスト・ルーキードライバーテストが行われた。10月末に開催された激闘の最終戦から1か月あまり、2020シーズンに向けて各チームの動静が少しずつ見えてきた。

　今回の開催にあたり、エントリーリストは一部謎に包まれた状態だった。11月下旬に発表された第一弾では、今シーズンの全日本フォーミュラ3選手権に参戦した片山義章選手、スーパーフォーミュラ最終戦で上位入賞を果たしたユーリ・ビップス選手、他今季レギュラードライバー数名の名前が記載されていたものの、それ以外はT.B.N（To Be Nominated/後刻指名）のまま。

　12月上旬の第二弾の発表には全日本フォーミュラ3選手権チャンピオンのサッシャ・フェネストラズ選手、同じく全日本フォーミュラ3選手権に参戦のシャルル・ミレッシ選手、FIA-F2での活躍も記憶に新しい松下信治選手らが名を連ねる。そして他エントリーが明らかになったのはテスト前日で、大津弘樹選手、大湯都史樹選手、宮田莉朋選手らが新たに加わった。

　また2020年からスーパーフォーミュラに復帰参戦する、道上龍氏が率いるThreeBond Drago CORSEにも注目が集まった。SF19の車両の準備は間に合わなかったが、この合同テストに参加することで、現状のチームに足りていない部分を探り出すのが狙いのようだ。

　計12チーム22選手が臨むこととなった合同テスト・ルーキードライバーテスト。4日9時から行われたセッション1、終盤にDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの山本尚貴選手が1分36秒900を叩き出してトップに。2番手はTEAM MUGENのビップス選手、3番手はTCS NAKAJIMA RACINGの牧野任祐選手。

　14時からのセッション2は4回の赤旗中断に苛まれたが、ビップス選手が1分36秒265をマークしてトップ。2番手はDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの福住仁嶺選手、3番手はREAL RACINGの塚越広大選手。ホンダエンジンが初日上位を占めた。

　明けて5日の8時50分からスタートしたセッション3は、4回の赤旗中断およびサーキットの計時システムのトラブルで35分の延長となった。DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2台が1分35秒前半のタイムをマーク、福住選手がトップを奪った。2番手はコンマ070秒差で山本選手、3番手はビップス選手。

　雲行きが怪しくなってきたセッション4は13時20分に開始。次第に雨も降り始めて路面コンディションはセミウェットに。時折、陽が射すなど安定しない天気の中、やはり各選手ともタイムが伸び悩んだ様子だった。トップは1分36秒482の牧野選手で、VANTELIN TEAM TOM'Sの宮田莉朋選手が2番手、福住選手が3番手。若手ドライバーが活躍を見せたセッションとなった。

　来シーズンに向けてのデータ取りや、ルーキードライバーの見極めなど、各チームの思惑が交錯する中、2日間のテストは無事に終了した。なお、両日を通してトップタイムをマークしたのは福住選手。2020年の全日本スーパーフォーミュラ選手権はどのような体制となるのか？　開幕前の3月に行われるテストで、ある程度の概要が見えてくるものと思われる。