2020年WRC日本ラウンドのテストイベント「セントラルラリー愛知・岐阜2019」開催
2019年11月28日
2020年11月22日にFIAカレンダー入りした「ラリー・ジャパン」。そのテストイベントとなる「セントラルラリー愛知・岐阜2019」が11月7~10日に開催され、勝田貴元/ダニエル・バリット組が総合優勝した。
2019 FIA International Rally/2019日本スーパーラリーシリーズ第5戦
「Central Rally Aichi/Gifu 2019」
開催日:2019年11月7~10日
開催地:愛知県・岐阜県内
主催:TMSC、(株)サンズ、MSCC、MOSCO
2020年シーズン、世界ラリー選手権(WRC)の一戦として約10年ぶりとなるWRC日本ラウンドの開催が発表されているが、そのテストイベントに位置付けされる「CentralRally Aichi/Gifu2019(セントラルラリー愛知・岐阜2019)」が、11月7~10日に愛知県と岐阜県で開催された。
ラリーのヘッドクォーター(HQ)やサービスパークは愛知県長久手市にある「愛・地球博記念公園(通称モリコロパーク)」に置かれ、愛知県豊田市や岡崎市、岐阜県恵那市を舞台に合計14ステージ、128.6kmのスペシャルステージ(SS)が設定された。
SSの構成はレグ1に6本、レグ2に8本用意され、レグ1は3本、レグ2は4本のステージをループする設定。モリコロパークには1.14kmの「Expo」、岡崎中央総合公園には1.5kmの「Okazaki」というスーパーSSが用意されたが、その他のステージは林道と2車線の県道をつなぎ民家の軒先も走るような設定だった。
本大会はこれまでの国内ラリーでは考えられないようなシチュエーションを全開で走る設定となったことから、レッキを終えた選手からは口々に「海外ラリーのようだ」と驚きの声も聞こえた。
また、今回はセントラルラリー愛知・岐阜のセクション2と3を共用する形で、クラシックカーラリーである「ACCRセントラルラリー愛知/岐阜2019」が併催され、セクション3と4の「Akechi」ステージを共用する「L1ラリー in 恵那2019」も同日開催されるという珍しいラリーフォーマットが採用された。
セントラルラリー愛知・岐阜2019エントラントは、国際格式部門と国内格式部門の2部門が用意され、合計35台がエントリー。注目はTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの育成ドライバーである勝田貴元選手の参戦で、コ・ドライバーのダニエル・バリット選手と共に、ヤリスWRCで凱旋することになった。現行WRカーが国内のラリーステージを競技走行するのは初めてとなる。
さらに、今年はFIA欧州ラリー選手権とJAF全日本ラリー選手権に参戦した新井大輝選手がイルカ・ミノール選手と共にシトロエンC3 R5で参戦。また、全日本ラリー選手権ではランサー・エボリューションを駆る福永修/齊田美早子がシュコダ・ファビアR5を持ち込み、こちらも国内では初お目見えとなった。
国内格式部門では、JAF全日本ラリー選手権において、各クラスでチャンピオン争いを演じたトップクルーが顔を揃えたこともあり、ノンタイトル戦といえども白熱のバトルが期待された。
今シーズンは土日となると雨や台風の到来が心配される状況に見舞われ、全日本ラリーにおいては台風19号の影響でシリーズ第9戦は日程を短縮、第10戦はコースコンディション不良のため中止となっていた。しかし、この週末は抜けるような青空に恵まれて、安定したドライターマックを走れるコンディションとなったため、国内格式部門では、仕切り直しの今シーズンの走り納めといった雰囲気もあった。
ラリーの結果は、国際格式部門は唯一のWRカーによる参戦ということもあり勝田貴元/バリット組が圧勝。詰めかけたラリーファンに強烈な走りを印象付けると共に来シーズンの本番への期待も大きく膨らむこととなった。
2位はマシンの調子に翻弄される形となってしまった新井大輝/ミノール組、3位は福永/齊田組、4位には全日本ラリー第9戦で初優勝している、スーパーGTを戦うヘイキ・コバライネン/北川紗衣組が入った。
国内格式部門は、Class1は「全日本ラリー第9戦に向けてセッティングを見直した」と語る全日本ラリーJN1の鎌田卓麻/鈴木裕組がレグ1からスパートし、そのまま逃げ切って優勝。Class2は全日本ラリーJN4のチャンピオンを確定させている関根正人/草加浩平組を振り切り、西川真太郎/白水順一組が嬉しい優勝を手にした。
Class3は、こちらも全日本JN3のチャンピオンクルー、山本悠太/山本磨美組が優勝。Class4は、全日本JN5のタイトルを決めている天野智之/井上裕紀子組が全ステージでベストを奪い勝利を飾った。
フォト/小竹充、山中知之、JAFスポーツ編集部 レポート/山中知之、JAFスポーツ編集部