第46回東京モーターショー2019、約130万人の観客を集めて閉幕

レポート その他

2019年11月20日

「OPEN FUTURE」をテーマに10月24日に開幕した第46回東京モーターショー2019は、東京ビッグサイトを中心とした臨海副都心エリアを席巻して、モビリティの未来を感じさせる様々な展示を実施。130万900人もの観客を集め、11月4日に盛況の内に閉幕した。

第46回東京モーターショー2019
開催日:2019年10月24日~11月4日
開催地:東京ビッグサイト西/南展示棟・青海展示棟、MEGA WEB、シンボルプロムナード公園、TFTビル横駐車場など
主催:一般社団法人日本自動車工業会

 2011年から東京ビッグサイトを中心とした臨海副都心エリアで開催されている東京モーターショー。2017年以来2年ぶりに開催された第46回大会は「OPEN FUTURE」をテーマに、東京ビッグサイトの西/南展示棟や青海展示棟、MEGA WEB、シンボルプロムナード公園などで展示を実施した。

 西展示棟にはスズキ、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車などが出展。増設された南展示棟にはマツダとレクサス、そして青海展示棟にはいすゞ、スバル、ダイハツ工業、トヨタ自動車、三菱ふそう、日野自動車、UDトラックスなどが出展し、発売直前の量産車やOPEN FUTUREのテーマにふさわしい近未来モビリティの在り方を提案する展示を行った。

 MEGA WEBでは「FUTURE EXPO」と題した、自動車業界がコラボして提案する近未来空間を体験できる催しや、話題のデジタルモータースポーツ「グランツーリスモSPORT」を使ったeスポーツイベントを実施。「都道府県対抗U18全日本選手権」や「FIAグランツーリスモチャンピオンシップ2019シーズンワールドツアー第5戦」などが大観衆のもと開催された。

 東京ビッグサイトの西/南展示棟と、青海展示棟及びMEGA WEBは立地が離れているが、その間は「OPEN ROAD」と名付けられた約1.5kmの展示スペースとして活用。移動の間にスーパーカーやカスタムカー、キャンピングカーなどの他、レアなモビリティアイテムなどが楽しめる仕組みとなっていた。

 また、体験イベントも充実しており、TFTビル横駐車場には「DRIVE PARK」と題した最新車両の試乗スペースを設置。乗用車公道試乗体験やAJAJ協力同乗試乗体験い加え、ドリフトマシンの同乗走行や世界レベルのドローンレースまで行われていた。

 西展示棟ではJAFのPRブースも出展。今回はグランツーリスモSPORTを体験できるゲーム筐体を3台設置。参加者がアタックした計測タイムはJAFから”認定”され、その時点における上位4名の名前(ニックネーム)と計測タイムがブースに設置されたランキングボードに掲示された。このアタックタイムは連日更新されてゆき、日多くのチャレンジャーが詰めかけていた。

 また、10月24日には南展示棟の東京オートサロンブースステージにて、2つのFIA公認モータースポーツイベントの発表会が行われた。

 まずは「ラリージャパン2020記者発表会」。先日、晴れて2020年カレンダーに組み込まれたことが発表されたFIA世界ラリー選手権(WRC)日本ラウンド。この発表後、公の場では初となる報告が行われた。

 WRC日本ラウンド招致準備委員会改め「RallyJapan運営事務局」の高橋浩司事務局長がステージに登壇し、WRCカレンダー登録の経緯や2020年大会の概要、そして今年11月に行われるテストイベント「セントラルラリー愛知・岐阜2019」の概要発表を行った。また、開催される愛知・岐阜エリアの首長や招致支援組織のメンバー及び代表者が登壇。2020年11月22日に予定されるWRC日本ラウンド「Rally Japan」の成功を祈念して気勢を上げた。

 続いて、今年で3回目の開催となる「FIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップ(FIA IDC)」の開催概要も発表された。今年は「FIA IDC 2019 Tsukuba Drift」と題して、11月31日~12月1日にかけて茨城県の筑波サーキットコース2000で開催されることになっているが、すでにエントリー予定者も発表されており、FIA IDC初代王者の川畑真人選手、そして第2回王者のゲオルギィ・チフジャン(ゴーチャ)選手を始め、今年は17の国と地域から25名のトップドライバーが参加する予定となっている。

 この発表会では、サンプロスの齊田功代表から当日のタイムスケジュールを始めとした大会概要が発表され、今年は初めて「敗者復活戦」が行われることも明らかにされた。また、FIAドリフト委員会の飯田章委員長のビデオメッセージも上映。FIAドリフト委員会発足の経緯や今後の抱負を語った。

 そして、FIAカテゴリーマネージャー・ドリフト担当のスチュアート・ムレイ氏とはビデオチャットがライブで結ばれ、FIAドリフト委員会で検討されている課題や今後の展望、今回初の常設コースでの開催となった筑波サーキットコース2000の印象などを語った。

 ゲストには初代王者の川畑真人選手が登壇。今年はGRスープラをいち早くドリフトマシンに仕上げてD1グランプリに参戦しているが、FIA IDC参戦にあたり、エンジンを直6からV8への換装を決定したことを語った。

「昨年からチーム体制を一新してトヨタGRスープラをスタートさせました。でも、国内ではいい成績を残せていないので、正直なところ、このまま世界のトップ選手と戦うのは不安があるんです。そのため、チームやスポンサーと協議した結果、マシンを大幅に仕様変更することを決定しました」。

「GRスープラにV8エンジン(3UZ)を搭載して、さらなるパワーアップを図って、無敵な状態を維持して筑波サーキットに乗り込みたいと考えています。日本代表として恥ずかしくない走りをするために、D1グランプリのシリーズ中ですが、大きなモディファイをして、FIA IDCに備えたいですね」。

「それほど自分にとってもチームにとっても、FIA IDCは価値のある大会だと思っているので、全力で取り組みたいと思っています」。

 こう語った川畑選手は、ステージ前に展示されたGRスープラのエンジンルームをお披露目。搭載したV8エンジンを発表会でアンベイルした。

台場エリアのMEGA WEB会場では「FIAグランツーリスモチャンピオンシップ2019シーズン・ワールドツアー第5戦」及び「都道府県対抗U18全日本選手権」が開催された。
MEGA WEB会場の「FUTURE EXPO」では約60社の業種による最新技術出展が行われた。
JAFブースでは「グランツーリスモSPORT」によるJAF認定「JAFデジタルモータースポーツグランプリ」が行われ、参加選手のタイムをランキングボードに掲示した。
ホンダブースには歴代F1マシンが大集結。4輪&2輪のモータースポーツの歩みが分かる展示に。
4代目フィットが世界初公開。フランクフルトショーで発表された「Honda e」も登場!
日産ブースにはGT-Rの50周年記念の特別仕様車のほかフェアレディZの50周年展示も。
そして実走テストも行われた日産の2代目レーシングEV「リーフNISMO RC_02」も登場。
スバルブースにはGT300のBRZのほか、油圧シリンダーに載った次期レヴォーグも出展。
スズキの2代目フロンテを彷彿とさせるコンパクトPHEV「WAKUスポ」は温故知新の快作。
マツダブースには次期型も噂される現行ロードスターと世界初公開された量産EV「MX-30」を展示。
ダイハツは後に「ロッキー」として発売される新型コンパクトSUVをサプライズ出展!
三菱ブースではPHEV技術を搭載したミッドサイズSUVやコンパクトSUVの展示がメイン。
トヨタブースの正面に据えられた「e-Racer」はインホイールモーター搭載の2名乗車のEVレーシングプロトタイプ。
e-Racerでは専用デジタルグラスで走行シーンをリアルな世界に重ね合わせたり、自分の体型に合わせたシチュエーション別のシートアクセサリー・カスタマイズの在り方を提案。
MEGA WEB隣接のヴィーナスフォートには、来年2月発売の新型ヤリスが密かに登場。
2019年大会を終えたばかりの学生フォーミュラ用車両を展示した自動車技術会ブース。
オーリンズではスーパーフォーミュラ車両やF1車両用のサスペンションパーツも展示。
FIAカレンダー発表後、公衆では初開催された「ラリージャパン2020年記者発表会」には多くの報道関係者が集結した。
RallyJapan運営事務局の高橋浩司氏が概要を説明。ステージの前には2018年FIAアジア・パシフィックラリー選手権チャンピオンマシンのシュコダ・ファビアR5が展示された。
WRC日本ラウンド招致に尽力した大村秀章愛知県知事と平木省岐阜県副知事、古賀圭司衆議院議員らが登壇して2020年大会成功の気勢を上げた。
11月29日~12月1日に筑波サーキットで初開催される第3回FIA IDCの発表会も実施。
主催者であるサンプロスの齊田功代表が筑波大会の概要を発表。FIAドリフト委員会・飯田章委員長のビデオメッセージ上映や、FIAのスチュアート・ムレイ氏とビデオチャットを結んだ、FIAにおける最新のドリフト事情の解説なども行われた。
本大会に参戦する川畑真人選手がGRスープラに搭載したV8の3UZエンジンをアンベイル。
FIA IDC初代王者の川畑選手は「FIA IDCは自分やチームにとって価値あるイベント」と語り、今年の大会では王座奪還と再度のFIA表彰式参加を目指す意気込みを語った。

フォト/滝井宏之 レポート/JAFスポーツ編集部

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