中部SA4チャンプ・岡部隆市ランサーが長年焦がれていたJAFカップを制す!!

レポート ジムカーナ

2019年11月13日

2019年のスラローマーたちの集大成とも言えるJAFカップオールジャパンジムカーナが、11月9~10日に筑波サーキットのコース1000で開催された。全日本や地方選手権で戦い抜いてきた強豪揃いの中、SA4クラスの岡部隆市が長年に渡り欲してきたJAFカップ初勝利を手にした。

2019年JAFカップオールジャパンジムカーナ
開催日:2019年11月9~10日
開催地:筑波サーキット コース1000(茨城県下妻市)
主催:THE・MC、T-SPIRIT

 11月の第2週の週末、全国から選抜されたジムカーナドライバーが雌雄を決する場所として、秋晴れの筑波サーキットが用意されたJAFカップオールジャパンジムカーナ。軽く日焼けをするくらいの日差しのもと、JAFカップの栄冠を手に入れるため、総勢150名以上のエントラントがこの筑波に集い、競技が行われた。

 各クラスともに全日本vs地方の戦いの火花が散る状況下、全日本上位選手や地元勢に優位な展開が予想された。そんな中、全日本にスポット参戦しながらも中部1位の肩書を引っ提げて筑波に乗り込んできたSA4クラスの岡部隆市(BSレイズDマスターランサーⅩ)が、2ヒート目で見事な逆転劇を演じ、優勝して意地を見せた。

 1ヒート目は6番手タイムに留まっており若干の諦めの心境を抱きつつも、2ヒート目の最終ターンで真正面にゴールが見えた時に勝利を確信したという岡部は「JAFカップへの挑戦は通算6~7回くらいでしょうか……。長くやっていれば良いこともあるんですね」と涙ながらに喜びを噛みしめた。

 SA1クラスにエントリーの小武拓矢(シンシアYHワコーズCRX艶々)も通算8回目となるJAFカップ挑戦で、「全日本では(2位や3位が多くて)ずっとモヤモヤした気持ちでしたが、今回の2本目で満足いく走りができてスッキリしました」と語り、昨年のJAFカップ2位の悔しさをも払拭させる笑顔をチラつかせた。

 続いて全日本で活躍する若林兄弟が魅せた。PN3クラスで兄の隼人(YH若林自動車ITO速心BRZ)が2本とも1分9秒台の安定した走りで優勝すると、弟の拳人(YH若林自動車速心インテグラ)は1ヒート目スタート直後にシャフトを折ってDNFとしながらも2ヒート目でキッチリとベストタイム叩き出してSA2クラス優勝。兄弟揃っての優勝は初とのことだ。

 ヨコハマ勢の好調も特筆しておきたい。前出の小武や若林兄弟、そして今大会を控えて車両のリフレッシュを図ったPN1クラスの斉藤邦夫(ADVAN08Bロードスター)や、上位4台がコンマ3秒差で競り合う僅差をモノにしたPN2クラスの工藤典史(YHwmxITOspmシビック)と、5クラスでの優勝をヨコハマユーザーが占めた。

 その他、PN4クラスは父親とのダブルエントリーの奥井優介(Fクラフト☆コサ犬DLランサー)が、SA3クラスでは全日本4位の渡辺公(BSリキFG犬OSペトロNSX)が勝利を手にした。SCクラスは東北1位の佐藤英樹(スキップDLSPMWmランサー)が優勝を果たした。

 一昨年から創設されたWomanクラスは6名の女性ドライバー対決となった。2年連続のJAFカップ優勝で絶対王者の東方紀美恵が不在の中、誰が勝ってもおかしくない展開。BRZを駆る渡邊千尋(RST86)が1分13秒780と2位以下に5秒近くの差をつけ、ぶっちぎりのタイムで優勝した。

 またJMRC全国オールスタージムカーナIN関東は、地元の関東勢を抑えてJMRC東北が優勝。来年度の選手権では東北勢の活躍にも注目していきたい。

SA4クラス入賞の皆さん。地方戦でのチャンピオン確定時と同様に逆転でJAFカップを奪取した岡部。
「(筑波は)走行会等で走る馴染みのコースでした」とPN1の斉藤邦夫は、他を寄せ付けない圧倒的なタイムで優勝した。
2年連続4度目のJAFカップを手にしたPN2クラスの工藤典史。2ヒート目の4選手による1分10秒台での接戦を見事に制した。
今大会クラス最多の29台がエントリーしたPN3クラスは、若林隼人が最終ゼッケンでしっかりキメた!
「地元の関東の開催で勝てて嬉しいです」と素直な感想を述べたPN4クラス優勝の奥井優介。
SA1クラスの小武拓矢は「ようやくひとつの目標が達成できました」とJAFカップ初優勝を喜んだ。
1ヒート目は車両トラブルで、実質1本勝負となるプレッシャーを抱えながらも、見事優勝したSA2クラスの若林拳人。
全日本選手権ではなかなか勝てずにツラいシーズンを過ごしてきたSA3クラスの渡辺公は、最後に優勝して1年間の憂さを晴らした。
SCクラス優勝の佐藤英樹は「1年の締め括りに(表彰台に)立ててすごく嬉しいです」と笑顔を見せた。
1ヒート目にミスコースしたWomanクラスの渡邊千尋。周りの励ましもあって2ヒート目で決めて優勝!
スタート直後とゴール手前にパイロンターンが集中した、テクニカル&ハイスピードなコースレイアウト。
得点に補正がかかる2ヒート目でタイムの巻き返しが多かったことで、JMRC全国オールスタージムカーナIN関東の地区対抗戦はJMRC東北が制した。

フォト/関根健司、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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