紅葉満開の北海道スナガワで、JAFカップダートトライアルが初開催!

レポート ダートトライアル

2019年11月1日

北海道地区では初の開催となるJAFカップオールジャパンダートトライアルが10月26~27日、オートスポーツランドスナガワダートトライアルコースで行われ、Dクラスにエントリーした鎌田卓麻が、下馬評通り、総合ベストとなるオーバーオールウィンの快走を見せ、シーズンを締め括った。

2019年JAFカップオールジャパンダートトライアル
開催日:2019年10月26~27日
開催地:オートスポーツランドスナガワダートトライアルコース
主催:AG.MSC北海道

 全日本選手権とJAF地方選手権のどちらかで、シリーズ上位に食い込む速さを見せた実力者達が一堂に会して、日本一を決める恒例の一発勝負のイベント、JAFカップオールジャパンダートトライアルが、今年も10月の第3週に北海道で行われた。

 北海道では昨年、JAFカップオールジャパンジムカーナが初開催されたが、ダートトライアルのJAFカップが開催されるのは史上初めて。全日本選手権では屈指のハイスピードコースとして知られるスナガワだが、この時期のビッグイベントの開催は過去、例がない。満開の紅葉をバックにした各選手の激走が展開された。

 今回のスナガワは土日とも雨が降ることはなかったが、土曜夜にまとまった降雨があったため、日曜の決勝は、ウェット路面からスタート。時折、太陽も顔を出したが、路面が乾き切らないままに競技は終了。各車、レインタイヤで勝負を賭ける一戦となった。

 大会のトリを飾るDクラスは、白熱のバトルとなった。ヒート1のベストは地元北海道の全日本ドライバー田辺剛(SPヤマダTRSYHミラージュ)。今季、全日本でも勝利を飾っているスーパーDマシンのBRZを持ち込んだ優勝候補筆頭の鎌田卓麻(itzzオクヤマDL栗原BRZ)を0.5秒抑えて首位で折り返す。

 今季から投入のBRZを駆る鎌田は、「全日本でも雨が少なかったので、セッティングのデータが不足していた」と、ヒート2に向けてマシンセット変更を敢行。持ち前のダイナミックな走りが甦って、1分22秒874という驚異的なタイムを叩き出す。田辺も3秒以上もタイムを縮める気迫の走りを見せたが、1分23秒740にとどまり、道産子ドライバー2名による異次元バトルは鎌田に軍配が上がった。

 今回の大会は、全日本を戦う北海道のドライバー達が、地元で速さを見せた。PN1クラスでは、今季このスナガワで全日本初優勝を飾った内藤修一(DLitzzSCENEスイフト)が再びビッグイベントを制覇。PN2クラスでは2年ぶりに王座復活を遂げた宝田ケンシロー(YHKYBオクヤマスイフト)が、N2クラスでも全日本V2を決めた北條倫史(DLitzzNUTECランサー)が優勝をさらっている。

 さらにSA1クラスでも、今季全日本を追った山田将崇(ホクレンAIG√6DLシビック)がビッグイベント初優勝を達成。N1クラスでは地元北海道の大学院生、海野正樹(DLLOVCAインテグラ)が2本ともライバルを大きく引き離すタイムで圧勝と、地元の声援に応えた。PN3クラスでも北海道を代表するテクニシャン和泉泰至(DLitzzクスコGR86)が、ライバルを寄せ付けず、順当勝ちを見せた。

 一方、SA2クラスでは、今季、全日本で最終戦までタイトルを争った黒木陽介(MJTGulf五組DLランサー)が貫禄を見せて優勝。SC1クラスでは津軽海峡を渡ってきた秋田の竹村由彦(工藤ホンダ・あうんシビックDL)が、青森のサーキットパーク切谷内で造り込まれた改造車のシビックでJAFカップ初優勝を飾った。なお今大会では、併設されたFF2/4WDクラスに、過去12回の全日本チャンピオンに輝いた北海道の“レジェンド”、原宴司(DLPガレストーリア)がストーリアで出場。見事、勝利を飾って、大会を盛り上げた。

地元北海道在住のトップ2が異次元のタイムで優勝を争ったDクラス。最後は鎌田卓麻が貫禄を見せて逆転勝ちを収めた。
地元北海道と青森のトップドライバー達が接戦を展開したPN1クラスは、内藤修一が全日本スナガワに続いて2連勝を決めた。
PN2クラスでは、“凱旋走行”となった宝田ケンシローが順当勝ち。
PN3クラスも北海道を代表するテクニシャンで、今季、京都開催の全日本も制している和泉泰至が快勝した。
N1クラスでは地元期待の若手、海野正樹が2WD総合ベストを奪う好タイムで優勝。
N2クラスではチャンプ確定の北條倫史が、九州から遠征してきた岸山信之を僅差でかわして勝利をさらった。
地元勢によるバトルが展開されたSC1クラスは、山田将崇が全日本で鍛えられた走りを見せてJAFカップ初優勝。
SA2クラスでは5月の全日本スナガワも制している黒木陽介が、ゲンのいいコースで快勝した。
SC1クラスでは東北のFFスペシャリストとして知られる竹村由彦が、ヒート1の3位から大逆転を見せて優勝を飾った。
併催のFF2/4WDクラスには、今季、約9年ぶりに復活して地区戦を戦った、レジェンドドライバー原宴司が参戦。全日本でも幾多の栄冠を勝ち取ったストーリアで勝利をさらった。
ビート対RX-7という顔合わせとなった併催のRWDクラスは熊谷和幸が優勝した。
紅葉に包まれたスナガワ。例年はこのまま静かに冬を待つだけだった北海道を代表するグラベルサーキットが、今年はシーズンを締め括るビッグイベントの舞台となった。
ダブルタイトルがかけられたJMRC全国オールスターダートトライアルin北海道の地区対抗戦では地元の北海道チームが優勝旗をさらった。
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