IPS富士、坪井翔選手が圧倒的な連続ポール・トゥ・ウィン! 大激戦のKYOJO CUPは星七麻衣選手が逆転の初勝利!!

レポート レース

2019年11月13日

富士スピードウェイで開催されている2019年インタープロトシリーズPowered by KeePerの第3大会が10月19~20 日に行われ、坪井翔選手が2戦連続でポール・トゥ・ウィンを飾った。そして、20日に開催されたKYOJO CUPでは、僅差の上位争いの中、星七麻衣選手が最終ラップの逆転で初優勝を飾った。

2019インタープロトシリーズPowered by Keeper 第3大会/2019 KYOJO CUP第3戦
開催日:2019年10月19~20日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)
主催:富士スピードウェイ(株)、FISCO-C、SCCN
(2019 富士チャンピオンレースシリーズ第5戦)

 19 日(土)のインタープロト公式予選はウエットコンディションの中で行われ、今回も僅差のタイムアタック合戦が繰り広げられたが、その中で最後にタイムアタックした坪井翔選手(NETZ NOVEL MIE)が2分01秒181で今シーズン初のポールポジションを獲得した。

 20(日)に行われた決勝レースは、曇り空ではあるものの路面はドライコンディション。第5戦と第6戦それぞれ9周で争われた。

 坪井選手はトップを守って1コーナーを通過すると、後方に迫ってきた55号車山下健太選手(人馬一体ドライビングアカデミー)、16号車ロニー・クインタレッリ選手(ララパルーザ)に全く隙を見せない走りを披露。レース後半になってペースを上げてきた山下選手に、最終ラップに入ったところで横に並び掛けられる場面があったが、坪井選手は冷静に対処して0.162秒を付けて第5戦を制した。2位に山下選手、3位にはクインタレッリ選手が続いた。

 第5戦の決勝順位のまま隊列を整えてスタートした第6戦も、レース序盤は坪井選手と山下選手の一騎打ちとなったが、僅かながらに坪井選手がアドバンテージを持った状態で周回を重ねていった。

 一方、2番手の山下選手も必死に食らい付いたが、第5戦を4位で終えた96号車中山雄一選手(岡山トヨペットK-tunes)の追い上げに屈し、7周目のTGRコーナーで2番手の座を明け渡した。

 中山選手は7周目に1分46秒511のファステストラップをマークすると、そのままの勢いで坪井選手に接近。勝負を仕掛けようとしたが、あと一歩届かずチェッカーフラッグとなった。

 これで坪井選手は第5戦に続いて2連勝。ジェントルマンレースのエキスパートクラスで同じマシンを駆る永井秀貴選手も2連勝を飾り、チームにとっては最高の週末となった。2位となった中山選手は3大会連続で表彰台を獲得。3位には山下選手が続いた。

 CCS-Rクラスは、第5戦・第6戦ともクラスポールポジションからスタートした10号車山内英輝選手(NTP RACING PN CCS-R)が2連勝を飾った。

 第5戦と第6戦をポール・トゥ・ウィンで制した坪井翔選手は以下のように語った。

 「こうして2レースとも優勝できて嬉しかったです。チームも参戦3年目で初めてプロクラスで優勝できましたし、何より(ジェントルマンドライバーの)永井選手と週末で合計4連勝できたので、僕たちにとって本当に最高な週末だったと思います」。

 「本来は2レース目に向けて1レース目である程度タイヤを温存したかったのですが、山下選手のペースが良く、僕も必死でした。2レース目の終盤には中山選手が追い上げてきて、少し難しいレースでしたが、一度もトップを譲らず走り切れたのは、自信にもなりました。本当に良いレースができたので、次の2戦も優勝できるように頑張りたいです」

 そして、IPSと併催されているKYOJO CUP第3戦は20日(日)に予選と決勝が行われ、48号車星七麻衣選手(ワコーズED ニルズVITA)が初優勝を飾った。

 午前中に行われた公式予選はウエットコンディションの中、セッション終盤に2分17秒629をマークした36号車村松日向子選手(KNC Vita)が2戦連続でポールポジションを獲得した。11時30分から行われた決勝レース(10周)はドライコンディションでレースが行われた。

 1周目はポールシッターの村松選手が制したが、3番手スタートの49号車荻原友美選手(ありそ鮨し&バンツォVITA)が2周目のメインストレートでトップに浮上。村松選手の後方も37号車翁長実希選手(KeePer VITA)、星七選手、87号車山本龍(おさきに☆どうぞVITA)、24号車藤島知子(ENEOS☆CLA☆PMU01)が続き、6台による激しいトップ争いが繰り広げられた。

 TGRコーナーでは毎周に渡りそれぞれのドライバーが勝負を仕掛ける場面を見せていたが、その中でも積極的な走りを見せていた村松選手は、6周目のTGRコーナーで荻原選手を抜いてトップに浮上。しかし荻原選手も意地を見せ、8周目のTGRコーナーで村松選手からトップを奪い返した。そのバトルを後方で見ていた翁長選手も一気にスパートをかけて、2台の隙を突いてオーバーテイク。レース終盤になってトップに躍り出た。

 これで翁長選手の2連勝かと思われたが、残り2周を切って勝負をかけてきたのが4番手にいた星七選手だった。前の3台が争っている隙に前のマシンを抜くと、最終ラップに入る直前で翁長選手をパス。ついにトップの座を奪い取った。

 星七選手はそのまま逃げ切り、参戦3年目にして念願の初優勝を飾った。2位には翁長選手、3位には荻原選手が続いた。トップから6位の山本選手までが3.030秒差でゴールするという、今シーズン最も接戦となったレースだった。

 KYOJO CUP初優勝の星七麻衣選手は以下のように語った。

 「正直、優勝したことにビックリしています。ライバルのみんなも私のことはノーマークだったと言っていましたが、その中で隙を狙って前に出られて本当に良かったです。レース序盤は前のマシンと離れないように付いていかないといけなかったし、後ろから山本選手も来ていたので、焦りそうでした」。

 「でも、いつも後ろのことばかり気にして失敗していたので、今回はとにかく前だけを見てレースをしていくことに集中しました。最後にトップに立った時はとにかく必死でしたが、慌てないように深呼吸しながら各コーナーをクリアしていきました。今回勝ったことで周りから警戒されると思います。それに負けないように、次に向けてできる限りの準備をしていきたいです。次の最終戦も勝ちたいですね」。

 次回、2019インタープロトシリーズPowered by Keeper 第4大会(第7戦・第8戦)は11月16~17日、2019 KYOJO CUPは11月17日にシリーズ最終戦が開催され、ともにこの大会で2019シーズンのチャンピオンが確定する。

第3大会を2戦連続の圧倒的なポール・トゥ・ウィンで勝利した坪井翔選手。
シーズン一番の激戦となったKYOJO CUP第3戦。6台によるバトルが続いた。
第3戦で星七麻衣選手が初優勝。2位は翁長実希選手、3位は荻原友美選手。
星七選手はKYOJO CUP初勝利。ファイナルラップで僅差の戦いを制した。

フォト/Inter Proto Series事務局、KYOJO CUP事務局 レポート/Inter Proto Series事務局、KYOJO CUP事務局、JAFスポーツ編集部

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