ダートトライアル

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2019-10-10
改修直前の丸和オートランド那須に126台が集結! 約40年の歴史を味わった

 

 日本のダートトライアルの歴史と共に歩んできた栃木県の丸和オートランド那須が、9月29日の大会をもって改修工事に入ることになった。改修後には一部舗装化されるとあって、フルダート路面の丸和を楽しむべく、126台のマシンが改修前の最後の大会に集結した。

 

2019年JAF東北ダートトライアル選手権第8戦/2019年丸和カップダートトライアルシリーズ第6戦「THANKS FINAL BATTLE」
開催日:2019年9月29日(日)
開催地:丸和オートランド那須(栃木県那須塩原市)
主催:Team-F

 

フォト/友田宏之、レポート/友田宏之、JAFスポーツ編集部

 

 関東を代表するダートトライアルコース、そして国内屈指のハイスピードコースとして数々の名勝負が繰り広げられてきた丸和オートランド那須が、10月から大規模な改修工事を行い、2020年1月から新たなサーキットとして生まれ変わる。

 

 この改修では、コースの約半分が舗装路面化されるため、フルダートコースとしての営業は9月29日の大会をもって以て終了。同時にコース名も変更されるため、1983年に初イベントを開催して以来、約40年に渡る「丸和オートランド那須」の歴史に終止符が打たれることになった。

 

 9月29日、丸和オートランド那須としての最後となる大会が行われた。開催されたのはJAF東北ダートトライアル選手権第8戦と併催の丸和カップダートトライアルシリーズ2019第6戦。両シリーズ共に今シーズンの最終戦となるが、やはり最後の丸和ということもあり、シリーズ常連以外の選手も多数参加。全日本ドライバーを含め、総勢126台が参加した。

 

 コースレイアウトは伝統の「丸和Aコース」。左周回の常設コースとしてこれまで数多くの選手が走ってきたレイアウトだ。コース距離は約1.7km。丸和の主なセクション全てが堪能できるレイアウトでファイナルバトルが繰り広げられた。

 

 また、会場には全日本ダートラD部門を戦う谷田川敏幸選手が自身の歴代の改造車GDBインプレッサ、GVB WRX STIに加え、今季から導入した4駆ターボのBRZを展示。競技の合間にはその3台のデモランも披露し、最後の丸和を惜しみつつ大会に華を添えた。

 

 「初めて丸和を走ったのはAE86でC地区戦に出たときかな。一番の思い出は1990年のオールスターでBFMRファミリアの改造車で優勝した事ですね。主催者推薦枠から出場して勝っちゃった(笑)。新サーキットになっても全日本が開催できるコースになってほしいですね」とは谷田川選手。

 

 また、同じく全日本D部門を戦う亀山晃選手は、本番車両のランサーで丸和カップR2クラスにエントリー。オープン当初から丸和を走っているダートラ界の大ベテランは、当時の様子を語ってくれた。

 

 「丸和は河川敷にあるコースだから、当初はコース内に大きな石がゴロゴロあってね、最初の頃は酷かったよ(笑)。それを徐々に整備して、1986年にはここでオールスターダートラも開催したんだよね」。

 

 そして、丸和カップR1クラスで出走したFFマシンの丸和マイスター、小山健一選手は当時をこう振り返る。

 

 「初めての丸和を走ったときは、全然走れなかったね(笑)。30年くらい前かな。それまでは、ここまで速度域の高いコースは走ったことがなかったから、一生懸命練習したのが思い出だね」。

 

 JAF東北選手権最終戦は全クラスが成立。チャンピオン争いも決着する白熱した大会となった。そして、100台を超えた丸和カップ最終戦は、チャンピオン争いもさることながら、丸和ゆかりのドライバーや丸和を惜しむ選手たちが東北や関東から駆け付けてカオス状態。みんなで最後のフルダートコースを満喫した。

 

 「選手だけでなく観に来てくれたギャラリーも楽しめる、とにかく沢山の人が集まる場にしたいですね。そのためにサーキットとして色々提案し、行動していきたいと考えています」と語るのは、新サーキットを取り仕切るSUNRISE CIRCUIT合同会社の坂本光代表。

 

 数多くの歴史を刻んだ丸和と同じ地で、来シーズンからはまた新たな歴史が刻まれることになる。

 

 

東北選手権と丸和カップ最終戦が行われた9月29日。最後の丸和を堪能するために126台の参加があった。

 

全日本ダートラD部門を戦う谷田川敏幸選手は、直近の歴代改造車を持ち込んでデモ走行を披露した。

 

丸和の「ヌシ」と呼ばれている大ベテランの亀山晃選手。谷田川選手と同様に丸和を愛するドライバーだ。

 

今回は丸和カップが3ヒート、JAF東北選手権が2ヒートで行われた。コースレイアウトは共に「丸和Aコース」を採用。スタートからS字、岬、象の鼻、富士山、への字、大ヘアピン、KYBコーナーを経てフィニッシュする構成。この丸和Aコースは、練習会やテスト走行などで昔からよく使われた伝統的なレイアウトだったため、丸和Aコースの走行タイムを自分のテクニックや車両セッティングの指標としていた選手も多かった。

 

JAF東北選手権最終戦S0クラスはフィットの坂本貴選手が優勝。「今季初優勝です。今年は工藤(清美)選手が地区戦に出てきたので全然勝てなくて、自分はまだまだだなというのを痛感したシーズンでした。丸和は今回で4回目の走行です。グリップの良さにびっくりしてます。まるで舗装のようですね(笑)。このコースが変わってしまうというので、最後に走りに来ました」。最終戦のS0クラスには梅本まどか選手も参戦した。

 

JAF東北選手権最終戦S1クラスは全日本SC1を主戦場とする佐藤史彦選手がブッちぎり。「東北シリーズは楽しいので参加させてもらってます。このクルマは駆動系が弱いので、2本目の荒れた箇所をいかに踏まずにいけるかという所で苦労しました。約25年前、ダートラデビューが丸和で、初の丸和で転倒したんです(笑)。最後は優勝で終われて良かったです」。佐藤選手は今回の優勝でS1クラスのシリーズチャンピオンを獲得。

 

JAF東北選手権最終戦S2クラスには9台がエントリー。福島の須田行雄選手や地元・栃木のの赤羽政幸選手の他、三浦禎雄選手や佐藤善彦選手ら全日本ドライバーも参戦し、第2ヒートに赤羽選手をコンマ6秒差で下した須田選手が優勝した。「丸和の思い出は色々ありますが、丸和で行われた全日本戦ではあまり成績を出せなかったので、良い思い出はないです(笑)。でも最後のAコースで勝って終わったので、良かったかなと」。

 

JAF東北選手権最終戦Dクラスはアキマただゆき選手と小出久美子選手の他、須藤正人選手も参戦。優勝したアキマただゆき選手は「1本目は全然曲がらなくて、大幅にセッティングを変えて何とか勝てました。今年はマシントラブルが多すぎましたね。来シーズンはきっちりメンテして挑みたいと思います。その昔、ランサー・エボⅡの改造車で初めてC地区チャンピオンを決めたのが丸和でした。いい思い出ですよね」と語る。

 

丸和カップ最終戦B1クラスの優勝はストーリアの舟久保右京選手。B2クラス優勝はランサーの橋本吉弘選手。

 

丸和カップ最終戦M1クラス優勝はスイフトの松栄吉彦選手。M2クラスの優勝はランサーの後藤靖治選手。

 

丸和カップ最終戦R1クラスの優勝はストーリアの杉谷永伍選手。R2優勝は全日本ドライバー星野悟選手。

 

ジムニーやパジェロが参戦した丸和カップ名物のRVクラス。最終戦の優勝はジムニーを駆る磯田貞治選手。

 

年末年始の改修工事を経て来年から営業を開始する予定の新コース。約半分が舗装される予定となっている。

 

SUNRISE CIRCUIT合同会社の坂本光代表。「たくさんの人が集まる場にしたい」と意気込みを語った。

 

約40年前、丸和オートランド那須草創期の完成予想図。「富士山」の上にはタワーを設置し、路面は舗装する計画もあったという。今回の改修で、かつての「未来」が今に蘇るかも知れない。