F3最終大会は宮田莉朋が週末を制覇して最多勝タイの8勝目をマーク

レポート レース

2019年10月3日

2019年の全日本フォーミュラ3選手権第8大会が岡山国際サーキットで開催。宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)が2レースともにポール・トゥ・ウィンを果たし、ファステストラップも記録して週末を完全制覇した。

2019年全日本フォーミュラ3選手権第19戦・第20戦
開催日:2019年9月28~29日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC

 1979年にスタートしたF3シリーズ(1981年より全日本選手権)だが、今シーズンをもって終了となることから、今大会が最後のレースとなる。岡山国際サーキットをホームコースとする地元チームが2チームあることもあり、サーキットには多くのF3ファンが詰めかけた。

 公式予選では、宮田がコースレコードと同タイムを記録して2戦ともにポールポジションを獲得。もてぎ大会でチャンピオンを確定させたサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark)が2番手、スポット参戦となった阪口晴南(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)が3番手となった。

 第19戦は、9月29日の午後にスタート。宮田とフェネストラズが好スタートを切り、1コーナーからサイド・バイ・サイドの接近戦が展開された。フェネストラズは随所で宮田に並びかけるが、宮田は何とかこれをしのぎ切って、トップでオープニングラップを終える。

 2周目にはフェネストラズとの差を1秒以上に広げていたが、3周目に入った1コーナーでハーフスピン。再びフェネストラズに迫られてしまう。オーバーテイクの難しい岡山で、何とか2度目の接近戦をしのいだ宮田は、以降は毎周フェネストラズよりも速いタイムで周回し、独走態勢を築いていった。

 2番手のフェネストラズと、3番手の阪口との差も開き、上位3台は単独走行に。宮田は唯一1分22秒台のラップタイムも記録して、ファステストラップをマーク。フェネストラズに7秒の差をつけてトップチェッカーを受けた。

 翌30日の午前に、F3最後のレースとなる第20戦がスタート。この日は事前では雨予報だったが、実際には晴れ間も見え、強い日差しの下でスタートが切られた。

 前日は2台揃って好スタートを決めていたフロントローの2台だが、今回はフェネストラズが抜群の飛び出しを見せる。宮田はわずかに出遅れるが、フェネストラズを牽制しながらトップで1コーナーへ進入。その後ろには阪口が続き、第19戦と同様のトップ3でレースが進んでいった。

 フェネストラズは前日よりも好ペースで宮田に食らいついていったが、レース後半に入るとじわじわとペースが下がり、その差が広がっていく。宮田は最後までプッシュを緩めることなく25周を走り切り、2戦連続でトップチェッカーを受け、今季最多勝タイの8勝目を記録した。

 2位のフェネストラズは、8度の優勝を含めて今シーズンの通算17回目の表彰台。阪口が2戦連続で3位表彰台を獲得した。

チャンピオンを逃した宮田莉朋がサッシャ・フェネストラズに一矢報いて、フルマーク(ポール&ファステスト&優勝)で勝利した第19戦。
第19戦の表彰式。左から2位のフェネストラズ、1位の宮田、3位の阪口晴南、マスタークラス1位のDRAGON。
もてぎでチャンピオンを確定させたフェネストラズは宮田に届かず2位、スポット参戦の阪口が3位に入賞した。
第20戦でも宮田の勢いはとどまらず、フルマークでフィニッシュ。フェネストラズに並ぶ今季8勝目を挙げた。
2019年の全日本フォーミュラ3選手権は、フェネストラズと宮田のバトルで大いに盛り上がった1年だったと言えよう。
2位にフェネストラズ、3位に阪口が入賞して、第19戦の結果と同じ顔ぶれになった第20戦。
N-ONE OWNER'S CUP Round10は、予選トップの楠井義則が後続を抑えて見事ポール・トゥ・ウィン!
1分37秒台のベストラップを叩き出した篠原拓朗が、TCRジャパンサタデーシリーズ第4戦オーバーオールクラスを制した。
TCRジャパンサタデーシリーズ第4戦のジェントルマンクラスはHIROBONが優勝し、YUKE TANIGUCHIとのタイトル争いを追いかける。
ロードスターパーティレースⅢ西日本シリーズ第3戦のND-Sクラスは杉野治彦が2番手スタートから勝利。
ロードスターパーティレースⅢ西日本シリーズ第3戦のND-Cクラス優勝は構井将文。
サタデーシリーズに続き、サンデーシリーズも制したTCRジャパン第4戦オーバーオールクラス優勝の篠原拓朗。
アルファロメオジュリエッタを駆る前嶋秀司がTCRジャパンサンデーシリーズ第4戦ジェントルマンクラスを制した。
全日本F3選手権に代わり、来シーズンに開催される全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権で使用されるダラーラ320のデモランが行われた。ドライバーは千代勝正。
記者会見には日本フォーミュラスリー協会の田口朋典事務局長、松永史郎副会長、ダラーラ社のマルチェロ・アルフィエリ氏が出席。シャシーはクイック&ライトのコンセプト、2018年のF1の技術規則に準拠した安全対策、コスト削減の取り組み、6大会16戦を確保するレースカレンダー等の説明があった。
2020年にFORMULA REGIONAL JAPAN CHAMPIONSHIP開催に向け、童夢が開発したFORMULA REGIONAL規格の車両、F111/3もお披露目された。ドライバーは片山義章。
童夢の中村卓哉取締役、K2プラネットの桑山晴美社長、日本レースプロモーションの倉下明社長、童夢の髙橋卓也社長が出席したフォーミュラ・リージョナルの記者会見。スーパー耐久富士24時間での開幕戦、6大会14戦の開催計画が発表された。詳細については11月上旬に改めて行われるとのこと。

フォト/吉見幸夫、JAFスポーツ編集部 レポート/皆越和也

ページ
トップへ