山下健太が参戦3年目で初優勝、今季6人目のウィナーが誕生

レポート レース

2019年10月3日

全日本スーパーフォーミュラ選手権の第6戦が岡山国際サーキットで行われ、予選2番手からスタートした山下健太(KONDO RACING)が国内トップフォーミュラ初優勝を飾り、タイトル争いは山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1ポイント差で首位に立った。

2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦
開催日:2019年9月28~29日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC

 予報では週末を通してウェットコンディションと伝えられていた岡山国際サーキットだが、夜半にわずかに雨粒が落ちてくる程度で、練習走行から予選、決勝までドライコンディションで行われた。

 岡山はコース距離が短く、トラフィックが起きやすいことから、今大会では予選Q1を2組に分かれて実施。山本や関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)といった実力者がQ1でノックアウトされていった中、ポールポジションを奪ったのは、前戦もてぎ大会で初優勝を飾った平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。山下が2番手、国本雄資(KONDO RACING)が3番手と、昨年のチャンピオンチームであるKONDO RACING勢が上位につけた。

 スーパーフォーミュラでは決勝レース中のタイヤ交換が義務付けられているが、今回は「先頭車両が10周回目第1セーフティカーラインを交差した時点から、先頭車両が最終周回に入るまでに完了しなければならない」という特別規則が設けられた。

 ポールシッターの平川は、スタートダッシュに有利なソフトタイヤを選択。山下はミディアムタイヤでのスタートを選択した。迎えたスタートではソフトタイヤ装着陣が次々とポジションアップし、山下は6番手まで下がってしまう。

 さらに後続にも迫られ苦しい序盤となっていたが、5番手スタートの福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がアクシデントからコースアウトを喫し、車両回収のためにセーフティカー(SC)が導入されたことで、流れが大きく変わることになった。

 SC導入中に10周目を迎え、山下を先頭にミディアムタイヤを装着したマシンが一気にピットイン。ステイアウトした車両は7台で、ピットアウトした山下は8番手。しかし、前を走るマシンは全車がこのあとでタイヤ交換を行うため、実質山下がトップとなった。

 レースは13周目にバトル再開。レース後半に入ると山下は上位陣のピットインで次々に順位を上げていき、65周目にはついにトップに立つ。68周の規定周回より前に最大レース時間が来たため、66周でチェッカーとなり、山下がスーパーフォーミュラ参戦3年目で初優勝を飾った。

 2位の中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、3位のハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)も初表彰台で、フレッシュな顔ぶれとなった。

 タイトル争いでは、7位で入賞した山本がトップに、ノーポイントフィニッシュとなったニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)が2番手に後退。3番手のアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)、4番手の山下、5番手の小林可夢偉(carrozeria Team KCMG)までがチャンピオンの可能性を持って最終戦に臨む。

今シーズンは第1戦以来の表彰台となった山下健太。スーパーフォーミュラ参戦3年目、岡山でついに念願の初優勝をキメた。
第6戦の岡山国際サーキットの表彰台には、左から2位に中嶋一貴、1位に近藤監督&山下、3位にハリソン・ニューウェイが登壇した。
ミディアムタイヤでのスタートで序盤は苦戦するも、中盤には山下に迫る走りを見せた中嶋が2位入賞。
父親のエイドリアン・ニューウェイが岡山に来場していた中、3位表彰台を獲得したハリソン・ニューウェイ。
7位入賞で2ポイントを獲得した山本が、ニック・キャシディを1ポイント上回り、最終戦を目前にポイントリーダーに躍り出た。
スーパーGT第6戦での優勝の記憶も新しい中山雄一が、アーテム・マルケロフの代わりにスポット参戦した。
「先頭車両が10周回目第1セーフティカーラインを交差した時点から、先頭車両が最終周回に入るまでに完了しなければならない」という特別規則書の変更の説明が、日本レースプロモーションの上野禎久取締役よりサタデーミーティング内でアナウンスされた。また来シーズンのスケジュールにも触れ、開幕戦が富士スピードウェイから鈴鹿サーキットへ、4月25日~26日の第2戦が4月18~19日に富士スピードウェイへ、それぞれ変更となることが報告された。

フォト/吉見幸夫、JAFスポーツ編集部 レポート/皆越和也

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