猛暑の今庄でPN1児島泰が2年ぶりの勝利! コンマ差の上野倫広は初タイトル確定!!

レポート ダートトライアル

2019年9月20日

厳しい暑さに見舞われたオートパーク今庄の全日本ダートトライアル選手権第9戦。PN1で王手をかけていた上野倫広が、児島泰にコンマ5秒届かず2位ながら、初の全日本タイトルを確定させた!

2019年JAF全日本ダートトライアル選手権第9戦「Super Trial in 今庄」
開催日:2019年9月14~15日
開催地:オートパーク今庄(福井県南越前町)
主催:SHALET 共催:FASC、CCST

 2019年JAF全日本ダートトライアル選手権第9戦「Super Trial in 今庄」が9月14~15日の日程で、福井県・南越前町にあるオートパーク今庄で開催された。今シーズンの全日本ダートトライアル選手権は全10戦で争われることから、最終戦を前に激しいチャンピオンを巡る戦いが多くのクラスで繰り広げられた。

 肌を刺すような厳しい日差しが戻った嶺北エリア。レースウィークは気温も一気に上昇。散水にもかかわらず競技車が巻き上げるホコリは収まることはなく、本番の日曜日はあまり前例のない散水車が4度コースに入ることとなった。

 コースレイアウトはコース前半部とゴール直前にテクニカルセクションが設けられ、中間部は外周を含めたハイスピードセクションという、オートパーク今庄における全日本選手権としてはオーソドックスな設定だ。

 PN1クラスはここまで3勝を挙げてチャンピオンへとひた走る上野倫広(DL田中自LubBRGスイフト)が大きくリード。ライバルたちの結果にかかわらず、2位に入ればチャンピオンが確定という状況だ。

 第1ヒートは唯一39秒台に入った児島泰(ALEXDLFTヤマトCR-Z)がトップに立ち、2番手に上野がつけた。このままポジションであれば上野がチャンピオンとなるが、上野から5番手までがコンマ14秒差の中にひしめく混戦のため予断は許さない。

 第2ヒート、昨年の開幕戦丸和の勝者、若林賢太郎(YH-BRIG-K'sスイフト)のタイムがなかなか破られなかったが、工藤清美(工藤ホンダDLワコーズフィット)と児島がトップタイムを塗り替えていき、残すは最終走者の上野のみとなった。

 しかし、上野はコンマ5秒届かず2位止まり。これで上野がチャンピオンを確定させた。ゴール直後は「まだ実感が湧かないですね。ダートラ人生で初めての全日本チャンピオンなのでこれから実感が湧くのかな」と喜びを口にした。

 続くPN2は、宝田ケンシロー(YHKYBオクヤマスイフト)と昨年のチャンピオン細木智矢(MJTDLSWKWMスイフト)の2人にチャンピオンの権利が残る。ここまで8戦のうち7勝を2人で挙げるなど一騎打ちの様相を呈していたが、第1ヒートは細木がゴール前でスピン、宝田がコースオフでタイムを残せず波乱を予感させた。

 しかし、第2ヒートで暫定ベストを叩き出していた河石潤(モンスタースポーツDLスイフト)を100分5秒上回った宝田が3連勝を挙げ、一気に栄冠へと駆け上った。

 SC2は、開幕3連勝を挙げた梶岡悟(DL・レイズ・ingsランサー)がシリーズをリードしてきた。出場した試合で表彰台を逃したことのない安定した走りを披露してきた梶岡だったが、今回も第1ヒートから只一人、29秒台を叩き出してトップを快走する。

 チャンピオン争いのライバル大西康弘(YH・TEIN・AGランサー)のタイムが伸びない中、梶岡は第2ヒートで自己タイムを更新できなかったのものの、第1ヒートのタイムで逃げ切り優勝。2年ぶり8度目の戴冠確定となった。

 今年から新設されたPN3は、初代チャンピオンを賭けて混戦が続いてきたが、竹本幸広(YHユークスオレンジ86)が、逆転チャンピオンに望みをつなぐ優勝。この結果、山崎利博(itzz☆DL鳥居TAC86)と岡翔太(itzzオクヤマDLBRZ)、竹本、熊久保信重(YHユークスオレンジ86)の4人による、最終戦タカタでの初代タイトル争奪戦となった。

 N1は古沢和夫(YHターマックテインミラージュ)が開幕戦以来の優勝でシリーズリーダーをキープ。北原栄一()との最終戦勝負に持ち込んだ。N2は、すでに北條倫史(DLitzzNUTECランサー)がタイトルを確定させているが、その北條を抑えた西田裕一(DL・BOOBOWランサー)が今季2勝目を獲得した。

 SA1はディフェンディングチャンピオンの小山健一(A DLベリティーMSシビック)がクラス2連覇への可能性を残す優勝をゲット。タイトル争いは、3位に終わった期待の若手・浦上真(DL☆VT☆MSPインテグラ)との最終戦での直接対決となった。

 SA2は前戦に続いて借り物のマシンで参戦した北村和浩(MJトレーHKサーDLランサー)が今季3勝目を獲得。今回2位の荒井信介(クスコアドバンitzzランサー)と有効同点ながら北村が逆転してランキング首位に立った。SA2のタイトル争いは北村、荒井と黒木陽介(MJTGulf五組DLランサー)による三つ巴の最終戦勝負となっている。

 SC1は坂田一也(itzzDLグローバルアクセラ)がチャンピオンを確定させているが、第1ヒート3番手から逆転してみせたのは奥村直樹(KoneYHトラストセリカ+1)。昨年の第3戦切谷内以来の優勝を飾った。

 D部門は谷田川敏幸(トラストADVANクスコBRZ)と炭山裕矢(ZEALbyTSDLミラージュ)、宮入友秀(itzzDLグローバルランサー)の3人にタイトルの可能性が残されていたが、谷田川は公開練習で駆動系トラブルに見舞われ、不安を抱えた本番出走となった。対する炭山裕矢は、何と車両トラブルで第1ヒートは出走できないというハプニング。

 タイトル争いの大一番で、第2ヒートしか走れない状況となった炭山裕矢だったが、田口勝彦(HKS・YH・テインフィエスタ)をコンマ2秒抑えて今季2勝目を挙げた。この結果、D部門の王者争いは、谷田川と炭山裕矢の最終戦タカタ一騎打ちに絞られている。

上野倫広と児島泰、工藤清美の順でタイトル争いとなっていたPN1。今庄の第2ヒートで2位に滑り込み、上野倫広が自身初の全日本タイトルを確定させた。
今庄を制したのは児島泰。約コンマ5秒差で上野を下したが、PN1タイトルは上野の手に。
児島は2017年第8戦タカタ以来となる2年ぶりのPN1優勝。勝利の瞬間、天を仰いだ。
細木智矢と宝田ケンシローのPN2タイトル争いは、第1ヒートはノータイムに終わった宝田が第2ヒートで優勝して決着。自身3度目の王座を確定させた。
7名のタイトル争いとなっていた混戦のPN3。竹本幸広が今庄で今季2勝目を挙げ、タイトル争いは山崎利博と竹本、岡翔太、熊久保信重の4人の争いに。
週末すべての走行でベストを奪取した古沢和夫が優勝。古沢と北原栄一、濱口雅昭の三つ巴となっていたN1のタイトル争いは、古沢と北原の直接対決に。
第1ヒートから速さを見せていたN2西田裕一が、第2ヒートは約コンマ002秒の僅差で北條倫史をかわして今季2勝目。昨年に続く今庄2連覇を果たした。
SA1のタイトル争いは浦上真と小山健一という、年の差が倍以上の若手VSベテランによる一騎打ち。今庄は小山の逆転勝利で最終戦勝負に持ち込んだ。
SA2北村和浩が公開練習、第1ヒート、第2ヒートともベストをマークして完全勝利。荒井信介と北村、黒木陽介の王座争いは、北村が首位で最終戦勝負に。
山崎迅人を約コンマ4秒かわした奥村直樹が、昨年の第3戦切谷内以来の優勝。地元今庄では3年ぶりの勝利で、ZZT231セリカでは3勝目を挙げた。
今季4勝を挙げている梶岡悟と大西康弘の対決となっていたSC2。梶岡が2ヒートともベストの快勝で5勝目をマークして自身8度目のタイトルを確定。
第1ヒートは車両トラブルで走れなかった炭山裕矢が第2ヒートで快走。D部門は谷田川敏幸と炭山裕矢、宮入友秀の3名によるタイトル争いとなっていた。
ベストタイムを叩き出した炭山裕矢は、2番手に落とされた田口勝彦、第2ヒートはリム落ちに終わった川崎勝己と、最終走者の谷田川のゴールを待つ。
公開練習で起きた車両トラブルをチームの力で克服した谷田川だったが、失意の4位に終わる。鎌田卓麻が3位に入りラリーストが表彰台を独占した。
決勝コースレイアウト。低速、中速、高速コーナーを組み合わせた、オートパーク今庄の全日本戦では定番となるレイアウト。晴天に恵まれて気温も上昇した本大会。名物の超硬質ダート路面は大量の砂塵が舞い上がり、各部門の前に散水が行われる珍しい事態に見舞われた。
実に多くのギャラリーを集めた今大会。競技終了後には地元中部や近畿地区の選手を中心とした、ダートトライアル選手会(JDCEA)による恒例の同乗走行が行われ、お昼の抽選会で当選した来場者たちは本番直後のダートコースを同乗体験することができた。
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