激戦区PN2は、好調宝田ケンシローが切谷内を制し、4勝目一番乗り!

レポート ダートトライアル

2019年8月30日

シリーズ終盤戦に突入した全日本ダートトライアル選手権は、8月25日、第8戦決勝が青森県のサーキットパーク切谷内で行われ、混戦続くPN2クラスでは宝田ケンシローが4勝目をマーク。タイトルレースのリードを広げた。

2019年JAF全日本ダートトライアル選手権第8戦「2019年東北ダートトライアルIN KIRIYANAI」
開催日: 2019年8月24~25日
開催場所: サーキットパーク切谷内(青森県五戸町)
主催: MSCはちのへ、AKITA

 切谷内の全日本戦は昨年、ゴールデンウィークで開催されたが、今年はお盆明けの8月24~25日、シリーズ第8戦として組み込まれた。本州最北端の地で行われる全日本戦ながら、全国各地から130台の精鋭が集まり、残すところ3戦という正念場で全開アタックを見せた。

 ディフェンディングチャンピオン細木智矢(MJTDLSWKMスイフト)が第2戦から一気に3連勝し、シリーズの主導権を握ったかに見えたPN2クラス。しかし第5戦で細木の最大のライバル、宝田ケンシロー(YHKYBオクヤマスイフト)が2勝目を奪って反撃の狼煙を上げると、第6戦では川島秀樹(DL☆テイン☆GRヴィッツSC)がGRMNヴィッツでの初勝利をさらい、第7戦も態勢の立て直しを狙った細木を制して宝田が3勝目を獲得と、一気に混沌としてきた。

 迎えた第8戦。第1ヒートは、1分40秒台後半にタイムを並べた宝田、細木、川島の3人を抑えた中部の三枝光博(DLWAKOSBRIGスイフト)が1分40秒157でトップに立つ。23年前に全日本チャンピオンを獲得した大ベテランのスーパータイムに会場は一瞬、どよめいたが、第2ヒートではシードゼッケン勢が地力を見せる。

 まず河石潤(モンスタースポーツDLスイフト)が1分36秒439でトップタイムを塗り替えるが、続く川島はベスト更新はならず。しかし宝田は1分39秒246を叩き出して逆転、首位に立つ。残るは細木のみ。しかし前半区間で出遅れた細木はロスを埋めることはできず、3位でフィニッシュ。宝田が今季4勝目一番乗りを果たして、タイトルレースでも優勢に立った。

 PN2の前走クラスであるPN1クラスは地元青森勢が1-2を飾る大活躍を見せ、工藤清美(工藤ホンダDLワコーズフィット)が佐藤卓也(DLΩKYBオクヤマ・スイフト)を0.16秒凌いで開幕戦に続く2勝目をマーク。同じく青森の大西康弘(YH・TEIN・AGランサー)も、改造車部門のSC2クラスで第5戦以来の2勝目をさらった。PN3クラスでは山崎利博(itzz☆DL鳥居TAC86)がヒート1の4位から一気にジャンプアップして今季2勝目をマークしている。

 N1クラスではパルサーで孤軍奮闘する北原栄一(YHナスカroco日産パルサー)が前戦丸和に続いて連勝。丸和を拠点に活動してきた北原にとっては、初のアウェイでの勝利となった。N2クラスでは福島の星盛政(YHモウルWAKO’Sランサー)がヒート1でベストを獲り、2014年以来の切谷内制覇を狙ったが、ラストゼッケン北條倫史(DLitzzNUTECランサー)が0.4秒上回って3勝目を上げた。

 SA1クラスはFD2シビックを駆った近畿の花見誠(YH田中自ルブロスシビック)が本格参戦5年目で全日本初優勝を達成。SA2クラスでは黒木陽介(MJTGulf五組DLランサー)が逆転で今季3勝目をマーク。タイトルレースに踏みとどまった。SC1クラスでは坂田一也(itzzDLグローバルアクセラ)が今回も2017~2018チャンプ山崎迅人(YHゲンシンMAXミラージュ)を下して3連勝と速さを見せた。

 注目のD部門は今回もトップ5が0.5秒の間にひしめく大接戦となったが、炭山裕矢(ZEALbyTSDLミラージュ)が切谷内初走行とは思えぬ激走を見せて2勝目をマーク。タイトルレースで先行する谷田川敏幸(トラストADVANクスコBRZ)の7連覇確定に待ったをかけている。

PN1クラスは切谷内を知り尽くす工藤清美が佐藤卓也との青森勢対決を制して今季2勝目をマーク。
第5戦以降は4戦3勝と、流れを引き寄せたPN2クラスの宝田ケンシロー。
PN3クラスは山崎利博がクラス移籍初年度ながら2勝目を上げ、有効得点でトップに躍り出た。
N1クラスは北原栄一が前戦丸和から2連勝。ポイントランキングも2位に浮上してきた。
N2クラスは前回、ポイントを取りこぼした北條倫史がしっかりと3勝目をマーク。
SA1クラスではタイトルレースの主役達を押しのけて近畿の花見誠が全日本初優勝をもぎ取った。
SA2クラスでは黒木陽介がここ2戦の不振を振り払うシーズン3勝目を獲得した。
SC1クラスは今回もアクセラのポテンシャルを引き出す走りを見せた坂田一也が3連勝を飾った。
SC2クラスでは地元の大西康弘が2勝目をマーク。シリーズリーダー梶岡悟との差を大きく詰めた。
D部門は炭山裕矢が2勝目を獲得。第5戦から新車投入の谷田川敏幸の連勝をストップさせた。
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