WRCドイツでオィット・タナック3連覇! TOYOTA GAZOO Racing WRTは表彰台独占の初快挙!

レポート ラリー

2019年8月26日

2019年FIA世界ラリー選手権第10戦 ADACラリー・ドイチェランドで、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームのオィット・タナックが3連覇! ヤリスWRCが表彰台を独占した!!

2019年FIA世界ラリー選手権第10戦 ADACラリー・ドイチェランド
開催日:2019年8月22~25日
開催地:ドイツ・ザールラント州(ターマック路面)
フォト/TOYOTA GAZOO Racing、トヨタ自動車株式会社

 FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦 ADACラリー・ドイチェランドで、ドライバー選手権トップで挑んだTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(TOYOTA Yaris WRC 8号車)が、変わりやすい天候と掻き出された砂利で滑りやすいターマック路面を制して優勝。WRCドイツ大会3連覇を獲得した。

 また、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(TOYOTA Yaris WRC5号車)が2位、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(TOYOTA Yaris WRC 10号車)3位を獲得して、同チームがプリペアしたヤリスWRCでは初めて1-2-3フィニッシュを飾る快挙も成し遂げた。

 そして、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにより、FIA-R5車両でWRCに参戦している勝田貴元(TOYOTA Yaris WRC 17号車)が、このドイツ大会ではワールドラリーカーに初挑戦。コ・ドライバーのダニエル・バリットと共にRC1クラスで総合10位を獲得した。

 ラリー・ドイチェランドは、おなじみのブドウ畑の農道とバウムホールダー軍事演習場、そしてサービスパークが置かれたボスタルジー周辺の田舎道を舞台とした、異なる性格を持つ道を走るターマックラリー。SS総距離は約344kmで、最終パワーステージを含む19ステージで争われる。

 タナック/ヤルヴェオヤ組が総合1位で絶好のスタートを切った木曜の初日。本格的なラリーが始まる金曜のデイ2は3本のステージを2回走行する行程だ。タナック/ヤルヴェオヤ組はSS2でこそベストタイムを奪うことはできなかったものの、SS3からSS7まで合計4本でベストをマーク。SS3から再び総合首位に返り咲いてデイ3に折り返した。

 金曜のデイ2は、ミーク/マーシャル組とラトバラ/アンティラ組が安定したペースで上位争いを続け、総合4番手と5番手で走行を終えていた。土曜のデイ3は本大会最長の走行距離で、鬼門のバウムホールダーを含む8本のステージとなっていたが、41.17kmのSS13ではミーク/マーシャル組が総合2番手、ラトバラ/ヤルヴェオヤ組が総合3番手にアップ。タナック/ヤルヴェオヤ組もベストタイムを計測し、早くもヤリスWRCが1-2-3態勢を築くことに成功した。

 SS4本、79.50kmを走る最終デイ4。これまで幾度か、最終日にチャンスがフイになっていたチームにとって、上位3台が揃って上位フィニッシュすることはまさに悲願。その思いは3組のクルーに痛いほど通じており、ミーク/マーシャル組、そしてラトバラ/アンティラ組が確実な走りでゴール。そして、タナック/ヤルヴェオヤ組も、最終パワーステージこそ8番手に留まる堅実な走りになったが、ドイツ大会をトップフィニッシュしてみせた。

 この結果、タナック/ヤルヴェオヤ組がラリー・ドイチェランド3連覇を達成。タナックがドライバー選手権トップの座を守り、選手権のリードを33ポイントに拡大した。

 そしてミーク/マーシャル組はヤリスWRCでは初の2位表彰台を獲得。ラトバラ/アンティラ組も第9戦フィンランドから連続表彰台となり、TOYOTA GAZOO Racingは最大のマニュファクチャラーポイントを獲得する最良の結果となった。

 ちなみに単一のマニュファクチャラーが表彰台を独占したのは2015年のラリー・ドイチェランド以来の出来事で、トヨタにとってWRCで表彰台を独占したのは1993年のサファリラリー以来という快挙。ヤリスWRCのエンジン開発を手掛けるトヨタモータースポーツGmbH(TMG)のホームイベントでもあるため、チームにとっては2戦連続で嬉しい勝利となった。

 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにより、トミ・マキネンレーシングからヤリスWRCで初めてWRCに挑んだ勝田/バリット組は、コースオフやタイヤトラブルに見舞われながらも、一時は総合9番手タイムを叩き出す好走を見せた。後半はマイレージを稼ぐ走りに切り替えて総合10位で完走し、ドライバー選手権の1ポイントを獲得している。

 また、この大会には、2015年にトヨタMIRAIで参戦したこともある、国沢光宏/木原雅彦組がフォード・フィエスタR2でRC4クラスに参戦。今大会は39位で完走している。

ターマックとは言えドイツのトリッキーな路面をミスなく走ったオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組がSS2を除くすべてのステージで首位を守って圧勝。今季5勝目を挙げた。
第9戦フィンランド、そして第10戦ドイツと2連勝したTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム。チーム本拠地とTMGの本拠地で連勝を挙げたタナックは選手権首位をひた走る。
2位を獲得したクリス・ミーク/セブ・マーシャル組。チーム加入後初めてのポディウムだ。
今回3位のヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組は第9戦に続く連続表彰台を獲得。
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムで走る勝田貴元。初のWRカーは10位。
”フィングリッシュ” を巧みに操り、記念すべき1ポイントを獲得した勝田貴元/ダニエル・バリット組。10月24~27日に開催される第13戦スペインで、再びヤリスWRCを走らせる予定。
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