佐藤琢磨がINDYCAR 2019シーズン2勝目! 巧みなピット戦略ながら0.0399秒差の辛勝!!

レポート レース

2019年8月26日

イリノイ州マディソン郡のワールドワイドテクノロジーレースウェイで開催されたインディカー第15戦決勝で、第14戦は悔しいリタイアに終わった佐藤琢磨が劇的な逆転勝利を決めた!

2019年インディカー・シリーズ第15戦「BOMMARITO AUTOMOTIVE GROUP 500」
開催日:2019年8月23~24日
開催地:World Wide Technology Raceway at Gateway(アメリカ・イリノイ州)
フォト/本田技研工業株式会社

 8月18日に開催された第14戦ポコノで、スタート直後のクラッシュに巻き込まれ、悔しいリタイアを喫した佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing/Honda)。

 翌週8月24日にワールドワイドテクノロジーレースウェイで行われた第15戦では、予選5番手からスタートして一時は順位を落としながらも、レース終盤ではエド・カーペンター(Ed Carpenter Racing/Chevrolet)と20周を超える僅差のバトルを展開し、僅差の逆転勝利を飾った。

 第14戦ポコノでは、スタート直後のターン2で多重クラッシュが発生。佐藤も巻き込まれてロールオーバーするハードクラッシュとなったが、1.25マイルのショートオーバルで戦う第15戦ゲートウェイでは、マシンの調子も良好のようで笑顔を見せるシーンもあった。

 第15戦の決勝レースは土曜のナイトレース。金曜の予選で5番グリッドを獲得した佐藤は、スタート直後にポジションを落としたが、248周の決勝レースはアクシデントによるフルコースコーションが多発する展開。しかも、タイヤの摩耗が激しいコースのため、タイヤ交換および給油を行うピットストップのストラテジーは3回または4回と、各チームで分かれた。

 佐藤の所属するレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、序盤からラップダウンに陥っていた佐藤に対し、燃費セーブとハイペースを両立させる走りを後押し。フルコースコーションのタイミングをうまく活かして、188周目にラップリードを獲得することができた。

 レース終盤には、タイヤの摩耗に分があるカーペンターがトップの佐藤を猛プッシュ。残り25周辺りからは、この2台が僅差の接近戦を演じながらフィニッシュラインを目指す展開となった。しかし、佐藤は何とか逃げ切りトップチェッカー。2位カーペンターとの差は何と0.0399秒差。佐藤は今シーズン2勝目、キャリア5勝目を獲得して、全米に存在感を見せつけた。

 「作戦を駆使して戦った私たちに、運が味方してくれたのは確かです。しかし、同時に私たちが今晩とても速かったことも事実です。今日のレースでは二度、ポジションを大きく落とすシーンがありました。トラフィックの処置が難しいレースだったからです」

 「それでも、私たちは優勝を勝ち取りました。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングというチームに深く感謝します。信じられないほどすばらしいチームです」

 「今日のレースでポイントとなったのは、最後のピットストップの前のスティントでした。とても速いペースを保ったままスティントを終えることができ、最後のピット作業を行った後もトップを保ち続けることができました。自分がトップを守ったと知り、本当に興奮しました」。

 とは佐藤のコメント。4月7日の第3戦アラバマではロードコース優勝を飾っている佐藤は今回のショートオーバル優勝で、自身初となる年間2勝を挙げる快挙。あらゆるタイプのコースで速さを見せる勝利となった。今季のインディカーは残り2戦。佐藤はシリーズ6番手で挑む。

佐藤琢磨は1ラップダウンからの逆転劇。外野の評価を一変させる見事な勝利をモノにした。
2位はエド・カーペンター、3位はトニー・カナーン。インディカーのベテランが表彰台を独占。
ページ
トップへ