第5戦もてぎで平川亮がついに来た! 5人目のウィナー誕生で今季のSFは混戦に!!

レポート レース

2019年8月23日

栃木県のツインリンクもてぎで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦。灼熱の一戦を制したのはトップフォーミュラ参戦5シーズン目にして初勝利を得た平川亮だった!

2019年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦
ツインリンクもてぎ2&4レース
開催日:2019年8月16~18日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:(株)モビリティランド、M.O.S.C.

 全日本スーパーフォーミュラ選手権の第5戦が栃木県のツインリンクもてぎで行われ、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が予選2位から逆転勝利を飾った。2013年に国内トップフォーミュラにデビューしてから7年での初優勝となった。

 台風一過で、連日35℃以上に気温が上昇したレースウィークのツインリンクもてぎ。16日(金)の練習走行でトップタイムを奪ったのは平川だったが、17日(土)のフリー走行では、アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がトップに立った。

 第4戦富士大会で初優勝したパロウは、その勢いを予選でも維持して、2戦連続のポールポジションを獲得した。しかも、昨年、石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が記録したコースレコードを約0.15秒塗り替えるスピードを見せた。

 予選の平川は、ミディアムタイヤで争われるQ1ではトップタイムをマークしたものの、ポールポジション争いのQ3ではパロウの先行を許して2番手に終わった。3番手には福住仁嶺(DOCOMO DANDELION M5Y SF19)がつけた。

 決勝レースのスタート時点で気温37℃、路面温度49℃という真夏の一戦というべきコンディション。フォーメーションラップに入るところで、山本尚貴(DOCOMO DANDELION M1S SF19)がエンジンストールを喫してしまう。

 さらには、スタート直前にパトリシオ・オワード(TEAM MUGEN SF19)とハリソン・ニューウェイ(GOLDEX TAIROKU RACING SF19)もエンジンストールを喫したため、スタートはディレイ。周回数も1周減算で51周となり、改めて第5戦決勝のスタートが切られた。

 ホールショットを奪ったのはソフトタイヤを装着するパロウ。平川と福住もソフトを選び、ルーカス・アウアー(Red Bull SF19)も予選順位どおりに1コーナーへと入った。

 その後方からは、7番手スタートの小林可夢偉(KCMG Elyse SF19)が、オーバーテイクシステムも利用してアウアーを攻略。いきなり4番手にまで上がってみせた。

 序盤はパロウと平川、福住、そして小林のバトルが白熱。いったんは平川との差を1秒以上に広げていたパロウだったが、徐々にペースが上がらなくなり、23周目には最終コーナーでオーバーランを喫して平川の逆転を許してしまう。

 また、33周目には小林が福住を攻略し、それぞれ順位が逆転した。トップに立った平川は37周目にピットイン。ピット作業を終えると暫定5番手でコースに復帰したが、全車がピット作業を終えた42周目にはトップに復帰。最後まで安定したペースで周回した平川がトップチェッカー。トップフォーミュラ参戦5シーズン目で、待望の初優勝をモノにした。

 2位表彰台を獲得したのは、ギリギリまでピットインのタイミングを引き延ばした小林。レーススタートから4周目というタイミングでピット作業を行い、全車中もっとも長い周回数をソフトタイヤで走破したニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)が3位。

 ポイントリーダーの山本が9位フィニッシュで加点できなかったことから、3位表彰台を獲得したキャシディが、山本に1点差をつけてランキングトップに浮上することになった。

スーパーフォーミュラ初優勝、そしてインパルでは関口雄飛に続いて今季2人目の勝者となった平川亮。星野一義監督と肩を組んだ平川は、第2戦の関口と同様に、安堵の表情を見せた。
第5戦ツインリンクもてぎ大会の表彰台。2位は小林可夢偉、3位はニック・キャシディが獲得。
ポールポジション獲得は第4戦富士を制して勢いに乗るアレックス・パロウ。予選Q3のチェッカー後に叩き出した計測タイム1分31秒442は、ツインリンクもてぎのコースレコードを更新!
決勝スタート時に山本尚貴やパトリシオ・オワード、ハリソン・ニューウェイがストップ。スタートディレイにより1周減算の51周に変更されたレースは、パロウがホールショットを奪う。
スタート直後に7番手から4番手へアップした小林可夢偉。「なかなか抜かせてくれなかった」福住仁嶺とパロウをパス。ソフトタイヤで41周を走り切り、第3戦SUGOに続く2位を獲得。
12番手スタートのキャシディは、小林のピットアウト後には4番手にまで追い上げていた。ペースが落ちてきたパロウを46周目にパスして3番手に浮上し、そのまま3位表彰台を獲得した。
小林のピットインでトップに立った平川。小林とパロウによる2番手争いを尻目にギャップを広げてトップチェッカー。フロントロー2番手スタートの平川がスーパーフォーミュラ初勝利。
パルクフェルメで小林から祝福を受けた平川。スーパーフォーミュラ5シーズン目の初優勝だ。
「もっとチームの力をつけないと」と静かに語った星野一義監督。今大会で山本尚貴が9位に終わったため、3位のキャシディが山本に1ポイント差をつけてランキングトップに立った。
土曜の朝には、SF19の実車を使った、競技オフィシャルを対象とした救出訓練が行われた。車両はルーカス・アウアーの50号車。B-Max Racing with motoparkの協力により実現した。
スーパーフォーミュラのサタデーミーティングには、日本レースプロモーションの倉下明代表(左)と日本フォーミュラ3協会の水野雅男会長らが参加。2020年日本レース選手権規定で公示された「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)」の概要説明が行われた。
ページ
トップへ