目指せ「鈴鹿グランド大会」出場!! SFヴァーチャルシリーズ第2回西東京大会開催

レポート その他

2019年8月15日

8月11日、東京都武蔵村山市のイオンモールむさし村山にて、第2回「スーパーフォーミュラ・ヴァーチャルシリーズ」西東京大会が開催。73名の挑戦者から2名が勝ち抜き、鈴鹿グランド大会への出場権を獲得した。

JAF認定「スーパーフォーミュラ・ヴァーチャルシリーズ」第2回西東京大会
開催日:2019年8月11日(日)
開催地:イオンモールむさし村山(東京都武蔵村山市)
主催:JRP

 今年の6月に開幕した、PlayStation4用ソフトウェア「グランツーリスモSPORT」を使ったデジタルモータースポーツイベント「スーパーフォーミュラ・ヴァーチャルシリーズ」の第2回西東京大会が開催された。

 この大会は、スーパーフォーミュラの運営に関わる株式会社日本レースプロモーション(JRP)が主催する「JAF認定」の名が付いたデジタルモータースポーツの新たなレースシリーズで、スーパーフォーミュラで実戦デビューした新型車両「SF19」によるワンメイクとなっている。

 このシリーズは参加費無料のオフライン大会で、6月9日の第1回神奈川大会、今回の第2回西東京大会、そして10月6日(日)の三重県津市のイオンモール津南で行われる第3回三重大会のそれぞれ決勝上位2名が、最終戦の「鈴鹿グランド大会」に出場できるという仕組みだ。

 この「鈴鹿グランド大会」は、10月27日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで開催されるスーパーフォーミュラ第7戦JAF鈴鹿グランプリ内で行われることになっており、今回は当日エントリーを含む73名に及ぶプレイヤーが、最終戦への出場権を狙って第2回大会に参戦した。

 イオンモールむさし村山のセンターコートで開催された第2回西東京大会。この同じ週末には、10月に開催される茨城国体の「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」の各県代表決定戦が関東近県で開催されており、その大会と掛け持ちで参戦する挑戦者も多かった。そして、お盆期間ということもあり、会場には多くのギャラリーが詰めかけた。

 今大会は第1回大会と同様に、予選と準決勝を経て決勝に至るプロセスを採用。予選は「鈴鹿サーキット」をフルコースで走る4分間の計時予選で、走行タイムの上位12名が選抜された。ゲーム筐体は、前回使用されたものとは若干感触が異なるようで、実力のある選手たちであっても、ブレーキペダルの使い方に苦労していた様子だった。

 多くの選手が1分38秒台に集中する中で、リアルなSF19のラップタイムに近い1分37秒台をマークした埼玉県の「Jam023」選手が2番手、そして1分37秒809でトップタイムを計測した千葉県の「Shines」選手が、それぞれ準決勝のポールポジションを獲得した。

 予選通過12名をAとB組に分けた6名ずつのレースで行われる準決勝。そのステージは第1回同様に、首都高速道路を模した「東京エクスプレスウェイ」を採用。今回は「東ルート外回り」を4周するレース形式となった。

 準決勝A組のトップは「Jam023」選手。そしてB組トップは埼玉県の「C」選手。B組のレースではファイナルラップの最終コーナーで並び、残る短いストレートで順位が入れ替わる白熱の展開。最後まで「オーバーテイクシステム」を残しておいた「C」選手の戦略勝ちとなった。

 準決勝上位6名による決勝レースは再び「鈴鹿サーキット」のドライ路面フルコースが舞台だ。

 準決勝の結果から、「Jam023」選手がポールポジションを獲得。「C」選手がフロントローで並び、埼玉県の「yuta」選手が3番手、東京都の「tobi」選手が4番手、埼玉県の「kuromi」選手が5番手、東京都の「Heinz」選手が6番手スタートというグリッドとなった。

 6周のレースがスタート。ポールポジションの「Jam023」選手は、慣れないスタンディングスタートに翻弄されてマシンがやや暴れ気味でスタート。その間に2番グリッドの「C」選手と3番グリッドの「yuta」選手が両サイドから抜き去り、「C」選手がホールショットを奪った。

 1周目は、3番手に上がってきた「tobi」選手と「yuta」選手が2番手争いを繰り広げる。1周目の最終コーナーで「tobi」選手が「C」選手をパス。2番手争いは「Jam023」選手を巻き込んでダンゴ状態となり、その間に「C」選手が後続を引き離し、約3秒差を付けてゆく。

 2周目からは4番手争いが激化して、「kuromi」選手が「Jam023」選手を追い立てる展開。2番手以降はタテに並び、上位3台は膠着状態となる。そして3周目のデグナーで「Jam023」選手がコースオフ。そのスキに「kuromi」選手が4番手、「Heinz」選手が5番手に上がってきた。

 後続に3秒以上の差を付けて一人旅となった「C」選手。そして後続も等間隔で並ぶ展開となり、2番手の「yuta」選手に3番手の「tobi」選手が急接近する展開も見られた。しかし、各車の追い上げも虚しく、「C」選手が後続に4秒021の差を付けたブッちぎりで第2回大会を制した。

 優勝は「C」選手。2位は「yuta」選手で3位は「tobi」選手。そして4位は「Heinz」選手。期待の「kuromi」選手はファイナルラップのスプーンでコースオフして5位。ポールポジションの「Jam023」選手は6位でゴールという結果となった。

「まだ優勝の実感は全然沸かないですね。スタートは無難に決めるつもりでしたが、ポールポジションの選手がミスしたときにオーバーテイクシステムを使って前に出られました。後続にスリップを使われると走りにくくなるのは分かっていたので、安定したペースで引き離せれば大丈夫かなと思ってました。序盤でだいぶ引き離せたので、後半はかなり安全に走りました(笑)。昨日は茨城国体の埼玉県予選があって、かなり残念な結果だったんです。それだけに、今日は冷静に自分のレースができたなと思います」とは優勝した「C」こと鍋谷奏輝選手。

「家で練習しているときに、今回は卒なく走ろうとイメージしてました。攻めすぎてミスをすると元も子もないので、安全に走ることを第一に考えてたんです。今回はトップとも離れていて、タービュランスの影響も受けずにうまく走れたのかなと思ってます。抜けそうな状況は何回かありましたが、実はこういう場にまだ慣れてなくて(笑)。みんなの前でプレイする経験は前回の神奈川大会が初めてで、昨日の茨城国体の埼玉県予選にも出ましたが、それが2回目だったんです。今回は後続を気にしながらの走りだったので、2位でゴールしたときには、思わずガッツポーズでしたね」とは、2位で出場権を獲得した「yuta」こと冨永悠太選手。

「今回は前の選手と同じくらいのペースでしたが、前のアップデートでタービュランスの影響が大きくなったので、近付くことは困難でしたね。第1セクターで離れてしまうので、その後のセクターでは勝負を仕掛けることができませんでした。最初の2周ぐらいでチャンスがあったのでそこで仕掛ければ良かったんですが、ちょっと自分の実力不足で、そういう立ち回りに慣れていなかったこともあって、仕掛けるチャンスを逃してしまったのが残念でした。いいペースだっただけに、あと一人抜けなかったのは悔しいですね。次の三重大会にも行きたいくらいですよ(笑)」とは、3位に終わった「tobi」こと古畑貴彬選手だ。

 今年からグランツーリスモSPORTに収録されたばかりのSF19は、これまでの収録車種とは異なる現役フォーミュラマシン。本大会では「オーバーテイクシステム」は使えるものの、車両のセッティング変更が行えないこともあり、SF19同士の「バトル」は、実車よろしく追い抜きが難しい展開になっていた。

 また、ほかの大会で行われるローリングスタートとは違って、本大会ではスタンディングスタートを採用していること、そしてやはり、普段のプレイ環境とは異なる、衆目を浴びる特設ステージという状況に翻弄され、本来の力量を発揮できない選手も多かったように感じられた。

 ということで、「鈴鹿サーキット」を舞台とした第2回西東京大会の決勝レースで優勝した「C」選手、そして2位の「yuta」選手が、10月27日の鈴鹿グランド大会への出場権を獲得した。

 第1回神奈川大会では「カルソニック」選手と「りおねる」選手がすでに出場権を獲得しており、10月6日にイオンモール津南で行われる第3回三重大会で、鈴鹿グランド大会、残り2名のシートが確定することになる。

イオンモールむさし村山で行われた第2回西東京大会は当日エントリーを含めて73名が参戦。
6台の筐体によるオフライン対戦。スラストマスターT-GTまたはPS4コントローラーを選択可能で、各種の車体制御は使用禁止となっている。予選と決勝の舞台は「鈴鹿サーキット」だ。
鈴鹿サーキット4分間のタイムトライアルで12名に絞られる予選。実質2周のアタックだ。
予選上位12名がA、Bの2組に分かれてレース形式の準決勝に挑む。舞台は「東京エクスプレスウェイ・東ルート外回り」。予選最速タイムは「Shines」選手が計測した1分37秒809だった。
レース実況は木幡ケンジ氏と前回に引き続き笠原美香さん。ゲストドライバーはスーパーフォーミュラにも縁が深い井出有治選手。表彰式プレゼンターとしてイオンモールの千葉清一氏が来場し、ツインリンクもてぎエンジェルの朝比奈しおり&楠木絢さんが大会に華を添えた。
準決勝の各組上位3名、合計6名が晴天の「鈴鹿サーキット」6周の決勝レースに挑む。
マシンの設定は第1回神奈川大会から変更なく、タイヤのコンパウンドはミディアムで、タイヤ消耗と燃料消耗はオフ。オーバーテイクシステムは20秒使用できる設定だ。
決勝は準決勝B組トップでもある「C」選手が優勝。ポールポジションの「Jam023」選手がスタンディングスタートで失敗した隙を突いてホールショットを決め、そのまま逃げ切った。
フィニッシュ直後、第2回西東京大会優勝の「C」選手(右)と2位「yuta」選手が固い握手。
表彰式では上位2名にトロフィーと10月27日「鈴鹿グランド大会」の出場権が授与された。
会場にはSF14乗車体験コーナーが設置され、施設内を巡るスーパーフォーミュラにちなんだクイズラリーを実施。JAFブースでは、おなじみ「こども免許証」発行イベントも行われた。
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