真夏の祭典「ソーラーカーレース鈴鹿」5時間耐久は、TEAM RED ZONEが5年連続5勝目!

レポート レース

2019年8月13日

毎年恒例の「ソーラーカーレース鈴鹿」が三重県の鈴鹿サーキットで開催された。晴天に恵まれたメインレースの5時間耐久では、今年はOLYMPIAに参戦したTEAM RED ZONEが70周を走破してポール・トゥ・ウィン。クラス優勝だけでなく総合優勝も獲得した。

FIA Electric & New Energy Championship
ソーラーカーレース鈴鹿2019

開催日: 2019年8月2~3日
開催地: 鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催: JAF、SMSC、(株)モビリティランド

 各地で猛暑となった8月3日、「FIA Electric & New Energy Championship ソーラーカーレース鈴鹿2019」の決勝レースが鈴鹿サーキット国際コースにて開催された。

 全22台がエントリーした5時間耐久レースでは、例年通りOLYMPIA/DREAM/CHALLENGEクラスが混走し、2017年からFIA選手権の一戦として開催されている。

 12時にスタートした5時間耐久レースは、昨年度ウィナーのTEAM RED ZONE(freedom)とOSU大阪産業大学(OSU model'S)が序盤から快調なレース展開を見せ、10周目にして早くも3位以下との差を3周以上に広げていく。

 スピードに勝りトップを快走するTEAM RED ZONEだったが、薄霞がかかる空模様に発電量が上がらず、またタイヤに問題を抱えておりこれ以上スピードを上げられない。

 難なくOSU大阪産業大学がトップに立つと、そのまま中盤まで1番手OSU大阪産業大学、2番手にTEAM RED ZONEの並びでレースが進んでいった。

 37周目、ついに反撃の狼煙を上げたTEAM RED ZONEが2分近い差を跳ね返して再度トップを取り返し、逃げ切りをはかるべくOSU大阪産業大学を引き離しにかかった。

 両車とも4分20秒台の速いペースで周回を重ねたが、OSU大阪産業大学がトップを奪還することは叶わず、レースは70周のラップを重ねたTEAM RED ZONEが総合優勝した。

 総合2位にはOSU大阪産業大学、総合3位にはKAIT(神奈川工科大学)ソーラーカープロジェクト(KAIT One)が入っている。

 OLYMPIAクラスは総合優勝のTEAM RED ZONEがクラス優勝。DREAMクラスは総合2位のOSU大阪産業大学がクラス優勝している。

 CHALLENGEクラスでは、序盤から危なげない走りを見せたTeam MAXSPEED(Flat-Out)がクラス優勝(総合6位)を果たした。

 一方で、この日の午前7時にスタートした国内格式の4時間耐久レース(ENJOYⅠ/Ⅱクラス混走、出走18台)は大波乱の展開となった。

 昨年度優勝のオリンパスRS(ORS-20)と平塚工科高校社会部(平工コンセプト2019)が激しい鍔迫り合いを演じるが、終盤に両車とも電力不足により徐々にスローダウン。

 中盤まで電力消費を節約していたJAGつくばソーラーカーチーム(SALE EL SOL)は、トップ2台の状況を見てスパートをかけ、何とチェッカー寸前のファイナルラップで上位2台を抜き去ったのだ。

 そのままフィニッシュラインを潜ったJAGつくばソーラーカーチームが総合優勝、総合2位は平塚工科高校社会部、オリンパスRSが総合3位に入っている。

 ENJOYⅡクラスは総合優勝のJAGつくばソーラーカーチームがクラス優勝。ENJOYⅠクラスは総合2位の平塚工科高校社会部がクラス優勝を果たしている。

国際格式で行われたメインレースの5時間耐久レース。ポールポジションのTEAM RED ZONEはまさかの失速。2番手スタートのOSU大阪産業大学が1コーナーを制した。
5時間耐久レースの総合表彰台。優勝は野村圭佑選手率いるTEAM RED ZONE。総合2位はOSU大阪産業大学。3位はKAIT(神奈川工科大学)ソーラーカープロジェクト。
今年はOLYMPIAクラスに参戦して総合優勝したTEAM RED ZONEが持ち込んだ4輪マシンのfreedom。昨年はDREAMクラスに参戦して、71周で総合&クラス優勝を果たした。
5時間耐久レースのDREAMクラス表彰台。優勝は三浦愛&純選手がドライバーを務めるOSU大阪産業大学。2位は静岡ソーラーカークラブ、3位はJTEKT SOLAR CAR TEAM。
昨年は69周を周回して、DREAMクラス2位で総合でも2位に終わったOSU大阪産業大学だったが、今年はDREAMクラスで優勝。レース中も一時は総合トップを快走していた。
5時間耐久レースのOLYMPIAクラス表彰台。優勝は総合トップのTEAM RED ZONE。2位はKAITソーラーカープロジェクト、3位は芦屋大学ソーラーカープロジェクト。
総合優勝&OLYMPIAクラス優勝のTEAM RED ZONE。レース後半はタイヤトラブルに泣かされながらも、今年も驚異的なスピードで鈴鹿サーキットをトップで駆け抜けた。
5時間耐久レースのCHALLENGEクラス表彰台。優勝は58周で総合6位に食い込んだTeam MAX SPEED。2位は紀北TECH TEAM、3位は堺市立堺高等学校科学部。
CHALLENGEクラス優勝のTeam MAX SPEEDのFlat-Out。3連勝している紀北TECH TEAMが迫るシーンもあったが、何とか逃げ切って2015年以来のクラス優勝を果たした。
朝7時にスタートした4時間耐久レース。晴天ながらも薄曇りでのスタートだったが、オリンパスRSと平塚工科高校社会部との激しい首位争いは、最終ラップで意外な結末に。
4時間耐久レースの総合優勝は、平塚工科高校とオリンパスRSによる終盤戦のバトルを横目に、ファイナルラップで大逆転勝利を飾ったJAGつくばソーラーカーチーム。
4時間耐久レースの総合表彰台。総合優勝は逆転で初優勝のJAGつくばソーラーカーチーム。総合2位はENJOYⅠクラス優勝の平塚工科高校社会部、総合3位はオリンパスRS。
4時間耐久レースENJOYⅡクラス表彰台。優勝はJAGつくばソーラーカーチーム、2位は昨年までクラス2連勝していたオリンパスRS。3位は東京・江東区の社会人チームSTEP江東。
終盤はスロー走行となり苦しい戦いを強いられたオリンパスRSと平塚工科高校に対して、ラストスパートをかける余力を残したJAGつくばが大逆転。見事な初勝利を飾った。
4時間耐久レースENJOYⅠクラス表彰台。優勝は2年連続9勝目となる平塚工科高校社会部。2位はMTHS松工ソーラーカーチーム。3位は、1ピット作戦を成功させたTeam宮工。
ENJOYⅠクラス優勝の平塚工科高校社会部は、代々受け継がれる名車をレストアしながら挑む常勝チーム。学生主体ながらしっかりとしたマネジメントで勝利を重ねている。
5時間耐久レースは国際格式ということでFIAから競技役員が派遣された。左からFIA派遣の審査委員長Karl-Heinz STEGNER氏、FIAテクニカルデリゲートのGeorg BRASSEUR氏、JAF派遣審査委員の岩田孝弘氏、そして5時間耐久と4時間耐久の競技長、松村達也氏。
今大会には、静岡ソーラーカークラブに帯同する形で、オーストラリアのワールドソーラーチャレンジ創設者として知られる、Hans Jeppe Tholstrup氏(写真右)も訪れた。
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