待望の全日本初勝利! 女性カーター奥田ももが神戸を制す‼

レポート カート

2019年8月1日

2019年全日本カート選手権シリーズは、7月末の第4戦・神戸大会で西地域の後半戦に突入した。FS-125部門では奥田もも(HRS JAPAN)がデビュー4戦目での初優勝。FP-3部門では5台による熱いトップ争いが繰り広げられ、スポット参戦のHIROTEC(AP-FeGPOWER)が勝利を掴み取った。

念願の初優勝で思わず嬉し泣きを見せた奥田もも。今シーズンの苦労が報われた表彰台となった。

2019年JAF全日本カート選手権FS-125部門/FP-3部門 西地域第4戦
開催日:2019年7月27~28日
開催地:神戸スポーツサーキット(兵庫県神戸市)
主催:KSC

 FS-125部門の決勝では、今季から参戦の女性ドライバー奥田、第3戦優勝の嶋田隼人(Formula Blue ぴぃたぁぱん)、第1・2戦のウィナー居附明人(Formula Blue Ash)のグリッド上位3台が序盤から抜け出してトップ争いを繰り広げた。

 3台はそれぞれ2~3車身差のまま周回を重ね、互いに逃げも近づきもできない膠着戦を続けていく。この緊迫状態に変化が現れたのは残り8周。2番手を行く嶋田のペースがやや鈍り、トップの奥田がリードを広げ始めた。すると居附が嶋田のテールを捕らえ、ラスト3周で嶋田の前へ。ここで奥田はリードを1秒以上に広げ、待望の初優勝を飾った。

 第2戦では激しい優勝争いの末に3位、第3戦ではフィニッシュ寸前でトップを奪われ2位。あと一歩で勝てないレースが続いていた奥田は、「ずっと悔しい思いをしてきたので、勝ちたい気持ちを奮い立たせて走りました」と会心の笑顔で語った。全日本カートの女性ウィナーは、史上4人目だ。

 居附は2位獲得でポイントリーダーの座をキープ。嶋田は3位に終わるも、2戦連続の表彰台登壇でトップコンテンダー定着の気配。大きくポイントを伸ばしたランキング2位の奥田は、居附に7ポイント差まで迫っている。

 FP-3部門の決勝では、スポット参戦でポールを獲得したHIROTECに坂裕之(SuperWinforceRT)と岡本旬司(メカニコ with FeGパワー)が襲い掛かり、さらに森川貴光(HIRAI PROJECT Ash)と岡田廣敬(チームナガオ)もここに加わって、先頭が二転三転するホットなバトルが展開された。

 予選の独走劇から一転、混戦に巻き込まれたHIROTECは、残り4周で岡本を再々逆転すると背後のバトルにも乗じて逃げを打つ。そのリードは、残り2周で1秒以上に。熱戦を制して初優勝を飾ったHIROTECは、「最高です。最高!」と歓喜の声を上げた。

 2位は岡本でも坂でもなく、藤井亮輔(Formula Blue ぶる~と)だった。2番グリッドに着きながらローリング中に失速、最後尾に転落した藤井は、猛挽回で先頭集団をキャッチすると最終ラップに坂と岡本を一気にパスしてみせたのだ。岡本は3位表彰台にも悔しさいっぱいの様子だった。

 同時開催のジュニアカート選手権。FP-Jr部門では、安藤哉翔(ONE POINT)が最終ラップに加納康雅(SuperWinforceRT)をかわして初優勝。FP-Jr Cadets部門では、松本琉輝斗(Energy JAPAN)が今季3勝目となる2連勝を果たした。

第1・2戦で優勝の居附明利と、第3戦で優勝の嶋田隼人の、2台のFormula Blueを押さえて1位を獲得した奥田。
左から2位の居附、1位の奥田、3位の嶋田が表彰台に登壇したFS-125部門西地域第4戦。
終始目が離せないレース展開となったFP-3部門は、スポット参戦のHIROTECが神戸大会を制した。
FP-3部門西地域第4戦の表彰台は、左から2位に藤井亮輔、1位にHIROTEC、3位に岡本旬司という顔ぶれ。
予選ヒートで好タイムを叩き出した安藤哉翔。その好調ぶりを維持して初優勝を果たした。
左から2位の加納康雅、1位の安藤、3位の迫隆眞がFP-Jr部門西地域の表彰式に登壇。
シリーズ4戦目となる神戸で3勝目を挙げた松本琉輝斗はポイントリーダーの座を維持。
FP-Jr Cadets部門西地域の表彰台。左から2位の佐藤こころ、1位の松本、3位の中西優希。

フォト/遠藤樹弥、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫

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