ルーキードライバーのアレックス・パロウが初優勝

レポート レース

2019年7月23日

7月13~14日に富士スピードウェイで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦は、今シーズン国内トップフォーミュラにデビューしたアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)が初優勝。チームに9年ぶりの勝利をもたらした。

速いペースでレースの主導権を握ったアレックス・パロウ。SFルーキーながら富士で初勝利を掴んだ。
チームとしては2010年以来の優勝となるTCS NAKAJIMA RACING。中嶋悟監督とパロウは終始笑顔で勝利を喜んだ。

2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦
開催日:2019年7月13~14日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C

 13日朝のフリー走行はドライコンディションで、非公式ながらコースレコードを上回るタイムも記録されたが、午後の公式予選はウェットコンディションとなった。

 ポールポジションを獲得したのはパロウ。フロントローには坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が入り、1列目をルーキードライバーが占めた。2列目には関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と野尻智紀(TEAM MUGEN)、3列目にはニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)と石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)という実力者たちが並んだ。

 決勝日は雨に加え少し霧も出てきており、55周のレースはセーフティカー先導でスタートすることに。セーフティカーは3周を終えたところでピットへと戻り、実質4周目からレースがスタートした。

 パロウと坪井、関口まではポジションキープで4周目を終了。その後ろは、キャシディが野尻を1コーナーで捕らえて4番手に浮上していた。トップ走行で視界が比較的良好なこともあり、パロウは2番手以降との差を徐々に広げていく。坪井と関口の差も大きくなり、トップ3は単独走行で周回が進んでいった。

 他に大きな順位変動が少ない中、19番手スタートと予選で下位に沈んでいた小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が勢いのある走りを見せる。リスタートで2台を捕らえて17番手にポジションアップすると、翌周には15番手、7周目には14番手と次々にオーバーテイクを披露。レースが後半に入った36周目にはポイント獲得圏内の8番手までポジションアップしていた。さらに、燃料を軽めに搭載してスタートしていた関口がピットインしたため7番手浮上。水しぶきと霧で視界の悪い中、次々と順位を上げていく小林の走りはこのレースでのハイライトとなった。

 一方、トップのパロウは時折コースアウトを喫しチームを冷や冷やさせながらも独走を続ける。無給油の作戦を採っていたことから、ペースをコントロールする周回もあったが、坪井とのマージンは十分に築いていた。

 セーフティカースタートだったことと、ウェットレースでペースが遅かったことで、55周の規定周回数より前に最大レース時間が迫ってきたため、53周目がファイナルラップに。

 最後までトップを譲らずに走り切ったパロウがトップチェッカーを受け、自身初の国内トップフォーミュラ勝利を飾ると同時に、チームに2010年開幕戦以来9年ぶりの優勝をもたらした。2位には坪井が入り、こちらも初表彰台。3位は終盤坪井と2位争いを演じたキャシディとなった。

第4戦はシリーズの折り返し地点となったが、この表彰台のメンバーにより、ポイント争いが混沌としてきた。
背後に迫ってくるニック・キャシディの猛追をかわしつつ、2位表彰台獲得に嬉しい表情を覗かせた坪井翔。
クルマのパフォーマンス的にもすべてを出し切ったというキャシディ、3位という結果に満足げ。

フォト/石原康、JAFスポーツ編集部 レポート/皆越和也

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