昨年の王者、山本尚貴が貫録の走りで今季初優勝

レポート レース

2019年6月27日

6月22~23日、スポーツランドSUGOで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権の第3戦を制したのは、ディフェンディングチャンピオンの山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。昨年更新されたばかりのコースレコードも塗り替え、圧巻の速さで今シーズン初優勝を飾った。

今季初優勝となる山本尚貴は、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの村岡潔監督と勝利の喜びを分かち合った。

2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦
開催日:2019年6月22~23日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:株式会社菅生、SSC

 今大会の公式予選はコース全長が短いことからQ1を2組に分け、10台ずつ出走する方式に変更された。各組の上位6台、計12台がQ2に進出し、Q3にはそこから上位8台が進めることになる。ここで各組をトップ通過したのは山本と野尻智紀(TEAM MUGEN)。

 Q2はソフトタイヤでのタイムアタックになるが、ここで山本が1分3秒953をマーク。昨年記録されたレコードタイムを約0.7秒上回り、Q3への進出を決めた。トップから7番手まではホンダ勢が続き、小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が唯一トヨタエンジンユーザーとしてQ3へ進出。

 Q3は途中で2台のマシンがコースオフしてしまったために赤旗中断。そのままセッション終了となり、この時点でトップタイムだった山本がポールポジションを獲得。2番手に野尻、3番手にルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)という結果になった。

 決勝日の23日は晴れ間も覗き、レース日和となった。スタート時のタイヤは、山本がソフト、野尻がミディアムと選択が分かれる状況に。

 野尻はオープニングラップを終えたところでピットに向かい、ソフトタイヤに交換。早めにタイヤ交換義務を済ませて、山本とのギャップを削っていく作戦に出た。山本は、はるか後方に下がった野尻との差を注意しながら、背後のアウアーを押さえて周回を重ねていく。

 序盤は野尻のペースが山本を上回っており、じわじわと差を削っていたが、20周を超えたあたりからペースが逆転。山本はピット作業時間を含めて十分なマージンを築くと、51周を終えたところでピットに向かい、実質トップを守った状態でコースへ復帰した。

 また同じタイミングでピットインしたアウアーも、野尻の前でコース復帰に成功。野尻はアウアーとの差を詰めてテール・トゥ・ノーズまで持ち込み、56周目の1コーナーでインに飛び込んだが、オーバースピードでコースオフ。グラベルに捕まってしまい戦列を離れることになった。

 野尻のマシンを回収するため、セーフティカーが導入。さらに、リスタートに向けて各車が加速していった60周目、SPコーナーの入口で1台がスピンしストップしたため、いったんはレース再開したものの再びセーフティカーが導入される。

 2度目のリスタートは65周目。山本はタイミングを計って加速し、後続を振り切ってトップチェッカー。今季初勝利を飾った。2位には、最後の3周でアウアーをかわした小林。アウアーは最後に順位を下げたものの、自己ベストとなる表彰台獲得となった。

「チームを移籍して初めての優勝をポール・トゥ・ウィンで飾れたことを嬉しく思います」とコメントした山本。
小林可夢偉、山本、ルーカス・アウアーという顔ぶれが並んだ第4戦の表彰式。
OTS(オーバーテイクシステム)を使い果たしながらもアウアーをかわして2位を獲得した小林。
アウアーは今季から参戦したルーキーながら、3戦目にして表彰台に上がる活躍を見せた。

フォト/吉見幸夫、JAFスポーツ編集部 レポート/皆越和也

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