笹原VSドゥーハンの激しいポイント争い! 鈴鹿初開催のFIA F3アジアは混戦!!

レポート レース

2019年7月4日

RACE of ASIA/鈴鹿クラブマンレース第4戦が、6月22~23日に鈴鹿サーキットで開催。開催期間中は4カテゴリー・9レースが行われた。中でもFIA F3アジアは鈴鹿でネオの開催ということで注目が集まった。

二輪世界王者ミック・ドゥーハンの息子であるジャックが、F3アジアのレース1とレース3で優勝し、親子で喜びを分かち合った。

鈴鹿レース オブ アジア
2019鈴鹿クラブマンレースRound.4

開催日:2019年6月22~23日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:GSS、SMSC、ARCN、(株)モビリティランド

 本開催で最も注目されたのは日本初開催のF3アジア選手権だ。決勝は3レース行われるが、予選は2回だけ。Q1でレース1のグリッドを、Q2でレース3のグリッドを、そしてレース2のグリッドはレース1のベストタイム順で決める、独自のシステムが採られている。また、決勝はそれぞれ30分間で競われる。

 その予選は早朝の大雨で、路面が濡れた状態でのスタートとなった。Q1トップはポイントリーダーでもある笹原右京で、2番手はジャック・ドゥーハン。ハイテックGP勢がフロントローを独占する。Q2もしばらくの間、この2人がリードしたものの、路面状態の向上を待ったピーター・ピタチェクに逆転を最後の最後に許してしまう。

 「難しい路面でしたし、赤旗が出るんじゃないかということで確実に行くため、僕らは最初の方でアタックして、Q1はうまくいきましたが、Q2ではやられてしまいました」と笹原。

 レース1はスタート直後にストレートで接触があり、いきなりセーフティカーが導入され、リスタートは5周目に切られた。最初のスタートでトップに立ったドゥーハンが、最後まで笹原の逆転を許さず。僅差ながらも逃げ切って3勝目を挙げた。御察しのとおり往年のGPライダー、ミック・ドゥーハン氏は父親。久々に鈴鹿を訪れ、16歳の愛息の勝利を喜ぶ様子が印象的だった。

 レース2はドゥーハンがポール。2番手の笹原が好スタートを切るも、1コーナーの進入で「シフトが落ちなくて、それでオーバーシュートしてしまい」、ドゥーハンの逆転を許す。レース1同様、しっかりガードを固めて笹原の逆転を拒み続けたドゥーハンだったが、コース上に留まった車両の回収のためSCが入り、間もなくリスタートというタイミングで失速してしまう。SCランに対応するセーフモードスイッチの誤操作が原因だった。

 これで笹原がトップに浮上し、5勝目を挙げた。「すっきりしないんですけど、優勝は優勝ということで。次のレースこそすっきり終わりたいですね」と語っていた笹原だが、実際は逆の展開に。

 ポールのピタチェクはペースが上がらず、1周目のシケインで抜きに行った笹原だったが、ここで接触が。先頭に立つも、ドライビングスルーペナルティを命じられた笹原は順位を落とす。代わってトップにはドゥーハンが立って4勝目をマーク。笹原は9位に甘んじたが、ランキングのトップは守り抜いた。

 なお、ブランパンGTアジアは、レース1をタナート・サシアンシラクルとフィリップ・ハンプレヒトが、レース2をジェフリー・リーとレッシオ・ピカリエッロが総合優勝。GT4クラスのレース2で木下隆之と砂子塾長が優勝を飾っている。

 ランボルギーニスーパートロフェオアジアは、レース1/2ともにイ・ファン・チェンとクリス・ヴァン・ダー・ドリフトが優勝。

 初開催のVITA of ASIAはレース1を上野大哲が、そしてレース2を萬雲恒明が制している。

F3アジアのレース1は終始逃げに徹したジャック・ドゥーハンが制した。
ポイントリーダーの笹原右京はF3アジアのレース2で優勝して今季5勝目。
F3アジアのレース3で今季4勝目を挙げたジャック・ドゥーハン。
タナート・サシアンシラクル/フィリップ・ハンプレヒト組がブランパンGTのレース1で勝利。
ブランパンGTのレース2ではジェフリー・リー/レッシオ・ピカリエッロ組が総合優勝した。
ランボルギーニスーパートロフェオアジアは、レース1をアレックス・アウ選手と根本悠生選手が制し、レース2はイ・ファン・チェン選手とクリス・ヴァン・ダー・ドリフト選手が優勝。
VITA of ASIAのレース1で、2位以下を大きく引き離して優勝を決めた上野大哲。
レース1で3位だった萬雲恒明は、3番手スタートのレース2で見事表彰台の頂点を獲得した。

フォト/吉見幸夫 レポート/はた☆なおゆき

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