新井敏弘、“ホーム”の一戦モントレーを制して、2勝目一番乗り!
2019年6月12日
全日本ラリー選手権は6月6~9日、グラベル4連戦の初戦となる伝統の一戦『モントレー2019』が群馬・長野を舞台に行われ、JN1クラスでは開幕戦を制した新井敏弘/田中直哉組が優勝。開幕から4戦すべて優勝者が入れ替わる混戦が続くシリーズで、2勝目を獲得した最初のウィナーとなった。
2019年JAF全日本ラリー選手権第5戦 Montre 2019
開催日:2019年6月6日~9日
開催地:群馬、長野
主催:AG.MSC北海道、JAC、MOSCO
かつて『ラリー銀座』とも謳われたほど、ラリーの盛んな地である群馬を拠点とする全日本ラリーは、『モントレー』の名で長く親しまれてきた。今年は初めてFIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)の一戦も受け持ち、SS総距離が100kmを超える国際格式ラリーにふさわしいラリーへとスケールアップ。日本スーパーラリーシリーズ(JSR)、JAF東日本ラリー選手権、日本アルペンラリーヒストリックシリーズも同時開催され、賑やかな大会となった。
ラリーウィークの天気予報は当初は土日ともに雨というものだったが、土曜は嬬恋エリアは午後には青空も顔を出すほどの好天に恵まれた。ただし「MATSUSHIRO」、「MINENOHARA」といったステージのある菅平方面は土曜から霧や雨に祟られ、予報通りの展開に。日曜は朝から雨が降り続き、雨が多いことでも知られるモントレーの伝統は今年も守られる(!?)形となった。
モントレーは今年もグラベル主体の設定としたが、オール舗装の「MINENOHARA」も11.28Kmを2回走るとあって、舗装の比重も軽くはない。だが一番の注目は今回初めて設定されたグラベルの「MATSUSHIRO」だ。土曜のLEG1は9.6kmを2本、LEG2でも逆走で9.77kmを2回走るとあって今大会の一番の勝負所となった。
しかしながら、このNEWステージが結果的には「鬼門」となった。最初のSS4ではJN4高橋悟志、JN5天野智之といった優勝候補の筆頭が路面に突如現れた岩のためにマシンを損傷、リタイアを余儀なくされるというまさかの展開となったからだ。リタイヤまで追い込まれなくとも、パンクやマシンにダメージを受けてゴールするクルーもあり、戦前の予想通り、勝敗を大きく左右するステージとなった。
最速のJN1クラスも例外ではなく、前戦のウィナー、新井大輝/小坂典嵩組(SUBARU TEAM ARAI)もこのSS4の前半でパンク、大きくタイムロスしてしまう。逆に父親の新井敏弘/田中直哉組(SUBARU TEAM ARAI)はこのステージで2番手の奴田原文雄/佐藤忠宜組(ADVAN-PIAA Rally Team)に6.8秒差をつけるスーパーベストをマークしてラリーの主導権を握った。
LEG1で21.6秒のリードを築いてトップで折り返した新井敏弘組は、LEG2に入ると、SS12の「MATSUSHIROリバース」でパンクを喫するあわやの場面こそあったものの、ポジションキープの走りに徹して、首位のまま、フィニッシュ。開幕戦に続く今季2勝目をマークした。14.5秒差の2位には「MATSUSHIROリバース」で連続ベストを叩き出した鎌田卓麻/鈴木裕組(itzz RALLY TEAM)が入り、LEG2でDAYベストを奪った新井大輝組が3番手まで挽回してラリーを終えた。
JN2クラスではグラベルでも速さを見せた眞貝知志/安藤裕一組(TOYOTA GAZOO Racing)が開幕5連勝。JN3クラスでは山本悠太/山本磨美組(K-one Racing Team)が得意の逆転劇を見せてシーズン3勝目をあげた。JN4クラスではグラベル4連戦で形勢逆転を狙う関根正人/草加浩平組(MATEX-AQTEC RALLY TEAM)が今季初優勝を果たした。
JN5クラスでは九州のベテラン、岡田孝一/小林剛組(Keystone Navigator Rally Team)がデミオ15MBでの初優勝を飾り、JN6クラスは今回も大倉聡/豊田耕司組(AW RALLY TEAM with LUCK)が快勝してJN2眞貝組とともに開幕5連勝をマークした。
なおAPRC ASIA RALLY CUPではシトロエンDS3をドライブした川名賢/伊勢谷巧組(CUSCO RACING)が総合優勝を飾り、JSRでは久々ラリー復帰の元全日本ラリースト、小西重幸/Tsung Yu HSIEH組(Graduate rally racing)のGRBインプレッサWRX STIが総合1位でフィニッシュした。
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