ダートトライアル

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2019-05-29
スナガワのSA1は若手ドライバーが台頭!! 崎山アクセラがブッちぎりで北海道2連覇!

 

北海道のオートスポーツランドスナガワで開催された全日本ダートトライアル選手権第4戦。想定外の酷暑に見舞われた今大会では、マツダスピードアクセラのSA1崎山晶が連覇を成し遂げた。

 

2019年JAF全日本ダートトライアル選手権第4戦「北海道ダートスペシャルinスナガワ」
開催日:2019年5月25~26日
開催地:オートスポーツランドスナガワ・ダートトライアルコース(北海道砂川市)
主催:AG.MSC北海道

 

 毎年5月~6月に行われている全日本ダートトライアル選手権の北海道ラウンドは、例年なら雪解け間もない北海道の肌寒い気候となるのだが、今年は高気圧の影響で全国的に気温が上昇。道内でも真夏のような最高気温に上昇する、想定外の猛暑に見舞われた。

 

 このスナガワは、石狩川の河川敷に設置された道内でも古くから存在しているダートコース。北部に隣接するジムカーナコースでも全日本選手権が開催されており、スナガワは北海道のBライセンス競技のメッカとして知られている。

 

 第4戦の参加台数はN1が不成立となり、シリーズ10戦化の影響を受けつつも昨年同様の95台をキープ。路面状況も、例年では深いワダチなどが生じることも多かったが、今大会では第2ヒートでも路面の悪化は抑えられ、国内随一の高速コースを良好なドライ路面で走ることができた。

 

 決勝コースレイアウトは、広大なスナガワの上段と下段をフルに使ったもの。ギャラリーが見守る上段をスタートし、車種によっては5速に入る豪快なストレートから下段へ向かい、連続するS字コーナーを経て上段に復帰。再び複数の中高速コーナーを経てゴールする設定となった。

 

 ここスナガワは、河川が増水すると水没する場所でもあるため、コーナーの形状は刻々と変化している。そのため、ライン取りなどは大会ごとにしっかりと見極める必要があるため、道内で活躍するドライバーが地の利を活かせるシチュエーションも多いと言える。

 

 そのため、今大会ではPN1では地元のドライバーが全日本初優勝を飾り、SA1では全日本初出場ながら3位表彰台を獲得するなど、北海道勢の活躍が目立ったイベントでもあった。

 

 昨年から、全日本ダートラのSA1とSC1には2.3リッターターボのマツダスピードアクセラが参戦しているが、その2台のデビュー初年度となった昨年は、高速コースを誇るスナガワ大会でそれぞれ初優勝を飾っている。

 

 今大会でもSA1の崎山晶(DLベルテックス☆Tgアクセラ)とSC1の坂田一也(itzz DLグローバルアクセラ)が第1ヒートから驚愕の速さを見せ、結局、第2ヒートでもそれぞれが自己タイムを更新して、後続に大差を付けた優勝を飾った。

 

 SA1では、土曜の公開練習にトップタイムを叩き出したのは、何と室蘭の現役大学院生の海野正樹(DLインテグラ)。決勝第1ヒートでもいきなり暫定トップをマークして、後続のフィニッシュを待った。同じ1分49秒台に入れてきたのは稲葉幸嗣(HKフォルテックDLインテグラ)だけだったが、最終走者の崎山がベストタイムを更新して第2ヒートに折り返した。

 

 ドライ路面の第2ヒート。再び海野が持ち前の”踏みちぎる走り”で自己タイムを大きく更新して1分47秒台でトップに立った。そのタイムはシード勢の出走まで破られなかったが、北陸の新星・浦上真(DL☆VT☆MSPインテグラ)が1分46秒880でベストタイムを更新した。

 

 最終走者は崎山。FWDターボの暴力的とも言えるストレート加速を活かして中間計測地点は約1.5秒引き離して中間ベストをマーク。後半ではややタイムを落としたものの前半で築いたマージンを活かしてトップフィニッシュ。2番手の浦上に約1.4秒の差をつけて今季初勝利を挙げた。

 

 「今年はマシントラブルやドライビングミスが重なっていたし、若手の浦上くんが速いから、引退に追い込まれるかと思ってましたが(笑)、今回ようやく調子を取り戻せたので良かったです。スナガワのような3速を主体としたコースはマツダスピードアクセラの独壇場ですよね。後半で抑えすぎたのが心残りなんですけど」とは優勝の崎山。

 

 そしてSC1。土曜の公開練習では松田宏毅(キャッツDL itzzシビック)がトップに立ち、昨年の覇者であるマツダスピードアクセラの坂田が下位に沈んでいた。しかし、決勝日の坂田は第1ヒートから快走し、後続に約コンマ5秒差を付けて暫定トップに立った。

 

 第2ヒートは松田が1分48秒台のベストタイム更新で帰ってきたものの、後続の坂田が1分45秒407というスーパーベストをマークして首位を塗り替えた。そして、最終走者の山崎迅人(YHゲンシンMAXミラージュ)は1分47秒台に留まったことから、昨年の覇者・坂田が開幕戦丸和に続く今季2勝目を獲得して、昨年に続いてマツダスピードアクセラが2クラスを制覇した。

 

「大きなミスはしなかったので、事前に考えたとおりには走れました。高速コースをリズムに乗って走るのがスナガワの基本的な攻め方なんですが、下段のS字の途中とかで、何箇所かリズムが狂うポイントがあるので、そこで車速を落とさないように走るのがうまくできた感じです。SA1の崎山選手とはコンマ差の勝利だったので、SC車両のメリットを活かして、もっとSA車両に差を付けたいですね」とは優勝の坂田。

 

 PN1ではベテラン内藤修一(DL itzz SCENEスイフト)が全日本初優勝。PN2は細木智矢(MJT DL SWK WMスイフト)が3連勝。PN3は昨年のPN1チャンピオン山崎利博(itzz☆DL鳥居TAC86)が86乗り換え4戦目でPN3初優勝。N2は北條倫史(DL itzz NUTECランサー)が第2ヒートで岸山信之(itzz☆DLルーカスランサー)を逆転して2連勝を挙げた。

 

 SA2は黒木陽介(MJT Gulf五組DLランサー)が第1ヒートのタイムで逃げ切って優勝。3連勝中の梶岡悟が不参加のSC2は、岩下幸広(DLアルテック・KYBランサー)がしっかりと全日本2勝目を挙げた。注目のDでは、昨年のスナガワ大会を制している宮入友秀(itzz DLグローバルランサー)が、炭山裕矢(ZEAL by TS DLミラージュ)を僅かに退けて、1年ぶりの優勝を飾っている。

 

 

SA1表彰台。優勝の崎山晶は約1秒差のブッちぎり。4位の葛西キャサリン伸彦はスナガワ初参戦で入賞。松井正嗣は第2ヒートの後半でブッちぎったものの5位。ZC33SスイフトスポーツのSA車両で挑む福山重義は6位入賞で存在感を示した。

 

まだまだ若手の崎山が登るSA1表彰台の両脇を固めたのは、さらに若手の20歳代前半の2人。浦上真(左)はすでに勝利を重ねて全日本ドライバーの風格を漂わせているが、今大会は連勝ならず2位に終わり「全日本はそんなに甘くない」と言いつつ石を蹴って悔しがった。

 

SA1で全日本初参戦ながら3位表彰台を獲得したのは室蘭工業大学自動車部の海野正樹24歳。「2本目は1箇所だけミスして自分の走りができませんでした。それで全てが決まった感じです」と豪語。大学院を卒業してからも活動を続けたいそうなので、今後の活躍に期待!

 

SC1は松田宏毅が叩き出した暫定ベストを、マツダスピードアクセラの坂田一也が大きく塗り替えて優勝。シリーズ首位の山崎迅人に1秒以上差を付けた圧勝ながら、ランキングは2位のまま。

 

PN1は第1ヒートから大差を付けていた内藤修一が第2ヒートでも自己タイムを更新して完全勝利。2位児島泰とはコンマ01秒の僅差だったが、苦節7年の全日本ダートラ初優勝を獲得。

 

宝田ケンシローのホームコースということで、ライバルの走りを気にしながらも、2ヒートとも大差を付けてスナガワを制した細木智矢。第3戦恋の浦からの3連勝でシリーズ首位に立った。

 

PN3では、勢いに乗る地元の和泉泰至に約1秒差を付けて、昨年のPN1チャンプ山崎利博が優勝。山崎は86に乗り換えて4戦目でのPN3初勝利で、後期86に全日本ダートラ初勝利をもたらした。

 

N2では、第3戦に続く連勝を飾った北條倫史。自己タイム更新が難しい状況ながら「塾長」の意地を見せ、第2ヒートでは約コンマ04秒差でベストタイムを更新。ランキングトップを堅守した。

 

SA2では、マイケルティーとコンマ差の争いを展開した黒木陽介が、第1ヒートのタイムで逃げ切って優勝。「2本目は感覚的にはタイムアップしたと思ったんですけどね……」と悔しがる。

 

今季3連勝でSC2シリーズ首位を走る梶岡悟が不参加となった今大会。シリーズ2位に付ける岩下幸広が昨年の初優勝以来の全日本2勝目を挙げ、SC2のチャンピオン争いに名乗りを上げた。

 

今季は群雄割拠となっているD部門では、第3戦の転倒から復活した炭山裕矢が叩き出した暫定ベストを約コンマ1秒上回った宮入友秀が優勝。昨年のスナガワ大会以来、久々の勝利だった。

 

土手に陣取るギャラリーの前を豪快に駆け抜けるスナガワ。決勝コースレイアウトはコース前半の下段セクションが勝負処で、リズミカルに続く連続S字はベテランでも攻略が難しいとされる。

 

開催地の地元ドライバーが中心となって行われる「全日本ダートトライアル選手会(JDCEA)」によるギャラリーを対象とした競技車両の同乗パレードランがスナガワでも開催された。