豊田市本社地区から約30分 トヨタ自動車の新たなテストコースが一部運用開始

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2019年4月26日

トヨタ自動車が豊田市と岡崎市の山間部に建設していた新たな研究開発施設の一部がついに運用開始。この度、厳しい走行環境を模したテストコースの一部が明らかにされた。

フォト/トヨタ自動車株式会社

 トヨタ自動車では同社が掲げる「もっといいクルマづくり」を実現するための新たな研究開発施設を愛知県豊田市と岡崎市にまたがる山間部に建設を進めてきたが、この度、その一部がついに完成し「Toyota Technical Center Shimoyama(トヨタテクニカルセンター・シモヤマ)」として運用を開始した。

 この施設は同社の豊田市の本社地区から約30分という立地にある、旧下山村と旧額田町にまたがるテストコースを核としており、約650haの敷地面積に高速評価路や世界各地の特殊な路面を再現した特性路を配した東工区、車両開発施設を設置した西工区、そして、今回運用を開始する中工区の3エリアで構成されている。

 この中工区には、世界屈指の過酷なコースとして知られるニュルブルクリンクにおける研究開発の知見を活かした、全長約5.3kmのカントリー路を設置。自然の地形を活かした約75mの高低差と多くのコーナーを複合させた、厳しい走行環境を持つテストコースとなっている。

 これら新施設の竣工にあたり、豊田章男社長は下記のようにコメントしている。

 「Toyota Technical Center Shimoyamaの建設に対し、構想段階から長期間に渡り、様々なご助言やご配慮、ご協力をいただきました愛知県、豊田市、岡崎市、そして何よりも地元の皆様に心より感謝申し上げます。

 これまで5大陸走破プロジェクトやニュルブルクリンク24時間耐久レース、世界中での様々なテスト走行などの場などを通じ、道と語り、クルマと語ることで“もっといいクルマづくり”を目指してきました。

 今回、それらの経験を元に、世界中の多種多様な“道”を新たなテストコースに再現しました。世界中でのテスト走行に加えて、新たなテストコースが再現する厳しい走行環境のもとで、全てのクルマを徹底的に鍛え上げ、クルマ本来の走る喜びを持ったクルマづくりに挑戦して参ります。

 CASEによるモビリティのあり方が大きく変化する時代だからこそ、現地現物でのリアルなクルマづくり、感性性能には徹底的にこだわり、お客様に笑顔をお届けできるよう努力して参ります」。

 本研究開発施設は、2023年度の本格稼働を目指しており、今回一部の運用が開始された中工区のほか、残る東工区や西工区の整備が進められていく。

 また、同社では、新施設建設にあたり環境保全の取り組みも実施しており、敷地面積の約7割に、土地本来の森林を残して保全することに加え、緑地を新たに造成するなど、自然環境の適切な維持管理に努めている。そして、今後も有識者や地元自治体、地域住民の協力を得ながら森林や谷津田などの里山保全にも取り組んでいくという。

愛知県豊田市と岡崎市にまたがる山間部に建設が進む新たな研究開発施設の概要図。
運用を開始する約5.3kmのカントリー路は、まるで高速道路のような高規格な作り。
中工区内、カントリー路のほぼ中央に立地する施設管理事務所も完成している。
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