フォーミュラ3開幕大会は、サッシャ・フェネストラズと宮田莉朋が勝利を分け合う

レポート レース

2019年4月26日

2019年の全日本フォーミュラ3選手権が鈴鹿サーキットで開幕。第1戦は今シーズンから参戦のサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark)が初優勝を飾り、続く第2戦は宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)が今季1勝目を記録した。

海外ルーキーが大躍進、それを迎え撃つ日本人ドライバー。初戦から目が離せないレース展開だった。

2019年全日本フォーミュラ3選手権第1戦&第2戦
開催日:2019年4月20~21日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:GSS、SMSC、株式会社モビリティランド

 2019年の開幕大会は4月20日に予選、翌21日の午前中に第1戦、全日本スーパーフォーミュラ選手権の決勝を挟んで第2戦が行われるというスケジュール。1セッションのベストタイムとセカンドベストタイムでそれぞれ第1戦、第2戦のグリッドを決定する予選では、宮田が2戦ともにポールポジションを獲得し、フェネストラズが2番手でフロントローにつけた。

 第1戦決勝は、フェネストラズが抜群のスタートダッシュを決めて宮田を逆転。3、4番手には予選順位同様の大湯都史樹(TODA RACING)と小高一斗(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)が続いた。

 トップ争いは徐々に3番手以降を引き離していく。オーバーテイクが難しい鈴鹿で、宮田は何とかフェネストラズに食らいついていくが、1秒以内の差で、宮田が詰めれば翌周にはフェネストラズが広げるという一進一退の攻防が続いた。

 結局、最終ラップまで順位が変わることなくフェネストラズがトップチェッカーを受け、全日本フォーミュラ3選手権デビューレースで勝利を飾った。

 「スタートの反応は良かったのですが、ストールしかかってしまい…」と悔しさをにじませる宮田は、数時間後に行われる第2戦での優勝を誓っていた。3位にはエナム・アーメド(B-Max Racing with motopark)が、大湯、小高との白熱したバトルを制して初表彰台獲得となった。

 第2戦では、雪辱を誓った宮田がスタートを成功させ、フェネストラズをけん制しながらトップで1コーナーへ進入。予選5位のアーメドが大湯と小高をかわし3番手へと浮上した。

 このまま熱いレースが展開されるかと思われたが、直後にセーフティカーが導入される。オープニングラップで全車両の後方から安全のために追走しているメディカルカーが、1コーナー付近を走行中に自煙を上げてしまい、そのオイル処理のためのセーフティカー導入であった。

 レースは5周目にリスタートが切られたが、その直前のシケインでトップの2台が軽く接触。これでフェネストラズはマシンのノーズ部分を破損し、そのままピットへ戻ることに。アーメドが2番手、小高が3番手と繰り上がりレース再開となった。

 宮田は2番手以降をぐいぐいと引き離し、12秒以上の大差をつけて優勝。「去年の戦いで1点の重さを痛感している」という宮田は、ファステストラップも奪いフルマーク(ポールポジションポイント、ファステストラップポイントも含め1レースの最高得点を獲得すること)に成功。ポイントランキングでは2番手のフェネストラズに9点差をつけている。2位にはアーメド、3位にはF3初表彰台となる小高が入った。

スタートでトップに立ったサッシャ・フェネストラズが、そのまま順位をキープして第1戦で初優勝。
第1戦の表彰台は左から2位の宮田莉朋、1位のサッシャ・フェネストラズ、3位のエナム・アーメド。
第1戦の結果を受け、第2戦はスタートを上手く切ることに専念した宮田莉朋が逃げ切って優勝した。
第2戦の表彰台は左から2位のエナム・アーメド、1位の宮田莉朋、3位の小高一斗。
今シーズンは14名のドライバーによって争われる全日本フォーミュラ3選手権。(久保田克昭選手は欠席)

フォト/吉見幸夫、JAFスポーツ編集部 レポート/皆越和也

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