2019年スーパーフォーミュラ開幕! 新型マシンの初戦はニック・キャシディが勝利

レポート レース

2019年4月25日

4月20~21日、全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕戦が鈴鹿サーキットで開催された。新型マシン「SF19」のデビューレースは、20台中8台が戦列を離れるサバイバルバトルとなり、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)が自身SF2勝目を飾った。

SF19が鈴鹿でデビュー! 国内最高峰カテゴリーは初戦から波乱のレース展開となった。

2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦
開催日:2019年4月20~21日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:GSS、SMSC、株式会社モビリティランド

 昨年までの5シーズンを戦ったシャシー「SF14」が勇退。今シーズンからは新型マシン「SF19」で全7戦が争われる。フロントタイヤの拡大、ホイールベースの縮小、安全装備としてHALOの装着、その他にも細かい進化がなされた。また開幕前のテストからコースレコードを上回るようなタイムを記録しており、国内トップフォーミュラにふさわしい最速バトルが期待された。

 20日に行われた予選は、Q1で計4度の赤旗中断。十分なチェックとタイヤのウォームアップを行えないまま、一発勝負のタイムアタック合戦となった。ここでトップタイムを奪ったのは、テストから速さを見せていたアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)。パロウはQ2でもトップタイムにつけたが、Q3ではチームメイトの牧野任祐が逆転し、デビュー戦でポールポジションを獲得。パロウも2番手につけ、TCS NAKAJIMA RACINGが10年ぶりのフロントロー独占を果たした。

 21日は、初夏を思わせる陽気の中で決勝レースが行われた。ソフトタイヤでスタートした牧野とパロウが序盤にリードを広げるが、8周目に平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)とトリスタン・シャルパンティエ(REAL RACING)がコースアウトしセーフティカー(SC)が導入される。

 このタイミングで多くのマシンがピット作業に向かう中、すでに6周終了時にピット作業を済ませていたキャシディが5位に浮上。12周目にレースが再開されると、リスタート直後の混戦の中で2つポジションアップに成功し、表彰台圏内の3位となった。

 15周目、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)とハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)が接触しクラッシュ。2度目のSC導入となる。さらに、このリスタート直後にパロウがマシントラブルからコースサイドにストップし、車両回収のため3度目のSC導入。21周目に3度目のリスタートが切られたが、27周目に牧野がチームメイト同様のトラブルに見舞われコースサイドにマシンを止め、この日4度目のSC導入となった。

 ベテラン、ルーキーにかかわらずさまざまなマシンがトラブルやアクシデントに見舞われる中、ソフトタイヤでのロングランを安定したペースでこなしていったキャシディは、4度目のリスタートを2番手で迎える。この時首位を守っていたのは、まだピット作業を終えていない小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)。

 42周終了時に小林可夢偉がようやくピットへ向かうと、キャシディは堂々のトップでファイナルラップへ。危なげない走りで駆け抜け、予選12位からの大逆転優勝を飾った。2位には山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、3位には山下健太(KONDO RACING)と、昨年最終戦と同じ顔触れが表彰台に並ぶこととなった。

予選Q3に進出できなかったニック・キャシディは12番手スタートだったが、大逆転で初戦を制した。
DOCOMO TEAM DANDELION RACINGに移籍して臨んだ山本尚貴、得意な鈴鹿で2位入賞。
フリー走行でトップタイムを刻んでいた山下健太だが、決勝レースは惜しくも3位となった。
立ち位置こそ違うが、偶然にも表彰台は昨年の最終戦の鈴鹿と同じメンバーとなった。
今シーズンは20名のドライバーによって全7戦で争われる全日本スーパーフォーミュラ選手権。

フォト/吉見幸夫、JAFスポーツ編集部 レポート/皆越和也

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