河本晃一フェアレディZが124スパイダー勢を抑え、今季初優勝

レポート ジムカーナ

2019年4月24日

4月20~21日、福島県のエビスサーキット西コースで全日本ジムカーナ選手権第3戦が行われ、PN2クラスではフェアレディZを駆る河本晃一が2本ともベストをマークする快勝を飾り、王者山野哲也の独走にストップをかけた。

2019年JAF全日本ジムカーナ選手権第3戦
オールジャパンジムカーナ イン エビス

開催日: 2019年4月20~21日
開催場所: エビスサーキット西コース(福島県二本松市)
主催: 奥州VICIC

 早くもシリーズ3戦目を迎えた今大会は、「平成最後の全日本ジムカーナ」と銘打たれての開催となった。公開練習が行われた土曜日は快晴。決勝の日曜日も、一瞬、雨がパラついたものの、午後には青空が顔を出し、2日間を通じてドライコンディションが保たれた。

 今年のシリーズは、序盤2戦を終えて、9クラスの内、昨年のチャンピオン4名を含む5名が開幕2連勝を飾り、早くも独走体制に持ち込む構えを見せているが、今回はチャンピオンの一人勝ちはもう勘弁、と奮闘したライバル達が意地を見せた。

 PN2クラスではフェアレディZの河本晃一(レイズHALリジットZ_12D)が、アバルト124スパイダーを駆る山野哲也(EXEDY 12D 124)の連勝を止め、約1年ぶりの優勝を飾った。例年、高速レイアウトが採られることの多いエビスは、ハイパワーのZには有利のコースといわれてきたが、昨年の河本はヒート1でベストを獲りながらも、山野に逆転を許し、通算100勝のお膳立て役に回った。しかし今回は2ヒートとも、山野に1秒近い大差をつけ、付け入る隙は与えず。ただし、本人は「昨日までタイムが出なかったので、今日はイチかバチかのセッティングに賭けた。それが当りました」と苦心の末の勝利だったと明かした。

 PN4クラスでも3年ぶりの王座奪回を狙う野島孝宏(DLレイズWMLubランサー犬)が、両ヒートともただ一人、1分29秒台にタイムを乗せ、茅野成樹(エアフォルクダンロップランサー)の開幕3連勝を阻んだ。このクラスは昨年、野島がシリーズ序盤は独走したものの、猛追を見せた茅野が最終戦で打っちゃるというドラマチックな結末に。今年は昨年とはまったく逆の展開を見せている。茅野は珍しく2ヒートともミスで下位に沈み、弱冠19歳の新鋭、奥井優介(Fクラフト☆コサ犬DLランサー)が殊勲の2位に入った。

 開幕戦から快走を続けてきた沖縄在住のチャンピオン、SA2クラスの高江淳(DLオイチェΩBPFインテグラ)も1本めはトップに立ちながら、0.052秒の僅差で3連勝を逃した。ヒート1から1.4秒タイム上げて観客の度肝を抜いた四国愛媛の朝山崇(DLBPFRSKインテグラK1)が、河本同様、昨年の開幕戦以来の勝利を飾った。朝山のチームメイトである一色健太郎(DLitzzLtRSKシビック 1'24 )もSA1クラスで今季初勝利をあげるなど、四国勢の健闘が光った。

 一方、今回もライバルの追撃を退け、開幕3連勝を飾ったのはPN1小俣洋平(DLitzzオベロードスター)、SA3西森顕(BSレイズペトロナスCSNSX)の二人。SA4クラスの菱井将文(BSレイズ・クスコランサー)、SC部門の西原正樹(乱人アクアBSインプレッサ)も第2戦に続いて勝利をもぎ取った。ともに86を駆る西野洋平(BSカローラ栃木ALEX86)、ユウ(BSエボitzz NTL 86)の二人が過去2戦、デッドヒートを演じたPN3クラスは、今回もヒート1から西野がユウを0.11秒抑えてトップに立つ白熱の展開に。逆転を期したユウだったが、ヒート2の前半、タイトなパイロンターンへの進入手前でのミスが響いてタイムアップは果たせず。西野が開幕戦に次ぐ2勝めを上げ、タイトルレースを一歩リードした。

安達太良の山々にはまだ雪が。4月とは言え、早春の雰囲気漂う中、東北ラウンド初戦は行われた。真夏のSUGOでは8月に第8戦が行われる。
2ヒートとも頭ひとつ抜け出したタイムで圧勝の小俣洋平はPN1へ移籍後、負け知らずの3勝目をゲット。
PN2で今季初勝利の河本は山野(写真左)の3連勝を阻止。表彰式では満面の笑みを浮かべた。
今回も僅差の戦いとなったPN3はヒート2もきっちりタイムを上げた西野洋平が2勝目をマークした。
PN4は野島孝宏が昨年の第4戦以来、約1年ぶりとなる勝利を獲得した。
四国から遠征のSA1クラス一色健太郎は昨年、ホームコースのみかわで上げた全日本初優勝以来の2勝目を上げた。
SA2では朝山崇が全日本2連覇を狙う高江淳の連勝を阻止して、昨年の開幕戦以来の優勝を獲得。
SA3は2012年以来の王座を狙うNSXマイスター西森顕が順調に開幕3連勝をマーク。
SA4は王者津川信次がヒート2で1分18秒台に入れる圧巻の走りを見せたがパイロンペナルテイ。菱井が2連勝を飾った。
SC部門は2本ともベストをマークした西原正樹が僅差で逃げ切り、シーズン2勝めをマーク。
併催された箱Dクラスは川上実が優勝した。
今回もファンサービスの一環として、同乗走行やパレードランが行われ、ギャラリーと選手の交流が図られた。
ページ
トップへ