快晴の東京・お台場で約10万人がモータースポーツを感じた2日間

レポート その他

2019年4月11日

「モータースポーツジャパン2019フェスティバル イン お台場」
開催日:2019年4月6~7日
開催地:東京臨海副都心青海地区特設会場、NOP区画、公園地区
主催:NPO法人日本モータースポーツ推進機構

毎年恒例の「モータースポーツジャパンフェスティバルインお台場」が東京・台場で行われ、2日間で10万人を超える来場者が、モータースポーツの醍醐味をたっぷりと体感した。

 自動車メーカーやインポーター、モータースポーツ主催団体やアフターパーツメーカーなどが協力して、モータースポーツの魅力を発信するイベント「モータースポーツジャパン2019フェスティバルインお台場」が4月6~7日に開催された。

 東京・台場という都心での開催とあって、このイベントを事前に知っていたクルマ好きやバイク好きはもちろん、会場から響き渡るエンジン音を聞きつけて近隣商業施設から足を運んだ一般客も目立った。

 会場中央に設けられた特設走行エリアでは、ハイパフォーマンスカーの抽選体験同乗走行、スーパーGTやラリー車両によるデモ走行が行われ、来場客はその激しい走りに目を奪われた。中でも2019年のD1グランプリに参戦予定の新型スープラや、WRCコンストラクターズチャンピオン獲得のヤリスWRCなどには、ひときわ注目が集まった。

 特設走行エリアを囲むように、国内外の自動車メーカーやタイヤメーカーのブースが所狭しと並び、モータースポーツに関連したさまざまな車両が展示された。また各ブースではドライバーによるトークショーやイベントが催され、サーキットに比べて距離が近く、普段なかなか見られない選手たちの表情が垣間見えた。

 見たり聞いたりするだけではない。エクスペリエンスゾーンと呼ばれる場所では体験型イベントを行っていた。18歳以下が運転体験をするU-18運転予備校、最新車両の同乗試乗が可能なふれあい試乗会といったイベントも好評を博した。

 サーキット等でしかなかなか触れ合えないモータースポーツ、実際に間近でナマの迫力を感じられたことで、驚きや歓声の声が会場のあちこちで聞こえた。貴重な体験ができたと、2日間合計で10万4,474名が訪れた来場客は皆、満足した表情で会場を後にした。

今年もメイン司会はピエール北川氏(左)。開会式ではスーパーバイザーの近藤真彦氏(中央)と実行委員長の日置和夫氏(右)がご挨拶。
D1GPプレイベントでデビューした齋藤太吾のGRスープラが登場。50年ぶりに蘇ったレーシングマシン・ダイハツP-5が走るサプライズも。
世界ラリー選手権で活躍するヤリスWRCが豪快なデモランを披露。スーパーGTで活躍するNSX GTも負けじとタイヤスモークを上げる!?
スバルの新旧ラリーマシン、1998年のインプレッサWRCと全日本ラリーを戦うWRX STIがお台場で競演。ドライバーの新井敏弘は大忙し。
DRIFTスペシャルランではドリフト走行のアンサンブルが実現。MSJではおなじみのダカールラリーを戦う日野レンジャーも所狭しと激走。
2018年のスーパーフォーミュラチャンピオンマシンと、今年デビューする「SF19」の両車両のコクピットに座れる貴重な体験コーナーも。
日産ブースには、実際のレース車両を使ったタイヤ交換体験コーナーも。トヨタ東京自動車大学校ブースでは未来のメカニックを青田刈り!?
奴田原文雄がドライブする三菱自動車の傾斜45度の4WD登坂キット体験も登場。ホンダフィットを始め、競技車両の同乗走行体験も充実。
体験ゾーンでは、毎年好評のプロドライバーによる「ふれあい試乗会」や、18歳未満でも受講可能な「U-18運転予備校」などを実施。全日本F3の三浦愛や全日本ジムカーナの斉藤邦夫も協力していた。
TOYOTA GAZOO Racingブースや富士スピードウェイブースなどでは、話題の「eスポーツ」を体験できるコーナーも設置された。
ホンダのレーシングヒストリーを見て楽しめる「Legend of HONDA」を実施。ZFブースの山本尚貴&高橋国光トークショーも人だかりが。
日産ブースにはフォーミュラE車両とリーフNISMO RCも登場。日産&トヨタ系ドライバーが並ぶグループショットもMSJならではの光景だ。
TOYOTA GAZOO Racingでは2018年SFチームチャンピオンの近藤真彦監督を始めとした、チーム監督及びドライバートークショーを展開。
ダイハツP-5を当時操った武智勇三氏のほか、「レジェンドレーシングドライバーズクラブ(LRDC)」会員の貴重なサイン会も行われた。
発売されたばかりのBMW Z4 M40iや、ジャガー初の量産EVであるI-PACEなど、レースベース車両でもある最新の輸入車もズラリ並んだ。
GRスープラの競技車両としては一番乗りでその姿を現したNASCARスープラがお目見え。海外の表彰台ではおなじみのビバンダムも登場。
ついに日本上陸したツーリングカーレース「TCRジャパン」や、富士スピードウェイの「KYOJOカップ」参戦車両の展示も行われた。
WRC日本ラウンド招致準備委員会は、土曜に「RALLY JAPAN記者発表会」を実施。WRCプロモーター代表のO.シースラ氏も来日した。
富士スピードウェイはGT4車両が載ったステージでクレインズとチェカレンジャーが登場。スポーツランドSUGOは2輪を中心とした展示に。
JMRC関東とLSOは、恒例の「応急手当普及キャラバン」を出展。そしてJRPA(日本レース写真家協会)の出張写真展も実施された。
会場内では当日受け付け可能な出張Bライセンス講習会も実施。JAFブースに設置されたモータースポーツ表彰台体験コーナーも好評!
「NEWS DIGESTライブステージ」には、ピエール北川氏と全日本ラリーをVWポロGTIで戦うモータージャーナリスト竹岡圭氏が登場。
JAFブースとMSJメインステージでは、JAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会の座長に就任した飯田裕子氏によるトークショーを実施。
「国連世界交通安全週間」に協力するJAFは、「#SpeakUp」で道路交通の諸問題をSNS発信する啓蒙活動を2日間に渡って行った。
公園地区ではヒストリックカーやレプリカマシンの車両展示とコンテストを実施。モータージャーナリスト日下部保雄氏の公演も。
来場者からひと際注目を浴びていたのは岡部洋樹・弘美夫妻。星野一義選手の1991年カルソニックスカイラインを模したBNR32 GT-Rを駆る洋樹さんに合わせて、弘美さんはたまたま入手できた同色のマーチをカルソニック仕様に彩って登場した。しかも、和服を愛好する趣味を活かして、帯の前後に描いたGT-Rも披露。「監督になっても激しい(笑)星野選手が、やっぱり大好きなんです」と語る洋樹さん。そして弘美さんは「帯に絵を入れる職人さんと知り合えたので、さっそく手描きしてもらいました。さすがにサーキットには着ていけないので(笑)、今回のお台場で初披露となりました」と笑顔で語る。
本格的なロールケージなどを装備した吉門高史さんのランサー・エボⅥ。中古競技車両にしてはツヤがあるが……「よく言われますが、中古競技車ではなく、全部イチから作りました(笑)。ベースはエボⅥのGSRでワンオーナーです。以前はサーキットを走っていて、エンジンブローをキッカケにこちらの道へ進みました(笑)。モデルは奴田原文雄選手の全日本ラリー仕様ですが、色々なカテゴリーの仕様を研究して少し違うデザインになってます。実はカラーリングは「塗り」で、クリアも吹いてあります(笑)。よくラリー参戦を誘われますが、ラリー用の装備は、日常の運転でも使える装備なので『競技をやってないのに、より競技車っぽいクルマ』を目指して、ラリー装備を充実させていきたいですね」とは吉門さん。
最後は恒例のメーカー対抗カート大会。トヨタ/レクサス、日産、ホンダ、スバルの4メーカーの代表選手と若手カーターチームが、日置和夫実行委員長とJAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会の飯田裕子座長がプレゼンターを務めるJAFメダル獲得を目指して熱戦!
このカート大会の面白さは「違う速さ」を求められるところ。三人一組のリレー形式だが、最終走者はゴール後に「パズル」を解く必要がある。土曜の大会は、日産チームの「頭脳担当」である佐々木大樹が現役カーターの速さと空間認識力の高さを披露して日産チームが圧勝した。
日曜の大会では、今季は全日本カートOK部門を戦う野中誠太や奥住慈英、坂入悠斗ら若手カーターチームが優勝。「昨日はパズルができなくて本当に悔しかったので、昨夜に三人でスマホアプリで練習した成果が出ました」とは奥住。真面目なアプローチが効いた。
今大会の特設走行エリアの安全管理などは、横倉正道氏率いる関東のJAF加盟クラブCCCRを中心とした競技オフィシャルの方々が担当した。
過去には天候不順による中止もあった同大会。今年は2日間通して晴天に恵まれて、10万4,474名の来場者がモータースポーツを体感した。
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