ジムカーナ

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今年も筑波1000で全日本ジムカーナ開幕! SA3チャンプ小俣洋平がPN1を完全制覇!!

 

全日本ラリーに続いて、全日本ジムカーナが筑波サーキットコース1000で開幕! クラスや車両の変更が相次いだ今年。勢力図が塗り替わる新たな挑戦者たちが活躍した!

 

2019年JAF全日本ジムカーナ選手権第1戦「TAKUMI OIL CUP GYMKHANA IN TSUKUBA」
開催日:2019年3月2〜3日
開催場所:筑波サーキットコース1000(茨城県下妻市)
主催:T-SPIRIT

 

 2019年のJAF全日本ジムカーナ選手権が筑波サーキットコース1000で開幕した。今シーズンは昨年同様全10戦で争われることになり、比較的早めのシーズン開幕となった。昨年から久々に復活した筑波ラウンドだが、公開練習では晴天に恵まれたものの、決勝日には雨模様となり、気温も路面温度も低い、冬を思わせるコンディションとなった。

 

 選手権はPN部門の4クラスとSA部門の4クラス、SC部門に加え、選手権対象外のFDクラス、HDクラスが成立。合計121名のエントリーを集めた。そして、コース1000のパドックを見回すと、有力選手のクラス移行や車両変更が目立つ状況となった。

 

 ロードスターワンメイク状態となっているPN1には、SA3チャンピオン小俣洋平(DL itzzオベロードスター)がNDロードスターで参戦し、PN2ではアバルト124スパイダーが増殖。また、折茂紀彦(DL協和商工RSK速心VITZ)や片山誠司(GR水戸インターYH Vitz)が限定車のヴィッツGRMNを持ち込んで、PN2は車種が豊富な23台が争う大人気クラスとなった。また、PN3では後期型86/BRZの投入が目立ち、四国のベテラン・天満清(ADVANクスコロードスター)はロードスターRFの後期型にスイッチしている。

 

 また、改造車ドライバーの山越義昌(BS風見ICCローリングCRX)がSA1に復活したり、SA1チャンピオン若林拳人(YH若林自動車速心インテグラ)がDC2インテグラでSA2に挑戦するなど、各クラスの勢力図一新が予想される今シーズンの開幕戦となった。

 

 決勝当日の朝は肌寒い曇り空で、天気予報では午後から雨。決勝コースレイアウトは、公開練習とは大きく異なるものとなったため、慣熟歩行ではドライ路面を踏みしめて、改めてコース攻略を考える時間となった。しかし、PN1のスタート時には雨が落ちてきて、弱い雨が降り続いたことから、PN1の中盤には完全なウェット路面となってしまった。

 

 決勝コースは、ピットレーンからスタートして2本のパイロンによる大きな8の字を描き、バックストレートまでコースなりに走って再び小さな8の字ターンをこなす。ここから逆走で2コーナーを抜けて2本パイロンの180度ターンで順走に戻り、小さな8の字の内側を抜けて内周に入る。ハイスピードな大きなS字を抜けて外周の「洗濯板」セクションに入り、3本パイロンのスラロームを抜けて最終コーナー手前でゴールする設定だ。

 

 4箇所に設けられた中速度からのタイトターンに加え、内周の高速セクションからスラロームに入る設定などは、ベテラン選手でも一筋縄ではいかない状況。滑りやすいウェット路面における、最速ラインを外さないアクセルワークだけでなく、ギリギリまで我慢するかなり高度なブレーキングスキルが要求され、勝負の分かれ目となっていた。

 

 PN1では、NDロードスターをいち早く投入して2年連続タイトルを獲得している斉藤邦夫(ADVANロードスター)の同行に注目が集まった。開幕戦ではヨコハマタイヤの新作タイヤを得て、昨年の開幕戦に続く筑波連覇が期待されていた。
 しかし、降り続く雨と低温路面の影響から、斉藤の第1ヒートはトップから大きく離された6番手に留まってしまう。代わりに注目の走りを見せたのは、昨年までに3年連続SA3チャンピオンを獲得している小俣洋平(DL itzzオベロードスター)だった。

 

 後輪駆動かつマツダ党を自称する小俣は、RX-7での活動継続やPN3でのロードスターRF投入も検討する中、あえてワンメイク状態で激戦が繰り広げられているPN1に挑むことを決意。ドライ路面の公開練習では福田大輔(DLレイズT2Wmロードスター)に僅差のベストタイムを刻んでおり、その勢いを維持したまま第1ヒートに挑んでいた。

 

 小俣の出走順はクラス移行に伴いクラス中盤となっていたが、それまで1分28秒台の戦いを約3秒も引き上げて1分25秒034という驚愕の暫定ベストタイムを刻んできた。
 後続のドライバーもウェット路面の中で善戦したが、2番手に付けた深川敬暢(DLエナペBRIGロードスター)ですら1分27秒台後半で、2秒以上引き離されてしまい、いきなり大差を付けた小俣が暫定トップで折り返す展開となった。

 

 第2ヒートも雨は止まなかったが、PN1では自己タイムを更新する選手も続出したため、逆転のチャンスはあった。小俣選手は第2ヒートで再び同秒台の1分25秒439をマーク。自己タイム更新とはならなかったが、1分25秒台がターゲットになるかと思われた。

 

 ところが、深川は自己タイムを僅かに更新したものの1分27秒止まり。第1ヒートはペナルティに沈んだ福田は1分26秒331。そして最終走者の斉藤は何と1分29秒台に終わってしまう。この結果、2ヒートとも1分25秒台のクラス最速タイムをマークした小俣が、クラス変更直後にPN1初勝利を掴んでみせた。優勝した小俣はこう語った。

 

 「1本目は苦しいところがあったんですが、2本目はまあまあの走りだったので、結果的にうまく行ったという感じです。1本目はコーナリングの感触は良かったものの、”ウェット路面の滑り始め”によくあるヌルヌルした感じで、イケるのかどうかが分かりにくかったです。2本目は雨量は多かったんですが安定していたので、しっかりとしたグリップ感が掴みやすかったです。こういう状況ではノーミスで帰って来ることすら難しいので、”ちょいミス”で帰って来られたのが、この結果に繋がったと思います。今年はロードスター誕生30周年に当たる記念すべき年なので、気合を入れてシリーズを戦いますよ!」

 

 通称”Sタイヤ”装着が装着可能なSA部門からPN部門へのクラス移行は、慣れない”非Sタイヤ”のグリップ感に戸惑い、序盤は低迷してしまうもの。それにも関わらず、圧倒的なタイム差で逃げ切った小俣の開幕戦優勝は、SA車両使いの面目躍如と言えるだろう。

 

 PN2はブリヂストンの新作タイヤを得た山野哲也(EXEDY 12D 124)が逆転優勝し、124スパイダーでダブルエントリーした山野直也(EXEDY 12D 124)とワンツーフィニッシュを決めた。PN3は、第1ヒート首位のユウ(BSエボitzz NTL 86)を驚愕のタイムで逆転した西野洋平(BSカローラ栃木ALEX 86)が昨年の開幕戦筑波以来の優勝。PN2とPN3はブリヂストンの新作タイヤ装着車がそれぞれワンツーフィニッシュとなった。

 

 PN4は第2ヒートで大きくタイムを上げた茅野成樹(エアフォルクダンロップランサー)がオーバーオールタイムで勝利。SA1は第1ヒートの大スピンでタイムを残せなかった橋本克紀(メカスタBS桐生鈑金シビック)が、第1ヒート暫定トップの近藤岳士(YH/Moty's 渦 CR-X)を第2ヒートに僅差で逆転した。SA2はディフェンディングチャンピオン高江淳(DLオイチェΩ BPFインテグラ)が、第2ヒートに二輪駆動オーバーオールタイムを叩き出して逆転。チャンピオンとしての威厳を示してみせた。

 

 SA3では、小俣の宿命のライバル西森顕(BSレイズペトロナスCS NSX)が第1ヒートのタイムで逃げ切って優勝。SA4は津川信次(DL☆itzz☆URGランサー)が後続を約2秒引き離して、2ヒートともベストタイムで優勝した。SCはディフェンディングチャンピオン西原正樹(乱人アクアBSインプレッサ)が、金曜に起きた車両トラブルで不出走となり、伊藤和浩(Winmaxランサー)とダブルエントリーで挑んだ野尻隆司(itzz DLグローバルランサー)が、第2ヒートにクラス唯一の1分19秒台を叩き出して優勝。ワイドタイヤを装着した2019年仕様SCランサーをいち早く勝利に導いた。

 

3年連続SA3チャンピオンの小俣洋平(写真右)が、NDロードスターに乗り換えてPN1に初挑戦。第1ヒートのタイムで逃げ切って、クラス移行の緒戦で優勝してみせた。

 

山野直也とダブルエントリーでPN2に挑んだ100勝王者・山野哲也。ウェット路面の第2ヒートで、実弟が叩き出した暫定ベストを約コンマ7秒逆転して、106勝目をゲット。

 

第1ヒートでブッちぎったPN3のユウ(写真右)。その暫定ベストを第2ヒートで約コンマ7秒逆転した西野洋平(左)が、ユウの追撃を振り切って昨年の開幕戦以来の優勝。

 

PN4チャンピオン茅野成樹がオーバーオールでまず一勝。野島孝宏と野島美恵は昨年に続いて夫婦で表彰台を獲得。GVB WRX STIで挑んだ二木達也が4位入賞の殊勲賞。

 

4位までが1分23秒台の争いという僅差の勝負となったSA1。暫定トップの近藤岳士を逆転したのは橋本克紀。2016年の第8戦イオックス以来となる全日本2勝目を獲得した。

 

「1本目は朝山崇選手のスピンを見て、昨年の最終戦・鈴鹿南を思い出した」と語るSA2高江淳。気を取り直して挑んだ第2ヒートは、何と2WD最速タイムで勝利してみせた。

 

第1ヒートで後続を2秒以上引き離すスーパーベストをマークしたSA3西森顕。第2ヒートでは自己タイム更新とはならなかったが、久保真吾の追撃をかわして逃げ切りの優勝。

 

不調の菱井将文をよそ目に第1ヒートから驚愕のベストを計測したSA4津川信次が、第2ヒートも自己タイムを伸ばして優勝。約2秒差で高瀬昌史が自己最上位の2位を獲得。

 

オーバーフェンダー装着でタイヤをワイド化してきたSC野尻隆司。大橋渡の暫定ベストを第2ヒートで逆転して、昨年の第7戦SUGO西以来のSC部門3勝目をマークした。

 

全日本PN4にランサーでスポット参戦していた奥井毅の愛息、19歳の奥井優介がついに全日本デビュー。第1ヒートは最終セクションで惜しくもペナルティに沈んだが、シーズンオフの練習の甲斐あって、茨城期待の秘蔵っ子は第2ヒートの走りで5位入賞!

 

レディスドライバー・かつこが走らせたDC2インテグラを購入したSA1チャンピオン若林拳人が今季はSA2にクラス換え。デビュー戦でいきなり3位表彰台を獲得した。チャンピオンマシンのCR-Xはかつこが借り受けて、まだまだ現役で全日本を戦うことになった。

 

今回は選手権対象外の「フォーミュラD(FD)」と「箱D(HD)」クラスが併設された。FDクラスは隼を駆る小泉博司、HDは大井貴之が駆るB310サニーがブッちぎりで優勝。

 

筑波サーキットコース1000の順走を基準として、外周に4箇所のパイロン区間が設置された決勝コース。ハイスピードからのブレーキングの出来不出来が勝負の分かれ目となった。