トヨタ、ハイラックスでダカールラリー初の総合優勝の快挙達成!

レポート ラリー

2019年1月22日

今年で41回目を迎えたダカールラリーは、トヨタ・ハイラックスを駆ったナッサー・アル-アティア/マシュー・ボウメル組が通算3勝目を上げ、トヨタに初の総合優勝をもたらした。

 今年のダカールラリーは1月12日、ペルーのリマをスタートして南東に下り、12日間かけて再びリマに戻る約5,000kmのルートで行われた。今年の特長はルートの実に70%が砂漠、砂丘といった砂地帯だったことで、10本のステージを含め、すべてペルー国内での単独開催は史上初めての試みとなった。

 初日をトップで終えたアル-アティア組は2日目は順位を落とすも3日目には再び首位に浮上。その後もポジションをキープし、最終的には総合2番手に46分の大差をつけ、“世界一過酷なラリー”を制した。アル-アティアはカタール出身の48歳。2006年にPWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)、2014年にはWRC2を制したスプリントラリー出身のラリーストだが、ダカールラリーは2004年に三菱パジェロで初出場し、2011年にVWで、2015年にはMINIで総合優勝を飾った。アル-アティアはクレー射撃のカタール代表でもあり、2012年のロンドン五輪では銅メダルも獲得している二刀流のスポーツマンだ。

 「コースはたくさんの砂丘が待ち受けていて今年も非常に難しいラリーだったが、今年はすべてうまく行った感じだ。トヨタの歴史上初となる快挙に関われたことは、自分にとっても本当に嬉しいよ」とフィニッシュに辿りついたアル・アル-ティアは感激を語った。

 トヨタに初の総合優勝をもたらした南アフリカにチームの本拠地を置くトヨタガズレーシングサウスアフリカ(TGRSA)は、昨年のダカールラリーから投入したハイラックスをサスペンション、エンジン等を大幅に強化したバージョンにモディファイし、今年は3台体制で参戦した。なお総合2位にはアン・ナニ・ロマ組(ミニ・ジョンクーパーワークスラリー)、同3位には今年、WRCでヒュンダイを駆るセバスチャン・ローブ組(プジョー3008DKR)が入賞した。

 4輪市販車部門に参戦したトヨタ車体のチームランドクルーザーはクリスチャン・ラビエル組が総合35位に入り、同39位に入った三浦昴組とともにクラス1-2フィニッシュを達成し、市販車部門の連勝を6に伸ばした。カミオン部門にエントリーした日野チームスガワラは菅原照仁組510が部門総合9位でゴールし、10リットル未満クラスで10連覇と今年も強さを見せつけた。

トヨタに初のダカール制覇をもたらしたアル-アティア組のトヨタ・ハイラックス。
今回の大会では“GR”=GAZOO Racingのロゴがペルーの大地で一際輝いた。
4輪市販車部門では今年もランクルで参戦したトヨタ車体チームが1-2フィニッシュという最高の結果を残した。
4輪市販車部門を制したクリスチャン・ラヴィエル/ジャン・ピエール・ギャルサ組(左から)。
今年も2台体制で臨んだ日野チームスガワラは、菅原義正組はリタイヤとなったものの、菅原照仁/羽村勝美組が10リッター未満クラスで10連覇を達成した。
10連覇達成で喜ぶ菅原照仁/羽村勝美組とサービススタッフ達。
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