GT500は山本尚貴/J.バトン組が戴冠、GT300は黒澤治樹/蒲生尚弥組が初タイトル!

レポート レース

2018年11月15日

栃木県のツインリンクもてぎで行われたFIAインターナショナルシリーズ・スーパーGT最終戦で、接戦を演じた山本尚貴/J.バトン組が3位フィニッシュでタイトルを獲得した。

FIAインターナショナルシリーズ スーパーGT
2018 SUPER GT Round 8 MOTEGI GT GRAND FINAL

開催日:2018年11月9~11日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:(株)モビリティランド、M.O.S.C.、(株)GTアソシエイション

 11月3~4日、好天に恵まれたツインリンクもてぎにおいて、FIAインターナショナルシリーズ・スーパーGT第8戦(最終戦)が、250kmレースとして開催され、ポールポジションの8号車野尻智紀/伊沢拓也組(ARTA NSX-GT)が2勝目を挙げた。

 タイトル争いは、GT500クラスでは100号車山本尚貴/J.バトン組(RAYBRIG NSX-GT)が3位で獲得。GT300クラスでは65号車黒澤治樹/蒲生尚弥組(LEON CVSTOS AMG)が今季初優勝を挙げ、逆転で初タイトルを獲得した。

 ハンディウェイト0kgで争われる最終戦。GT500のタイトル争いは4台に権利があったが、実質的には、同ポイントで並んだ100号車NSXと1号車平川亮/N.キャシディ組(KeePer TOM’S LC500)に絞られた形で、先にゴールした方がチャンピオンという戦いに。

 公式予選では8号車NSXがポールを獲得し、100号車NSXは2番手、1号車LC500は6番手に付ける。日曜の決勝では、スタートで1号車LC500のキャシディが5番手まで上がるも、53周レースの半分を折り返し、28周を終了した時点で2台の差は9.4秒あった。

 30周目にはその2台が同時ピットイン。僅かに1号車LC500が約1秒速いピット作業時間でコースに戻ったが、100号車NSXは3番手、1号車LC500は8番手となった。
しかし、ここから1号車LC500の平川が猛プッシュを開始。37周目には100号車NSXのバトンに次ぐ4番手まで順位を上げ、両者の差は約7秒にまで縮まった。

 さらに平川は、45周目にはバトンの背後に1秒を切る差にまで追い上げて、テールに食らい付いた。しかし、終盤間際にはタイヤを使い果たしたのか、追い上げもここまで。

 100号車NSXが1号車LC500を振り切って3位フィニッシュ。山本/バトン組がGT500ドライバーチャンピオンを獲得した。

 最終戦の優勝は8号車NSXの野尻/伊沢組。2位は終盤で8号車を追い詰めた、38号車立川祐路/石浦宏明組(ZENT CERUMO LC500)だった。

 GT300クラスは6チームにタイトル獲得のチャンスがあった。

 ポールポジションを獲得したのは、タイトル争いとは関係のない88号車平峰一貴/M.マペッリ組(マネパ ランボルギーニ GT3)。2番手にはランキング2位の65号車黒澤/蒲生組メルセデスAMG、3番手にはランキング4位の0号車谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル 初音ミク AMG)が付ける。

 ポイントリーダーの55号車高木真一/S.ウォーキンショー組(ARTA BMW M6 GT3)は、4位以上でタイトル獲得という状況だったが、グリッドは何と10番手。そして、ランキング3位の31号車嵯峨宏紀/平手晃平組(TOYOTA PRIUS apr GT)は8番手スタートと、シリーズ上位勢が軒並み苦しいポジションからのスタートとなった。

 レースは、早めのピットインでタイヤ無交換作戦を採った65号車メルセデスAMGが、中盤にトップに立って快走。後続に大差を付けた逃げ切りの今季初優勝となり、GT300クラス初タイトルを手にした。55号車BMWは9位でタイトル獲得とはならず、31号車プリウスが2位、また0号車メルセデスも3位を獲得したが、タイトルには届かなかった。

 なお、大会期間中には、2020年のSUPER GTシリーズの一戦として予定されている、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットでの開催に関する基本合意書への調印が行われ、その模様が報道陣に公開された。

 この共同記者会見には、SUPER GTを運営する株式会社GTアソシエイションの坂東正明代表と、セパン大会のマネージングパートナー「HARO」のファリザル・ビン・ハッサン氏が出席し「セパン大会ではナイトレースを予定している」との見解を明らかにした。

最終戦の勝者はポール・トゥ・ウィンの野尻智紀/伊沢拓也組。3位の山本尚貴/J.バトン組がGT500タイトルを確定。
GT500タイトル奪還の僅かな望みに賭けた野尻/伊沢組だったが、山本/バトン組の戴冠に複雑な表情を見せた。
2位の立川祐路/石浦宏明組は、レース中盤で100号車との激しいバトルを演じたが、振り切って8号車を追い詰めた。
シリーズ2位に終わった昨年の覇者・平川亮/N.キャシディ組。スーパーフォーミュラ最終戦に続く悔しい結末に。
GT300は88号車平峰一貴/M.マペッリ組が今季2度目のポール。トップ独走するもトラブルにより下位に沈没。
65号車黒澤治樹/蒲生尚弥組が今季初勝利で逆転タイトル獲得。2017王者の0号車谷口信輝/片岡龍也組は3位に。
タイヤ無交換ながらハイペースを維持した31号車嵯峨宏紀/平手晃平組。65号車には届かず2位に終わった。
スーパーフォーミュラとダブルチャンピオンを確定させた山本尚貴。GT500ルーキーのバトンもその速さを認めた。
2020年セパン大会開催合意の調印式。写真はHAROのファリザル・ビン・ハッサン氏(左)と、GTA代表坂東正明氏。
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