お台場に再来した”ドリフト世界一決定戦” 第2回FIA IDCはロシアのゴーチャが初優勝!

レポート ドリフト

2018年11月8日

今年はD1グランプリ最終戦の翌日に開催されたFIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップ。第2回は13の国と地域から21名の選手が参加してドリフト世界一を争った。

FIA Intercontinental Drifting CUP
開催日:2018年11月3〜4日
開催地:東京都江東区青海NOP地区(台場特設コース)
主催:FISCO-C、(株)サンプロス

 D1グランプリシリーズ第8戦お台場大会が行われた翌日、同じ台場特設コースにて第2回FIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップ(FIA IDC)が開催された。
 世界各国で行われるドリフトシリーズの上位選手が一同に会し、13の国と地域から21名の選手がエントリー。日本からはD1グランプリを戦う4名の上位選手が挑戦した。

 ソロラン(単走)とバトルラン(追走)は日曜に行われたが、その練習走行の段階から雨が降り始め、ソロラン(単走)が始まる時間には路面はほぼウェットに。
 前日に行われたD1グランプリでタイヤのラバーが乗り切った路面ということで、ウェットでは思うようなグリップが得られず、各選手ともポイントが伸び悩んでいた。

 その状況で、ただ一人の90点台で、単走95点を記録したのが、ロシアンドリフトシリーズチャンピオンのゲオルギィ・チフチャン(通称ゴーチャ/NGK SILVIA)だ。
 大胆な振り出しからアウトラインを目一杯使った壁ギリギリのラインをトレースし、圧倒的なスピードと正確さで他を寄せ付けない点数を叩き出した。

 2位は柔らかい走りを見せるチェコのマルコ・ザコリル(BMW M2)、3位はスイスのイブ・メイエー(BMW M2)が入った。

 4位には藤野秀之(WISTERIA 180SX)、5位に末永直登(Team ORANGE SILVIA S15-2JZ)、6位に川畑真人(GReddy 35RX spec-D)と、日本勢も上位を占めた。
 前日にD1シリーズチャンピオンを決めた横井昌志(D-MAX S15 SILVIA)に期待が集まったが、1セクション進入でクラッシュ、リタイヤとなってしまった。

 バトルラン(追走)は、強者が順当に勝ち上がる展開となったが、中でも気を吐いたのがタイのチャナッポン・ケードビアム(TOYOTA ALTEZZA)。滑りやすい路面をものともせず、全セクションで高い速度を保って準決勝まで進出。ここでメイエーに破れて3位決定戦へと歩を進めた。

 追走2回戦では、ゴーチャと昨年のFIA IDCで2位のアルカーディ・ツァレグラツェフ(通称アルカーシャ/NISSAN SKYLINE)のロシア王者バトル、そして、末永直登と藤野という日本人同士のバトルが行われるという、実に勿体無いカードとなった。

 準決勝は、このバトルを制したゴーチャと末永直登のバトルとなり、両者とも超ハイレベルの走りを披露。今大会初の「ワンモアタイム」にもつれ込むも、最終的には、僅差でゴーチャの勝利となった。

 その末永直登は3位決定戦でチャナッポンに敗退し、上位3位から日本勢が消えたことになる。
 そして、バトルラン(追走)決勝は27歳の若手、スイスのメイエーと現ロシア王者・ゴーチャのバトルとなった。

 1本目はゴーチャが驚異的な振り出しと飛び込みを見せるが、V8自然吸気エンジンのBMW M2を駆るメイエーも食い下がって離れない。しかし、インには入り切れない状況。
 2本目は先行メイエー、後追いゴーチャで、両者が素晴らしい走りを見せたが、後追いのゴーチャがノーズをメイエーのインに押し込み、ここで勝負あり。

 ゴーチャはFIA IDC初優勝、メイエーはドリフト選手権で初のトロフィー獲得となった。日本勢の最上位は末永直登の4位となった。

 ポディウムには、ロシア、スイス、タイという国際色豊かな面々が登壇して、ドリフトの国際化が見て取れる。第2回FIA IDCも「ドリフト世界一決定戦」に相応しい見ごたえのあるバトルが展開された。

バトルラン(追走)のトーナメント決勝はロシアの強豪ゴーチャとイブ・メイエーの戦い。
昨年も活躍したゴーチャ(右)がFIA IDC初優勝。メイエーはスイス期待の若手で27歳。
3位決定戦は末永直登とチャナッポン・ケードピアムの戦い。チャナッポンが3位に残る。
ソロラン(単走)優勝もゴーチャが獲得。2位はチェコのBMW使い、マルコ・ザコリル。
D1タイトルを獲得した横井昌志は練習走行でクラッシュ。修復むなしくリタイアに。
日曜の午後は悪天候に見舞われたが、会場には2日間で2万9,269人の観客が詰めかけた。
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