日本一の王座をかけた鈴鹿直接対決!!無限・山本尚貴が2度目のタイトル確定!

レポート レース

2018年10月31日

2018年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦
第17回JAF鈴鹿グランプリ

開催日:2018年10月26~28日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:NRC、SMSC、(株)モビリティランド

5人の選手にタイトル獲得のチャンスが残されたJAFスーパーフォーミュラ選手権最終戦鈴鹿サーキット。2018年の最終局面は、N.キャシディと山本尚貴の一騎打ちとなった。

 10月27~28日、全日本スーパーフォーミュラ選手権の最終戦が鈴鹿サーキットで開催された。N.キャシディ(ORIENTALBIO KONDO SF14)とのドライバーズタイトルを懸けた戦いを制した山本尚貴(TEAM MUGEN SF14)が、自身2度目のシリーズチャンピオンに輝いた。

 シリーズチャンピオンの権利をもって最終戦に挑んだのは5名。その中で、優勝すればライバルの結果に左右されずにタイトル獲得を決められる位置にいたのは、ランキング首位のキャシディ、ランキング3位の山本、そしてランキング2位の石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)の3名だった。

 しかし、土曜の予選では石浦が振るわず、まさかのQ2敗退。これで実質的なタイトル争いは、キャシディと山本による一騎打ちの様相となった。山本はQ1、Q2、Q3とすべてのセッションを制して圧巻のポールポジションを獲得。キャシディは4番グリッドから追いかける形となった。

 今季はあまり天候に恵まれなかったスーパーフォーミュラだったが、この最終戦は素晴らしい秋晴れのもとで行われた。

 ポールシッターの山本は好スタートを切って首位をキープ。予選2番手の山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF14)、予選3番手の中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)もポジションキープで序盤の周回が進んでいった。

 トップの山本は19周を終えてピットイン。キャシディはミディアムタイヤで自己ベストタイムを連発しながら前半スティントを引っ張る作戦で、29周を終えたところでピットへ向かう。すると、山本の真後ろでコースに復帰することに成功した。ただし、交換したばかりのタイヤが温まるまでに山本との差は再び広がり、30周を終えたところでの両者の差は7.5秒に広がっていた。

 ところが、ここからキャシディの鬼神のごとき追い上げが始まる。ソフトタイヤに熱が入ると、1周につき1秒以上速いラップタイムで周回する。全車がピット作業を済ませた時点でトップは山本。34周目にはキャシディとの差は3.5秒にまで縮まっていた。

 両者はテール・トゥ・ノーズまであと僅か、というところまできたが、キャシディは35周目にコース上のダストに足元をすくわれてしまう。しかし、いったんペースが鈍ったキャシディは、再びスピードを上げて山本を追いかけた。

 残り8周の時点で、キャシディは真後ろに付くまでに追い付いたものの、逆転は敵わず。山本が今季3度目のトップチェッカーを受け、自身2度目のシリーズチャンピオンを手にすることとなった。また、キャシディに続いて、山下が自己ベストリザルトの3位表彰台に上がり、KONDO RACINGが創設20年目で悲願のチームタイトルを獲得した。

 なお、この大会ではTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレース最終戦がサポートレースとして開催され、土曜に決勝レースが行われた。プロフェッショナルシリーズではポールポジションの菅波冬悟(OTG DL 86)が優勝。追撃も届かず4位に終わった谷口信輝(KTMS 86)が、3年ぶり自身3度目のシリーズタイトルを手中に収めている。

 クラブマンシリーズのAレースでは、ポールスタートの大島和也(TeamMDI/BSR 86)が初優勝。すでに前戦でタイトルを確定させている庄司雄磨(OTG DL 86)は3位表彰台でレースを終えた。Bレースでは卜部正崇(GR西宮レーシング86 BS)が優勝した。

レース後半では思わぬ不調に見舞われた山本尚貴だったが僅差で逃げ切ってみせた。
自分を信じて攻め続けたN.キャシディ。山本を極限まで追い詰めたが届かなかった。
「JAFグランプリ」優勝者にのみ与えられるカップはJAF矢代会長から手渡された。
予選2番手の山下健太はチームプレイの任を感じながらも自身初の3位表彰台を獲得。
安堵の表情を見せた山本は重量のあるチャンピオントロフィーを頭上に高く掲げた。
チームタイトルはスーパーフォーミュラ参戦初めてとなるKONDO RACINGが獲得。
全ドライバーが観客の前に並ぶシーズンエンドセレモニーでは山本が手荒い祝福。
3日間通して3万9,600人もの観客を動員した最終戦。まさに世紀の瞬間を見守った。
86/BRZレースプロフェッショナルシリーズは菅波冬悟がポール・トゥ・ウィン。
クラブマンシリーズA決勝では、大島和也が苦しいレースを耐え抜いて初優勝。
88台ものエントリーがあった最終戦鈴鹿。クラブマンB決勝は卜部正崇が優勝。
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