シュンが、タイトル争いの二人を尻目に全日本初優勝!

レポート ジムカーナ

2018年10月5日

2018年JAF全日本ジムカーナ選手権最終戦
開催日: 2018年9月29~30日
開催地: 鈴鹿サーキット国際南コース(三重県鈴鹿市)
主催: チーム淀

いよいよ2018年シーズンも最終戦を迎えた全日本ジムカーナ選手権は、鈴鹿南コースで第10戦の開催を迎えた。すでに多くのクラスで今季の王座が確定している中、PN4とSA2の2クラスでのタイトル争いに注目が集まった。

 この週末は全国的に台風24号の影響が懸念されたため、土曜の時点で「日曜は午前1ヒートのみ開催の1本勝負」が確定。チャンピオン争いにさらなる緊張感を与える気象条件となった。

 チャンピオン争いが注目のPN4クラスは、クラス開始を前にコース上は本格的な降雨となり、前日の公開練習でも火花を散らした茅野成樹(エアフォルクダンロップランサー)、野島孝宏(DLレイズWM Lubランサー犬)の一騎打ちに。ラス前ゼッケンの茅野は優勝が逆転タイトルへの最低条件となるだけに「行かないと勝てない」との言葉通り、スタートで抜群の蹴り出しを決めると、慎重かつ冷静にコースを攻略。39秒175の中間ベストでショートカットを立ち上がると、明らかに高い車速を維持したままフィニッシュラインへ突入。

 そして最終ゼッケンの野島も、茅野同様スライドしたがるマシンを抑え込んでランサーを走らせたが、フロントノーズが入ってくれず、戻りヘアピンの立ち上がりでパワーオーバーに。茅野の1分01秒035に対しコンマ8差の2番手タイムとなり、茅野が"上がり4連勝"での大逆転チャンピオンを獲得した。

 そしてタイトル争いを繰り広げるもうひとクラス、SA2はここまで4勝を挙げランキング首位で最終戦に臨んだ沖縄の星、高江淳(DLオイチェΩBPFインテグラ)と、地元勢の佐藤巧(YH★M-ARTS★インテグラ)による一騎打ちに。まずは東京からエントリーの中団ゼッケンでスタートした、ニュートンランド所属のシュン(BSエボitzzNTインテグラ)が中間41秒664の好タイムを刻んで1分04秒945とベストを更新する。

 これがターゲットとなる中、満を持してスタートを切った高江はS字でリヤが流れ、切り返しの縁石で脱輪。中間、フィニッシュタイムとも7番手止まり(脱輪2本で11位)となるが、続くラス前ゼッケンの佐藤も中間ベストを刻みながら痛恨のホイールスピンで4番手。この瞬間「最後は本当にダサい終わり方でしたけど、ここまでシーズン4勝だから文句なしです」と、高江が沖縄県民初となる全日本4輪チャンピオンを獲得。そして最終走者の澤平直樹(YHボレロクスコインテグラ)がターン3でコースオフを喫した瞬間に、シュンの全日本初優勝が決まった。

 PN1クラスでは1番ゼッケンで走った近畿の大ベテラン、多田安男(藤井Eng借物BRロードスター)が久々の優勝。山野哲也がジムカーナ・アジアカップ参戦のため欠場したPN2では稲木亨(DLレイズWmaxT2R124)がアバルト124での初優勝をマーク。PN3はユウ(BSエボitzz NTL 86)がスーパーベストを叩き出して8連勝を決めた。

 SA1では安木美徳(BSスノコATSシビック4F4)が悲願の全日本初優勝。SA3は西森顕(BSレイズペトロナスCSNSX)が今季3勝目をマークし、SA4は満点王者を決めている津川信次(DL☆itzz☆URGランサー)がオーバーオールウィンのタイムを刻んで完勝。SCは9度目の王座を決めている西原正樹(アクアBSリコーセインプレッサ)が有終の美を飾った。

PN1はかつてFFスペシャリストとして名をはせた大ベテラン多田安男がロードスターで復活の勝利。
PN2は関東のテクニシャン、稲木亨が124スパイダーでは初の優勝をもぎ取った。
PN3ではユウが連勝記録を8まで伸ばしてシーズンを終えた。
PN4は茅野成樹が最後の最後で大逆転。タイトルを守った。
SA1はこれまでオフィシャルを務めるなど縁の深い鈴鹿の地で安木美徳が待望の全日本初優勝。
SA2はユウの一番弟子とも言える若手シュンが全日本初優勝の快挙を達成。
SA3は西森顕がシーズン3勝めを上げてNSXの速さ健在をアピール。
SA4はチャンプ確定済みの津川信次がオーバーオールウィンを達成。
SCでも前戦でタイトル確定の西原正樹が有終の美を飾った。
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