第8戦今庄で完全勝利のPN1山崎利博が6年ぶり4度目のタイトル確定!
2018年9月7日
全日本ダートトライアル選手権第8戦今庄大会で、上野倫広とのシリーズ争いを完全勝利で制した山崎利博が、自身4度目となるタイトルを確定させた。
2018年JAF全日本ダートトライアル選手権第8戦「Super Trial in 今庄」
開催日:2018年9月1~2日
開催地:オートパーク今庄(福井県南越前町)
主催:SHALET、FASC、CCST
全日本ダートトライアル選手権は7戦を終えて終盤戦を迎えた。第5戦モーターランド野沢では、N1の岡翔太(フォルテックDL杉尾インテグラ)とDの谷田川敏幸(ADVANトラストクスコWRX)、第7戦京都コスモスパークでは、N2の北條倫史(DL itzz NUTECランサー)とSA1の小山健一(A DLベリティーMSシビック)、SA2の鎌田卓麻(itzzオクヤマDL栗原WRX)が2018年タイトルを確定させている。
第7戦終了時点でPN1とPN2、SC1、SC2がタイトル未確定。中でも、PN1の山崎利博(itzz鳥居DL TACスイフト)と上野倫広(DL田中自Lub BRGスイフト)、PN2の宝田ケンシロー(YH KYB abオクヤマスイフト)と細木智矢(MJT DL SPM WMスイフト)、そしてSC1の山崎迅人(YHゲンシンMAXミラージュ)と奥村直樹(Kone YHトラストセリカ+1)は、それぞれ直接対決となっており、福井県のオートパーク今庄で開催された第8戦は、シリーズチャンピオンを賭けた最終決戦の場となっていた。
今庄の決勝コースは、昨年のレイアウトに似た1分30秒を超える設定。ゴール手前には2つの島を使った大きな8の字セクションが新設され、今大会の攻め所となっていた。
大会直前に列島を襲った豪雨の影響で、例年よりもウェット傾向で始まった今大会。レースウィークも曇り空から始まったが、決勝日には太陽が顔を出してくれた。
良好な路面を走れることで定評がある今庄。タイトル確定の大一番ということで、全国から150台ものエントリーを数え、決勝日には多くのギャラリーも駆け付けた。
第7戦までに2勝を分けているPN1の山崎利博と上野倫広。今シーズンのPN1は、もはやベテランと言える2人のスイフト使いによるチャンピオン争いとなっていた。
ポイントリーダーの山崎に対して、シリーズ2位で14点差を追いかける上野は、今庄を勝たないと後がない。山崎は中部地区、上野は近畿地区出身ということで、両エリアにまたがる今庄は2人にとってホームコース。それぞれの意地と名誉を賭けた戦いが始まった。
第1ヒート。山崎は中間計測でベストタイムをマークして、1分39秒412の暫定トップタイムでフィニッシュした。対する上野は中間でコンマ5秒差の2番手。後半ではタイムを詰めたものの、約コンマ2秒差の2番手でゴール。第2ヒートでの逆転を誓った。
第1ヒート後半で日照が強まり、第2ヒートは良好なドライ路面が望めそうだ。しかし、最初にスタートするPN1は、超硬質ドライタイヤが使えるまでには乾いていない。それでも、PN1は前半ゼッケンから大幅なタイムアップを果たして”2本目勝負”となっていた。
山崎は中間計測で自己タイムを約1.7秒更新。それまで工藤清美(工藤ホンダDLワコーズフィット)が1分36秒678で暫定ベストを刻んていたが、工藤のタイムをコンマ5秒以上更新する、1分36秒056というベストタイムでフィニッシュした。
最終走者の上野。中間計測は山崎から約コンマ7秒遅れで後半に入る。渾身の走りで計測したタイムは1分37秒072。山崎には約1秒離された3番手タイムに留まった。
この結果、山崎が2ヒートともベストを奪って完全勝利。上野とのチャンピオン争いも制して、2012年以来、PN部門では初となる、自身4回目の全日本タイトルを確定させた。
「やられた……。しかも勝って決められるとは……」とうなだれる上野。対する山崎は、車両を貸与してくれている鳥居晴彦選手に感謝の意を表しながらこう語った。
「残り2戦で上野選手が勝つと逆転されるので『ここでしっかり勝たないと!』と思ってました。今庄での全日本は8回目です。コースオーナーの平澤さんにはいつもお世話になってますし、皆さんも『山崎は地元だから勝ってるよね』というイメージをお持ちです。でも、実は今まで一度も今庄で勝ったことがないんです(苦笑)。なので、どうしても勝ちたかった。今年は乗り方も変えたし、しっかりと練習もできた。本番の走りも納得の出来でした。でも、ホントに勝てるとは思わなかった、というのが正直な思いです(笑)」。
PN2では、細木智矢が圧倒的なタイム差を付けて優勝。宝田ケンシローは失意の2位に終わり、シリーズ順位は何と細木が逆転。最終戦タカタでは、宝田が優勝しても有効同点チャンピオンということで、一縷の望みに賭けた宝田の逆襲に期待がかかる。
SC1は、奥村直樹が3番手に留まり、最終走者の山崎迅人が後続を約2秒引き離すFWDオーバーオールタイムを叩き出して優勝。SC1連覇を確定させた。
SC2は田口勝彦(HKS・YH・テインランサー)が第2ヒートで逆転優勝。梶岡悟(DL・レイズ・ingsランサー)は、田口からコンマ5秒差の2位でタイトル争いに踏み留まり、地元の最終戦タカタで、有効1ポイント差の逆転勝利に挑む展開となっている。
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