牧野任祐、14番手スタートから大逆転でFIA-F2初優勝

レポート レース

2018年9月6日

F1と同時開催されるFIA-F2に今季から参戦を開始した牧野任祐が、イタリア・モンツァサーキットで開催された第10戦レース1で待望の初優勝を獲得した。

 9月1日、イタリア・モンツァサーキットで行われたFIA-F2第10戦レース1で、今季から同シリーズに参戦する牧野任祐(まきの・ただすけ/ロシアンタイム)が初優勝を飾った。F1直下のカテゴリーで日本人ドライバーが優勝するのは、昨年の第14戦ハンガリーでの松下信治(ARTグランプリ)以来の快挙で、昨年から欧州に活動の場を移した牧野にとっても、記念すべき国外のレースでの初優勝となった。

 抜群のスタートを決めた牧野はオープニングラップで14番グリッドから8番手まで浮上。スーパーソフトタイヤでスタートした上位陣が予想外のタイヤの磨耗に苦しむ中、ミディアムタイヤでスタートした牧野は4周目には3番手に、そして6周目にはトップに浮上。残り3周でソフトタイヤにチェンジした後も首位でレースに復帰、チームメイトのアルケム・マルケロフを従えてトップチェッカーを受けた。

 「走っている最中は、チームが順位を教えてくれなくて、こちらも聞かなかったので、最終ラップで『なんでマルケロフが、僕の後ろにいるの?』って聞いたら、初めてトップだと教えてくれたんです(笑)。とにかく今日はペースを維持することだけに集中しました。スタートがとてもよかった。それが一番大きかったですね」と牧野。チェッカー後のクーリングラップでは、感激のあまり、「見たか!」と日本語で雄叫びを上げる様子が公式サイトにアップされている。

 牧野は大阪府出身の21歳。全日本カート選手権で活躍後、2014年からフォーミュラにステップアップ。翌年、JAF-F4で東西両シリーズを制し、この年から始まったFIA-F4でもシリーズ2位を獲得。全日本F3を経て昨年はヨーロッパF3選手権に参戦した。同じくホンダのサポートを受け、FIA-F2に参戦する福住仁嶺とともに、いま最もF1に近い日本人ドライバーの一人と言われている。若き二人の活躍を期待したいところだ。

今季の最上位は第6戦レース2で獲得した6位。初の表彰台がいきなりの真ん中となった。
ページ
トップへ