“新装”なった真夏の祭典、「鈴鹿10時間」はメルセデスの1-2フィニッシュ

レポート レース

2018年8月30日

8月24~26日に第47回サマーエンデュランス 『鈴鹿10時間耐久レース』(SUZUKA 10H)が、鈴鹿サーキットで開催され、メルセデスAMGが1-2フィニッシュを遂げ、海外からの遠征組がトップ4を占めた。迎え撃つ日本勢ではGOOD SMILEの#00 メルセデスAMGが最上位の5位でゴールした。

 昨年まで”鈴鹿1000km”として8月の最終週に開催されていた真夏の耐久イベントが大きく衣替えし、欧米のGTレースでのスタンダードであるFIA GT3車両を中心とした、SUPER GT/GT300クラスに参戦するJAF GT車両も参加できる長時間耐久レースとなった。インターコンチネンタルシリーズの第3戦としてカウントされたこともあり、海外から21台、国内から14台の計35台が優勝賞金3,000万円を争った。

 23日には鈴鹿市内の公道を使用してGTマシンのパレードが行われる予定だったが、あいにく台風20号の影響により大雨警報が発令されたため、パレードと公開車検、さらにはドライバートークショーといった事前イベントが中止になったのは残念だった。

 台風が去った24日は練習走行が行われ、コントロールタイヤであるピレリタイヤを初めて履く日本チームは、セットアップに余念がなかった。25日にはQ1(ドライバー3名のベストタイム合算)、Q2(トップ20予選=結果的に24台が出走)が行われた。ここで台湾のHubAuto Corsaの#28 フェラーリ488がポールポジションを獲得。ピレリタイヤを履き慣れた海外勢が上位8台を独占した。

 10時間の決勝レースは残暑厳しい26日の朝10時過ぎにスタート。序盤はポールシッターの#28 フェラーリがトップを守ったが、スタート手順に違反があったとしてドライブスルーのペナルティを受けることに。これで香港のGruppeM Racingの#888メルセデスと、アメリカのSun Energy 1 Racingの#75メルセデスによるトップ争いがまず繰り広げられた。

 レースも3時間を迎える頃、130Rで大きなアクシデントが発生し、FCY(フルコースイエロー)という状況に。さらにその7分後にはセーフティカー(SC)が導入される。この間にほぼ全車がピットインを済ませ、順位には大きな変動はなかったが、これでトップと同一周回の車両が18台となり、優勝争いはこの時点で事実上、参加台数の半分に絞られる形となった。

 レースはやがて#888メルセデスが常にリードを保ち始め、そのまま10時間を走り切って20時過ぎにトップチェッカー。各メーカーのワークスドライバー格を集めたチームが活躍を見せる結果となった。ピレリタイヤとのマッチングに苦戦した日本勢では、#00メルセデス(谷口信輝/片岡龍也/小林可夢偉)が5位ゴールで、アジア人2名以上を起用したチームに贈られる”アジア賞”1位となった。

栄えある鈴鹿10H初代ウィナーに輝いたTeam GruppeM Racing(T.Vautier/M.Engel/R.Marciello)のメルセデスAMG GT3。
日本勢最上位の5位に入ったTeam GOOD SMILEメルセデスAMG GT3(片岡龍也/谷口信輝/小林可夢偉組)はアジア賞1位を獲得した。
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