北條倫史ランサー、気迫の走りでタイトルを手繰り寄せる大逆転V

レポート ダートトライアル

2018年8月3日

全9戦で争われる2018全日本ダートトライアル選手権もいよいよ終盤戦に突入。台風に翻弄されウェットコンディションで始まった一戦は、今回も各クラスでドラマが生まれた。

JAF全日本ダートトライアル選手権第7戦 TRIAL KYOTO
開催日: 2018年7月28~29日日
開催地: 京都コスモスパーク
主催: チームサンダース

 第7戦の会場は、全日本戦では7年ぶりとなる京都のコスモスパークで、近畿勢にとっては久々の地元コースでの決戦となる。開催日となった7月29日の近畿地方は、折しも台風11号の通過と重なり、開催がかなり危ぶまれたものの、決戦当日の夜が明ける頃には運良く暴風雨圏から脱出、事なきを得て予定通り全車2本ずつのタイムトライアルで競技がスタートした。

 台風一過。雨は上がったものの第1ヒートスタート時は完全なウエットコンディションだ。その後も、晴れたと思えばにわか雨が降る不安定な空模様が続き、第2ヒートに入っても路面は思うように回復せず、ぬかるんだ路面に足を取られ、タイムを落とす選手が相次いだ。

 6名の全日本チェンピオン経験者が名を連ねる注目のPN2クラスは、細木智矢(MJTDLSPMWMスイフト)がヒート1に2位の宝田ケンシロー(YHKYBabオクヤマスイフト)を2秒近く引き離すタイムをマークして圧勝、チャンピオン争いが一段と面白くなってきた。N2クラスは、これまた上位陣の大半がヒート1のタイムを超えられない中、ヒート2に奇跡のタイムアップを果たした北條倫史(DLitzzNUTECランサー)が2位の岸山信之(itzz☆DLルーカスランサー)を土壇場でうっちゃり、優勝をゲット、この時点でシリーズチャンピオンを確定した。

 SA1クラスはこれまで3勝を挙げている小山健一(A DLベリティーMSシビック)が、前戦の野沢決戦で引き戻した流れに乗って今回も勝利し、こちらもシリーズチャンピオンを決めている。一方、ディフェンディングチャンプの山崎迅人(YHゲンシンMAXミラージュ)と奥村直樹(KoneYHトラストセリカ+1)が激しく競り合うSC1クラスは、奥村がヒート2途中、痛恨のマシントラブルで戦線離脱。前戦に続いて山崎が勝利を収め、シリーズチャンピオンに王手をかけた。SC2クラスは、乾き始めた路面を見越し、ヒート2でドライ用タイヤを選んだ田口勝彦(HKS・YH・テインランサー)がヒート1トップの梶岡悟(DL・レイズ・ingsランサー)を上回るタイムをマークし逆転。今回こそ優勝か、と思われたが最終出走の梶岡が再度、田口を上回るタイムを叩き出し今期3勝目。大ベテランがシリーズチャンプの可能性を死守する鬼神の走りを見せた。

PN1クラスは山崎利博がベテランの強みを見せて第3戦に次ぐ2勝めをマーク。
PN2は細木智矢が宝田ケンシローの3連勝を食い止めた。流れを引き寄せられるか。
N1はタイトル確定済みの岡翔太がホームコースで快走を見せた。
N2はタイムアップが難しい状況でミラクルな走りを見せた北條倫史が優勝。
SA1は過去JAFカップで優勝を飾るなどこのコースと相性のいい小山健一が優勝。
SA2は得意のウェット路面で快心の走りを見せた黒木陽介がクラス初優勝。
SC1は地元の山崎迅人がホームコースは譲らず、3連勝と勢いに乗ってきた。
SC2はディフェンディングチャンプの名手、梶岡悟が再逆転で今季3勝めを獲得。
Dは谷田川敏幸が宮入友秀、目黒亮の若手2台を抑えて逆転優勝をさらった。
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