第6戦野沢で5勝目獲得の谷田川敏幸が早くも2018年のタイトル確定!

レポート ダートトライアル

2018年7月18日

今年は全9戦の全日本ダートトライアル選手権で開幕3連勝を挙げたD部門谷田川敏幸が、第5戦門前&第6戦野沢の連勝で早くもタイトルを確定させた!

2018年JAF全日本ダートトライアル選手権第6戦「NOZAWAダートトライアル」
開催日:2018年7月7~8日
開催地:モーターランド野沢(長野県野沢温泉村)
主催:ROAD-KNIGHT、RT-はと車

 今シーズン2回目の関東ラウンドとなる全日本ダートトライアル選手権第6戦。シーズン折り返しとなった今大会は、長野県にあるモーターランド野沢で開催された。

 昨年は灼熱の戦いとなった同大会だが、今年は西日本から東日本に停滞した、活発な梅雨前線の影響により、特に西日本では大雨災害に見舞われる事態となっていた。しかし、会場がある長野県北部では前線の影響は少なかったこともあり、西日本の交通の混乱により土曜の公開練習に間に合わない参加者もいたが、予定通り開催されることになった。

 土曜はにわか雨に見舞われたが、決勝が行われる日曜は朝から曇り空。局地的な雨予報も出ていたが、第1ヒート中盤から青空が顔を出し、エントリーは139台を数えた今大会は、第2ヒート中盤までは良好なドライ路面での戦いとなった。

 シリーズが全9戦に増えた今年の全日本ダートラだが、多くのクラスは有効得点がベスト6戦分となっている。そのため、第5戦までで今シーズン連勝を挙げている選手にとっては、第6戦野沢ラウンドはタイトル確定の瞬間が訪れる重要な一戦となった。

 昨年は開幕4連勝していたにも関わらず、地元関東の野沢ラウンドで2017年タイトルを確定できなかったD部門の谷田川敏幸(ADVANトラストクスコWRX)。今年は開幕3連勝に続いて第5戦門前を勝利して、”シーズン4勝”を引っさげて、再び野沢で2018年D部門タイトル確定の局面を迎えていた。

 今年の野沢は、第1ヒートはウエット路面からのスタートとなり、SA2が出走する頃には砂塵が上がり始め、D部門の出走時にはドライコンディションとなっていた。

 新潟の若手、目黒亮(スコーチDLオクヤマランサー)が1分33秒708で暫定ベストを計測し、続くシード勢は1分34秒台で推移したが、第6戦門前では直前の車両トラブルで参加できなかった広島の川崎勝己(MJトレーディングYHランサー)が1分33秒660で暫定ベストを塗り替えていた。

 最終走者の谷田川は、いつもの豪快なアクションでマシンの向きを変え、タイトな野沢のコーナー群を駆け抜けて、最終コーナーでは、恒例のリアバンパー破壊を1本早く披露してフィニッシュ。1分32秒661を叩き出し、後続を約1秒離して暫定トップに立った。

 第2ヒートは、SA2辺りまではドライ路面が維持されたが、SC1の出走時には弱い雨が降り出し、SC2では自己タイムの更新が叶わない状況となっていた。D部門でも同様で、時折強く降る気まぐれな雨は、出走ギリギリまで選手のタイヤ選択を悩ませた。

 最終的には1本目と同じドライタイヤで出走した谷田川。攻めのチョイスで挑んだ亀田幸弘が1分33秒659を叩き出して暫定ベストに肉迫したものの届かず2番手。最終的には1本目と同じドライタイヤで出走した谷田川も、1分33秒773でタイムダウン。この結果、第1ヒートのタイムで谷田川が優勝。6年連続、自身15回目のタイトル確定となった。

「ウネリがあるし砂利もあるし、いつもの野沢という感触だったけど、硬質路面が多かったかな。1本目はドライタイヤで確実にタイムを出す走りで、2本目は超硬質ドライタイヤにしたかったんだけど、雨が降ってきちゃったので直前まで凄く悩んだよね。雨も強くなってきたし、路面も”黒く”なってきたので、最終的にはドライタイヤで行ったけど、走った感触としては超硬質ドライタイヤでも良かったかもね。でも、205サイズになってからは超硬質ドライの領域でもイケるから、1本目はそれが生きた感じだね」とは谷田川だ。

 PN1はサスペンションのセッティングに開眼した上野倫広が第2ヒートの大逆転で今季2勝目。PN1シリーズ2位を堅守した。

 PN2は第1ヒートトップの細木智矢(MJT DL SPM WMスイフト)がスローダウン。快走した宝田ケンシロー(YH KYB abオクヤマスイフト)が河石潤(モンスタースポーツDLスイフト)を僅差で破って今季3勝目を挙げた。PN2のタイトル争いは、宝田、細木、川島秀樹(DLネッツSPORTヴィッツT)の順で、この3名に絞られた。

 N1は第2ヒートで古沢和夫(YHターマックテインミラージュ)を逆転した岡翔太(フォルテックDL杉尾インテグラ)が今季5勝目。自身2度目のN1タイトルを確定させた。

 地元関東勢が躍進したN2は、好調の北條倫史(DL itzz NUTECランサー)を抑えた信田政晴(HK itzzオメガDLランサー)が久々の優勝を飾った。この結果、N2のタイトル争いは北條、信田、岸山信之(itzz☆DLルーカスランサー)、伊藤久(RZ DLフォルテRACランサー)の順で4名による戦いとなった。

 SA1は小山健一(A DLベリティーMSシビック)がスーパーベストで今季3勝目。SA1のタイトル争いは小山、稲葉幸嗣(メープルFORT DLインテグラ)、浦上真(DL☆VT☆MSPインテグラ)、崎山晶(DLスピードハートTgアクセラ)の順で4名に絞られた。

 SA2は鎌田卓麻(itzzオクヤマDL栗原WRX)が不調を覆して逆転優勝。これでSA2のタイトル争いは北村和浩(HKサービスDLランサーMJT)との一騎打ちとなった。

 SC1は山崎迅人(YHゲンシンMAXミラージュ)が逆転勝利。奥村直樹(Kone YHトラストセリカ+1)、山崎、佐藤秀昭(KITくす子YHインプレッサ)、坂田一也(itzz DLグローバルアクセラ)の順で4名の戦いとなった。SC2は磯貝雄一(MJT ZEAL DLランサー)が昨年の野沢ラウンド以来の優勝を飾り、SC2シリーズ4番手に急浮上している。

第1ヒートで後続を約2秒引き離すオーバーオールタイムを叩き出したD部門の谷田川敏幸が今季5勝で15回目のタイトルを確定させた。
勢いに乗る山崎利博の2勝目を僅差のベストで止めたのはPN1上野倫広。第2戦恋の浦以来の2勝目でPN1シリーズ2位を堅守した。
PN2は第1ヒートでベストを刻んだ細木智矢を逆転した宝田ケンシローが連勝。3勝目を挙げてシリーズ首位のリードを大きく広げた。
第2ヒートで見せた古沢和夫の激走をコンマ4秒差のベストで制したのはN1岡翔太(左)。今季5勝で自身2度目のN1タイトルを確定!
N2北條倫史の4連勝を止めたのは、関東の信田政晴。超高質ドライ路面を丁寧に走って2016年第6戦丸和以来の勝利を獲得した。
地元長野の飯島千尋を1秒以上引き離して今季3勝目を挙げた関東の小山健一。レディスドライバーの平澤宏美がSA1で3位入賞の快挙!
第1ヒートの不調を覆す、超高質ドライ路面で精緻な走りを見せたSA2鎌田卓麻が3連勝。SA2では初のタイトル獲得にリーチを掛けた。
天候急変で雨模様となったSC1の第2ヒート。悪条件を物ともせず2位を2秒引き離す仰天タイムを叩き出した山崎迅人が逆転優勝した。
第2ヒートはウエット路面となったSC2。第1ヒートで暫定ベストの磯貝雄一(左)が逃げ切り、昨年の野沢ラウンド以来の今季初勝利を挙げた。
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