ラリー

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2018-07-18
JN2長﨑雅志/秋田典昭組がサバイバルラリーを制して全日本2勝目!

 

今季から全日本ラリーJN2にシリーズ参戦する名古屋トヨペットNAVULの長﨑/秋田組が「ラリーカムイ」のグラベルを制して今季2勝目を飾った!

 

2018年JAF全日本ラリー選手権第6戦「ARKラリーカムイ」
開催日:2018年6月29日~7月1日
開催地:北海道虻田郡ニセコ町周辺
主催:TEAM ARK

 

 今年の全日本ラリー選手権は、第4戦以降がグラベルラリー5連戦となっている。中でも北海道の道央西部で開催されるTEAM ARKの大会は、秋の「ラリー北海道」の前哨戦といった意味合いも強く、良好なグラベルを走れるラリーをして人気を博してきた。

 

 そして今シーズンの大会は、昨年までは洞爺湖町をベースとしていた「ラリー洞爺」から、ニセコ町や蘭越(らんこし)町、倶知安(くっちゃん)町や真狩(まっかり)村を舞台にした第6戦「ラリーカムイ」へと生まれ変わり、新たなステージも加わっていた。

 

 この大会には、オープンクラス1台を含めた56台ものエントリーを集めたが、ラリーウィークの金曜は雨模様。土曜は曇り空から晴天に恵まれたが、日曜は再び雨に見舞われてしまう。変わりやすい天候に翻弄されながら、選手たちはスタートゲートを後にした。

 

 JN2では開幕戦のスノー路面の嬬恋ラウンドこそ不成立となったが、続く舗装の第2戦唐津は2017年チャンピオン明治慎太郎/北田稔組(Sammy☆K-one☆ルブロスYH86)が制し、同じくターマックの第3戦丹後は鈴木尚/鈴木裕組(スマッシュDL itzzコマツBRZ)がJN2初優勝を飾るなど、レギュラーメンバーによる戦いで幕を開けた。

 

 ところが、グラベル5連戦が始まった第4戦久万高原では、明治/北田組が脱落。戸塚和幸/北村飛翔組(AKR KUMHO ECSTA BRZ)も中盤でリタイアとなり、今年から全日本ラリーにシリーズ参戦する名古屋トヨペットNAVULの長﨑雅志/秋田典昭組(名古屋トヨペットNAVUL 86)が、全日本挑戦3戦目にして初勝利をモノにした。

 

 そして第5戦モントレーではベテラン加納武彦/横手聡志組(ALEX・KYB・YH・東京スバルBRZ)が僅差の戦いを制してこちらも全日本初優勝。シリーズ折り返しの第5戦までに、ニューカマーを含めた4名ものウィナーが誕生する混戦模様となっている。

 

 しかし、シリーズポイントでは、グラベルでは高ポイントが得られる第4戦の勝者である長﨑/秋田組が初の首位に立ち、第5戦終了後には3位で終えた明治/北田組が奪還。

 

 タイトル争いはこの2クルーによる戦いが白熱しており、第6戦カムイでは明治/北田組と長﨑/秋田組が揃ってエントリーして、北の大地で直接対決の構図となった。

 

 ラリー初日のレグ1は、7本のステージの戦い。5.49kmのSS1では長﨑/秋田組が明治/北田組をコンマ4秒引き離すベストを奪う。リピートステージでは明治/北田組がベストを奪い返すも、レグ1では長﨑/秋田組が4本、明治/北田組が3本のベストを分け合い、レグ1は長﨑/秋田組が3.7秒差の首位で折り返した。

 

 ラリー2日目のレグ2には4本のSSが設けられ、中でも22.91kmのロンググラベル「オーキッド」をリピートする2日目の設定は、今大会の天王山と目されていた。

 

 早朝から雨に見舞われたレグ2。オープニングステージはいきなり22.91kmを走破する設定だ。このステージは浅いワダチのフラットダートが基本だが、道の脇には側溝もあり、短い舗装区間や、砂利や泥など土質の異なるグラベル、深いワダチが刻まれたコーナーなど、グラベルラリーに登場するあらゆる路面が1本に凝縮された難所となっていた。

 

 そして、逆転を誓った明治/北田組はステージ序盤でコースオフ。脱出不能となってリタイアとなってしまった。ここでJN2は長﨑/秋田組が単独走行となったため、完走すれば勝利が転がり込む状況だが、レグ2はあと3本あり、22.91kmはもう1本残っていた。

 

 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ出身の長﨑/秋田組にとっては、全日本という大舞台での戦い方はもちろん、ロンググラベルの経験も浅い。ライバル不在となってしまったSS9以降も、まったく気の抜けない状況となっていた。

 

 にも関わらず、長﨑/秋田組は22.91kmのリピートステージでは自己タイムを大幅にアップ。最終ステージも無事駆け抜けて、ニセコのサービスパークに帰ってきた。
「レグ2は明治さんが先のスタートだったので、眼の前で止まっている姿を確認しました。それで、サービスパークに帰ることが大切、という考えに切り替えました。ロングのSSは目まぐるしく路面が変わる道で、舗装でも泥が出てたり、グラベルとの境目が分かりにくかったりしてました。グラベルではとにかく路面のワダチを外さず、判別しにくい路面状況でも、一つ一つ確認しながら丁寧に走ることを心掛けて、無事帰って来られました」

 

 と語る長﨑。彼が長く戦ってきたTGRラリーチャレンジは、走行距離こそ短いが、手練たライバルとの秒差の戦いは日常茶飯事。大舞台でも自分の置かれた状況を見つめて、冷静な判断でサバイバルラリーを制して、全日本ラリーで大きな2勝目を挙げた。

 

 この結果、係数1.5の「36ポイント」を獲得した長﨑は、デイポイント「2ポイント」しか獲得できなかった明治を大きく引き離して、JN2単独首位に立つことになった。

 

 JN6では、新井敏弘/田中直哉組(富士スバルAMS WRX STI)が鎌田卓麻/市野諮組(itzz DL SYMS WRX STI)を逆転してグラベル3連勝。JN5は、生き残った横嶋良/木村裕介組(DUNLOP CUSCOプジョーR2)が2016年以来の優勝。

 

 JN4は、上原淳/漆戸あゆみ組(DL・シャフト・KTEC・タイプRユーロ)が2連勝で今季2勝目。JN3は、天野智之/井上裕紀子組(豊田自動織機・DL・ヴィッツ)が今年も全勝街道をひた走る5勝目。JN1は、古川寛/廣田幸子組(スマッシュitzzインディゴDLスイフト)が、須藤浩志/新井正和(スマッシュBRIGコマツYHスイフト)との因縁の対決を制して今シーズン3勝目を挙げている。

 

JN2は明治/北田組のリタイアで完走1台となってしまったが、NAVULの長﨑/秋田組が粘りの走りで今季2勝目を挙げた。

 

雨のレグ2で2回のベストを叩き出したJN6新井/田中組が、レグ1首位の鎌田/市野組を逆転して今季3勝目、グラベル3連勝を獲得。

 

まさにサバイバルラリーとなったJN5。小濱勇希/馬場雄一組や眞貝知志/安藤裕一組のリタイアで横嶋/木村組が久々の優勝。

 

序盤で差を付けて、終始「オトナの走り」を披露したJN4上原/漆戸組が連勝した。サミー賞は曽根祟仁/大庭正璽組がゲット。

 

車両に不安を抱えながら11ステージ中8本でベストを刻んだJN3天野/井上組が優勝。今シーズン負けなしの5勝目を挙げた。

 

第5戦モントレーを制した須藤/新井組との一騎打ちに競り勝った古川/廣田組が今シーズン3勝目。グラベル2勝で首位に立つ。

 

蘭越町役場には大会期間中「蘭越ラリーパーク」が設けられて競技車両が通過。ケータリングや大会記念グッズ販売なども実施された。

 

アニメ『ゴールデンカムイ』のラッピングカーが000カーとして走行。全日本ダートラPN2を戦う和泉泰至がドライバーを担当した。

 

ラリーウィークはあいにくの曇り空だったが、晴天に見舞われたレグ1では地域のランドマークである羊蹄山が姿を見せてくれた。