石浦宏明との一騎打ちを制し、ニック・キャシディがスーパーフォーミュラ初優勝

レポート レース

2018年7月12日

7月7~8日、全日本スーパーフォーミュラ選手権の第4戦が富士スピードウェイで開催された。目まぐるしい天気の中で行われた予選でポールポジションを獲得したニック・キャシディ(ORIENTALBIO KONDO SF14)が、決勝も完璧にレースをリードし、自身初勝利を挙げた。

ニック・キャシディはスーパーフォーミュラ初優勝。近藤監督と勝利の喜びを分かち合う姿が印象的だった。

2018年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦
開催日:2018年7月7~8日
開催地:富士スピードウェイ
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C

 全日本スーパーフォーミュラ選手権は、第3戦から1か月以上のインターバルを挟んで、シーズン折り返しとなる第4戦富士スピードウェイの開催となった。レースウィークが始まる前の7月4~5日には、来季より導入される新型マシン「SF19」のシェイクダウンも行われたが、ここ数日は全国的に大雨が猛威を振るい、サーキット周辺も雨と強風に見舞われていた。

 7日の公式予選は、Q1がドライ→ウエット、Q2はセミウエット、そしてQ3はコースインと同時にフルウエットと、目まぐるしくコンディションが変わり、各チーム、ドライバーを悩みに悩ませた。

 Q3ではコースインの際にウエットタイヤを装着していた中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM'S SF14)が一番にアタックタイムを記録するが、早いタイミングでスリックタイヤからウエットタイヤへと履き替えたキャシディがチェッカーフラッグを受ける周に逆転し、自身2度目のポールポジション獲得を果たした。2番手にはランキングトップの山本尚貴(TEAM MUGEN SF14)、3番手には石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)がつけた。

 ドライコンディションで行われた決勝レースは、ポールポジションから順当なスタートを切ったキャシディと、山本をかわし2番手に上がった石浦との一騎打ちに。2台は他のマシンよりも約1秒速いペースで序盤の周回を重ね、3番手以降を一気に引き離した。

 両者はほとんどギャップも変わらずにレースの半分以上を消化。他のマシンが続々とピット作業に向かう中、先に動いたのはキャシディで、35周を終えてピットイン。石浦はその間に猛チャージし、40周を終えてピットに向かったが、タイヤ交換後の再スタートでギヤが入りにくいアクシデントが発生し、逆転叶わず。

 残りの周回数も完全にキャシディがレースをコントロールし、トップチェッカー。参戦2年目にしてスーパーフォーミュラの初優勝を挙げた。KONDO RACINGにとっても10年ぶりの記念すべき勝利となった。

 3位には、予選8番手から早めのピット作戦で順位を上げた国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)が入り、2台揃って表彰台を獲得したJMS P.MU/CERUMO・INGINGはチームランキングでも3位に浮上した。ドライバーランキングでは、8位フィニッシュで1ポイントを獲得した山本がシリーズトップを死守。キャシディが1ポイント差で山本を追いかけている。

石浦は今季初の表彰台を獲得。ギヤトラブルに見舞われたものの、キャシディにあと一歩まで迫るレース展開を見せた。
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