PN1太田智喜、デミオ15MBに全日本ダートラ初優勝をもたらす!

レポート ダートトライアル

2018年6月25日

SA1からPN1に移行した広島の太田智喜が、スイフトスポーツ勢を押しのけて久々の優勝。愛機のデミオ15MBに全日本初優勝を贈った。

2018年JAF全日本ダートトライアル選手権第5戦「ダートスプリント in 門前」
開催日:2018年6月17日 開催地:輪島市門前モータースポーツ公園(石川県輪島市) 主催:Three-R

全9戦で争われる2018年全日本ダートトライアル選手権。折り返しとなる第5戦「ダートスプリント in 門前」が石川県にある輪島市門前モータースポーツ公園で開催された。
 このコースは、長いストレートとハイスピードコーナーに、アップダウンのある林道風セクションが組み合わされたコースで、ダートトライアルらしい豪快な走りだけでなく、テクニカルセクションにおける巧拙も問われるコースだ。
 梅雨明けに開催されることが多いこの大会。今年は梅雨真っ只中での競技となったが、大会当日は晴天に恵まれて、コースに砂塵が上がるドライ路面での勝負となった。
 PN1は排気量で100cc上回るZC32Sスイフトスポーツが有利となることが多く、エントリーもその大半を占めてきている。今シーズンのPN1は群雄割拠の様相で、4戦すべてでウイナーが違うものも、マシンはすべてスイフトスポーツだった。
 しかし、ここ門前では1本目をトップタイムをマークしたのは、デミオ15MBで奮闘する、広島の太田智喜(DLワコーズクスコデミオ508)だった。
 2本目になると、各選手とも一気にベストタイムを更新していく中で、太田も2秒以上タイムを縮めて、1分51秒721でライバルたちの走りを見守った。
 しかし、シード勢の追い上げは届かず、太田が逃げ切り優勝を飾った。そしてこれは、自身2015年以来、PN1に移行して初の優勝で、デミオ15MBの全日本初勝利となった。
「正直、デミオで勝てたのは驚きです。コース設定で細かいターンや島回りなどがあって、アドバンテージがあったのかなと思います」と語る太田。
 今季5人目のウイナーとして名乗りをあげた太田だが、デミオ15MBにも大きな可能性が秘められていることを示した功績は大きく、今年の鍵を握る存在になりそうだ。
 PN2は、宝田ケンシロー(YH KYB ab オクヤマスイフト)が逆転で今シーズン2勝目を獲得。N1では岡翔太(フォルテックDK杉尾インテグラ)が早くも4勝目を挙げた。N2は、北條倫史(DL itzz NUTECランサー)が復調の3連勝を獲得した。
 SA1は北陸期待のヤングドライバー、浦上真(DL☆VT☆MSPインテグラ)が全日本ダートラ初優勝で喜びを爆発させた。SA2はタイムアップが難しい2本目で逆転を果たした鎌田卓麻(itzz オクヤマ DL 栗原 WRX)が今シーズン3勝目をゲット。
 SC1は山崎迅人(YHゲンシンMAXミラージュ)が逆転で今シーズン初優勝を飾り、SC2は1本目のタイムで梶岡悟(DL・レイズ・ings ランサー)が逃げ切った。
 Dは前戦の砂川でシーズン連勝がストップした谷田川敏幸(ADVANトラストクスコWRX)だったが、しっかりと優勝を手にして、タイトル連覇に再スタートを切った。

フィットRSやCR-Zも存在感を増しているPN1。太田智喜のデミオ15MB初勝利により、今後は”勝てるマシン”選びが難しくなる!
PN2で今季2勝目を挙げた宝田ケンシロー。前戦スナガワでの雪辱を果たす快勝で、タイトル争いに大きく影響する一勝となった。
今年は快進撃を続ける若手期待のN1岡翔太が4勝目。苦手とする不安定な路面の攻略にも光明を見出せそうな、価値ある勝利だ。
緒戦の不調を覆す、怒涛の街道を進むN2北條倫史。苦しい状況ながら第1ヒートで逃げ切り3連勝。かつての強さが戻ってきた。
地元の中部勢が席巻したSA1では、鋭い速さを見せてきた期待の若手・浦上真が全日本初優勝。2位は石崎雄一、3位は佐藤靖朗。
”1本目勝負”の様相を呈する中で、唯一の1分42秒台に入れて逆転勝利した鎌田卓麻。今季3勝目でタイトル争いをリードする。
セリカの奥村直樹が好調のSC1。2017年チャンピオン山崎迅人が第2ヒートで逆転し、2WDオーバーオールタイムで優勝した。
1分42秒台のベストタイムでトップに立った梶岡悟。第2ヒートは走りが乱れ、第1ヒートのタイムで優勝。今季2勝目を飾った。
第1ヒートで大会オーバーオールタイムを計測したD谷田川敏幸。2本目では勝負に出たが失速。逃げ切りの優勝で4勝目を挙げた。
決勝コースレイアウト。後半の”北陸コーナー”が久々に使用され、安定しない路面コンディションに多くの選手が翻弄された。
全日本ダートラ門前大会でおなじみの、ウイナーだけに渡される”輪島塗カップ”。選手にとっては垂涎の賞典となっている。
恒例の全日本ダートトライアル選手会による同乗走行体験会が実施され、当選したギャラリーたちは笑顔で家路に就いた。
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