セーフティカーが勝負を分けたSUGO戦、山本尚貴選手がシーズン2勝目
2018年5月30日
5月25~27日、全日本スーパーフォーミュラ選手権の第3戦がスポーツランドSUGOで開催。初夏の陽気に包まれた中で行われたレースは、セーフティカー導入を味方につけた山本尚貴選手(TEAM MUGEN)が予選6位からの逆転優勝を飾った。
2018年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦
開催日:2018年5月25~27日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:株式会社菅生、SSC
2週間前の第2戦オートポリス大会が悪天候により中止となり、スーパーフォーミュラ選手権SUGO大会は実質的な2戦目となる。今回、FIA F2参戦のため欠場となる福住仁嶺選手に代わり、昨年のマカオF3を制したダニエル・ティクトゥム選手(TEAM MUGEN)がスポット参戦を果たした。
今シーズンは、ソフトタイヤで走行するのはこれが初めてということもあり、コースレコード更新にも期待が高まった。
27日の公式予選では、予想どおりソフトタイヤで争われるQ2からレコードタイムを上回るマシンが続出。最終的にQ3で野尻智紀選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が最速タイムを記録し、自身3度目のポールポジション獲得とともに、新たなコースレコードホルダーとなった。フロントローには小林可夢偉選手(carrozzeria Team KCMG)が並んだ。
決勝レースでは、フロントローの小林選手がハイペースで野尻選手を追い上げる展開。14周目には逆転に成功すると、そのまま独走態勢を築いた。しかし、17周目に後方で2台が絡む接触アクシデントが発生し、レースはセーフティカーが導入された。
このタイミングでピット作業に向かったのは、山本選手、塚越広大選手(REAL RACING)、中嶋一貴選手(VANTELIN TEAM TOM’S)の3台。塚越選手は2ピット戦略を採っていたため、最終的には後方に下がることになったが、これで山本選手が、ピット作業を終えたドライバーの中でトップとなった。
また、山本選手の後ろには全ドライバーの中で一番早く、5周目にピット作業を済ませていたニック・キャシディ選手(KONDO RACING)が付けていた。
24周目にレース再開。トップを走る小林選手はこの後でピット作業に入らなければならず、ピットロードを通過するための時間と合わせて、山本選手に対する大量のマージンを築かなければならなくなった。猛プッシュを続けた小林選手は43周目にピットインしたが、山本選手を抑えるだけのマージンはなく、ここで実質的にトップが入れ替わることになった。
そして、全車がピット作業を済ませた62周目に、山本選手が見た目上でもトップに立ち、残り6周を走破。開幕戦鈴鹿に続いてシーズン2勝目を飾った。2位には早めのピット作戦で予選11位から大幅ポジションアップしたキャシディ選手が入り、3位の中嶋選手は、今シーズン初表彰台獲得となった。
フォト/石原康、JAFスポーツ編集部