ARTA NSX-GTがホームコースでポール・トゥ・フィニッシュを飾る

レポート レース

2018年5月24日

前回の富士から僅か2週間ほどのインターバルとなった5月19〜20日、鈴鹿サーキットにおいて2018 SUPER GT第3戦が300kmレースとして開催された。GT500クラスは従来のコースレコードを2.755秒も短縮してポールポジションを奪った#8「ARTA NSX-GT」(野尻智紀/伊沢拓也組)が、最後まで速さを保ってトップチェッカー。またGT300クラスでも、コースレコードを塗り替えた#96「K-tunes RC F GT3」(新田守男/中山雄一組)が、タイヤ無交換組を逆転してポール・トゥ・フィニッシュ。新チームとなっての初優勝を飾った。

驚異的なPPタイムを叩き出して決勝でも盤石の展開を見せて今季初優勝を飾った野尻智紀/伊沢拓也組のARTA NSX-GT。

2018 SUPER GT Round3 SUZUKA GT 300km Fan Festival
開催日:2018年5月19~20日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:KSCC、SMSC、株式会社モビリティランド

 予選日は15mを超える西からの強風が吹いた鈴鹿。このラウンドはこれまで真夏の1000kmレースとして開催されていたこともあり、初夏で路面温度も低い今回はレコード更新には絶好のコンデイション。公式予選Q1ではGT500が15台すべて、GT300では11台が、これまでのコースレコードを更新した。

 そしてGT500では#8 NSX-GT、#100「RAYBRIG NSX-GT」(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)、開幕戦優勝の#17「KEIHIN NSX-GT」(塚越広大/小暮卓史組)とトップ3をNSX-GTが独占。GT300では#96 RC Fが初めてFIA-GT3車両として鈴鹿でポールを奪った。

 20日の決勝レースは、#8 NSX-GTが後続を10秒以上引き離し独走状態へ持ち込むが、13周目にクラッシュした車両があり、これを回収するためにセーフティカー(SC)ランとなり、#8 NSX-GTのマージンは一気にゼロになった。18周終了時点でレースは再スタート。24周と早めにピットインしたトップの#8 NSX-GTは、ピットワークも決まり暫定トップを堅守。

 中盤以降は#100 NSX-GTに追われる展開となったが、#8 NSX-GTは最後までトップを守り、逃げ切った。チームとしては昨年のSUGO以来、新コンビとしては初の優勝になる。#100 NSX-GTも2位チェッカーでNSX-GTが今季2度目の1-2フィニッシュ。2位が2回目の#100 NSX-GTがポイントリーダーに立った。3位は#1「KeePer TOM’S LC500」(平川亮/ニック・キャシディ組)が入賞した。

 GT300クラスでも#96 RC Fが序盤のうちに独走状態を築いたが、こちらもSCランでマージンを吐き出すことに。中盤のピット作業ではタイヤ無交換作戦を採る車両が多い中、きっちりタイヤ交換を済ませたこともあり順位を落としたが、5台によるトップ争いから38周目のシケインでついにトップを奪回。そのまま逃げ切り新チームとしての初優勝を遂げた。

 新田選手は通算最多勝数を「20」に伸ばしてこれまで単独トップだった高木真一選手に並んだ。2位に#25「HOPPY 86 MC」(松井孝允/坪井翔組)、3位には#61「SUBARU BRZ R&D SPORT」(井口卓人/山内英輝組)と、JAF GTマシンが表彰台の両端を占めた。

NSX-GT勢の速さが光った今回のGT500クラス。2位にも山本尚貴/ジェンソン・バトン組のRAYBRIG NSX-GT(写真左)が入り、今季2度目の1-2フィニッシュを達成した。
GT300クラスでもPPスタートのK-tunes RC F GT3が今季初勝利。ドライバーの新田守男選手は通算勝利記録で首位タイに並んだ。

フォト/皆越和也 レポート/JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ