WTCCに代わる新シリーズ、WTCRがスタート

ニュース レース

2018年2月28日

昨年、もてぎでも開催された世界ツーリングカー選手権(WTCC)が、装いを変えて新たなツーリングカーシリーズとして生まれ変わることになった。日本でも10月にJAFグランプリと併催で開催される予定だ。

シビックをはじめとするTCR車両が10月、世界中から鈴鹿に集結する。

 2005年から13年間続いた世界ツーリングカー選手権(WTCC)は昨年シリーズで終了。新たにTCR規定車両によるFIA世界ツーリングカーカップ(WTCR)が10ラウンド30戦で争われることとなった。また10月27~28日には、鈴鹿サーキットにおいてJAFグランプリが懸かる全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦と同時開催される。

 WTCCはBMW、セアト、シボレー、シトロエンといったメーカー系ワークスチームとプライベートチームが参戦し、テレビ中継に合わせた2つのスプリントレースを開催し、人気を集めたが、昨年参加したメーカーはホンダとボルボのみで、参加台数も10数台まで減っていた。そこでFIA(国際自動車連盟)は、WTCCに替えてプライベートチームによるTCRのワールドカップを導入することとした。

 TCRは2014年に構想が発表され2015年からヨーロッパを中心にシリーズがスタート。車両価格や参加費用を抑えたこともあり、プライベートチームに人気を集め、世界各地でシリーズが行われている。日本でも昨年、スーパー耐久にTCRクラスが設けられて、ホンダ・シビックやアウディRS3、フォルクスワーゲン・ゴルフが参戦して注目を集めた。

 TCR車両はFIA規定に合致しシリーズを統括するWSCに認められた車両をベースにしたもので、全長は4,200mmまで、全幅は1,920mmまでの4ドアもしくは5ドア車両。2リットルまでのターボエンジンを搭載した二輪駆動となる。今年2月に行われた性能調整(BoP)テストでは、ドライバーを含んだ車重が1,265kgとされた。

 BoPはウェイトを搭載したりブースト圧等で調整され、おおよそ350馬力程度の最高出力を発生する。なおコントロールタイヤは2019年まで横浜ゴムとなる。BoPテストにはホンダ・シビック、アルファロメオ・ジュリエッタ、アウディRS3、フォルクスワーゲン・ゴルフ、オペル・アストラ、ルノー・メガーヌ、セアト・レオン、ヒュンダイi30N、キア・シード、ラーダ・ペスタと11メーカーの車両が参加。今季は26台が参戦する予定となっている。

 レース形式は詳しく発表されていないが、1イベントで3レースを開催予定。年間カレンダーは全10戦中9戦のみが発表され、4月7~8日にマラケシュ(モロッコ)で開幕し、ヨーロッパ、南米、アジアを転戦し11月15~18日のマカオが最終戦。日本ラウンドは第9戦として10月27~28日に鈴鹿サーキットで行われる。

 いくつかのチームからはWTCC経験のあるドライバー体制が発表されているが、ホンダ・シビックを使用するブーツェン・ジニヨン・レーシングは、ティアゴ・モンテイロ選手とトム・コロネル選手の起用を発表している。10月の日本ラウンドでは、新たなツーリングカーレースの醍醐味を体験できるはずだ。

レポート/JAFスポーツ編集部

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