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飛騨高山の雨中決戦をJN6新井敏弘/田中直哉組が制す【全日本ラリー選手権第8戦岐阜レポート】

伝統のM.C.S.C.ラリーハイランドマスターズが全日本ラリー選手権第8戦として開催され、悪天候に翻弄されながらもJN6新井敏弘/田中直哉組が逆転勝利を飾った。

 

 今年で45回めを数える伝統の一戦「M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ」が、岐阜県高山市のモンデウス飛騨位山スキー場を中心に開催された。ラリーウィークの天候は雨予報となっており、辛うじて雨を逃れた金曜には新ステージ「御嶽」を含めた全11ステージのレッキが行われ、選手たちは今年も荒れ模様のラリーになることを予想していた。

 第7戦ラリー北海道でJN5クラスとJN3クラスでタイトルが確定しているが、展開によってはこの第8戦で各クラスのチャンピオンが決まる天王山となっていたため、オープンクラス1台を含めた合計42台に乗車したクルー達は、緊張の面持ちでスタートを切った。

 

約40秒のビハインドを取り返したJN6新井敏弘/田中直哉組(中央)が優勝。

約40秒のビハインドを取り返したJN6新井敏弘/田中直哉組(中央)が優勝。

 

 JN6クラスでは、福永修/齊田美早子組(555☆OSAMU・F☆DLランサー)が曇り空ながらウェット路面が残るDAY1から、3本のベストタイムを叩き出してトップを快走。しかし、序盤から2番手タイムを連発した勝田範彦/石田裕一組(ラックSTI名古屋スバルDL WRX)が、福永/齊田組の真後ろでしっかりマークしていた。

 SS2でベストを刻んだ新井敏弘/田中直哉組(富士スバルアライモータースポーツWRX)だったが、SS1でいきなりスローパンクに見舞われ約40秒のハンデを背負っていた。そして、奴田原文雄/佐藤忠宜組(ADVAN-PIAA ランサー)や鎌田卓麻/市野諮組(SYMS DL TEIN WRX STI)もトップ争いには絡めず、DAY1では福永/齊田組が総合首位、勝田/石田組が3.7秒差で2番手に付け、この2台が後続を大きく引き離していた。

 スタートと同時に降り出した雨の影響で、DAY2はウェット路面での戦いとなった。しかし、「駄吉」「青屋」と慣れたステージをループする行程のため番狂わせは起きないと思われた。ここで速さを見せたのは新井/田中組で、オープニングからベストを連発して猛追撃を開始した。ところが、2回めの「駄吉」ステージの中盤で、先頭走者の福永/齊田組と勝田/石田組が連続して足回りを破損。自走可能ではあったが、上位争いからは離脱してしまう。最終SS11を残して総合トップに立ったのは、奴田原/佐藤組だった。

 これで決まったかに思われたが、最終ステージで4.7秒差の2番手で迫っていた新井/田中組が、奴田原/佐藤組に8.7秒差を付けて大逆転する仰天の展開が待っていた。

 この結果、新井/田中組が今季3勝めを挙げ、奴田原/佐藤組が2位、鎌田/市野組が3位を獲得した。満身創痍でゴールした福永/齊田組は4位に残り、勝田/石田組は8位フィニッシュ。このため、勝田/石田組は第8戦でのタイトル確定を逃し、新井/田中組とのJN6クラスのチャンピオン争いを、最終戦新城に持ち越すことになった。

 

速さを見せつつ低迷していたJN4香川秀樹/澤田耕一組が今季ようやく初勝利。速さを見せつつ低迷していたJN4香川秀樹/澤田耕一組が今季ようやく初勝利。

 

 JN4クラスは、タイトル確定が掛かった曽根崇仁/桝谷知彦組(P.MU☆DL☆SPM☆INGING86)が序盤2ステージでベストを刻む。その後は、石川昌平/竹藪英樹組(ARTAオートバックス86)と香川秀樹/澤田耕一組(DLテインBRIG東京鋳造VTシビックR)、山本悠太/藤田めぐみ組(Sammy☆K-one☆ルブロスYH86)が上位争いを展開。石川/竹藪組が僅かにリードしていたが、最後の2ステージで連続ベストを叩き出した香川/澤田組が大逆転。嬉しい今季初勝利を獲得した。この結果、JN4クラスのチャンピオンが曽根/桝谷組にが転がり込むこととなり、JN4クラス2連覇を達成した。

 

須藤浩志選手がJN1クラス3位に入り、自身初の全日本タイトルを確定させた。

 

 JN1クラスでは、シリーズリーダーの須藤浩志/新井正和組(スマッシュBRIGダイニチコマツスイフト)に対して、古川寛/池田孝之組(スマッシュDLスノコ東光itzzスイフト)が不退転の思いで気合のアタックを見せた。DAY1は古川/池田組がSS1でベストを刻んだが、伊藤隆晃/大高徹也組(プレイドライブYHノートNISMO S)が3本のベストをマーク。古川/池田組もSS4のベストで応戦してDAY1をトップで折り返してみせた。ところが、DAY2オープニングのSS6で古川/池田組がハードクラッシュ。その後、DAY2でも5本のベストを奪った伊藤/大高組がJN1クラス全日本初優勝を獲得した。この結果、3位表彰台を獲得した須藤選手が自身初の全日本チャンピオンを確定。一足先にタイトルを決めた新井選手と並んで、2017年のJN1タイトルを確定させることになった。

 JN5クラスは、SS1で大きく遅れた川名賢/保井隆宏組(CUSCO ADVAN DS3R3 MAX)を横目に、今回から新体制で全日本に挑んできた大桃大意/小坂典嵩組(KYB DUNLOP DS3R3 MAX)がSS1でトップタイムをマークして存在感を見せた。SS2からは川名/保井組が連続ベストで追い上げを開始。大桃/小坂組も2番手タイムで追従したが、DAY2のSS7でコースオフによりストップしてしまう。この結果、このラリーで10連続ベストを叩き出した川名/保井組がJN5クラスを制することになった。

 JN3クラスは、すでに全日本タイトルを決めている天野智之/井上裕紀子組(豊田自動織機・DL・ヴィッツRS)がSS1から連続ベストを叩き出して11SS中10ステージを制覇。追いかける大倉聡/豊田耕司組(TGR Vitz CVT)と内藤学武/小藤桂一組(YH Moty's BRIG G4デミオ)を圧倒して、今シーズン全勝となる7連勝めをマークした。

 JN2クラスは、明治慎太郎/北田稔組(YH Gd高崎くす子86)と、ラリー北海道の大量得点でポイントリーダーに立った猪股寿洋/齊藤孝太組(WAKOS☆PIAA☆BRIG☆YH86)にタイトルの可能性が残されていた。明治/北田組は、中盤からベスト連発でラリーをリード。猪股/齊藤組と鈴木尚/鈴木裕組(スマッシュDL itzzコマツBRZ)がシーソーゲームを繰り広げながら2位争いをする展開となり、7本のベストを奪った明治/北田組が逃げ切り優勝。SS9でベストを刻んだ鈴木/鈴木組が2位争いを制して表彰台を獲得した。猪股/齊藤組は3位に留まったが、JN2ポイントリーダーの座は堅守した。