鈴鹿初ポール達成のL.ハミルトン選手が意外な辛勝!

レポート レース

2017年10月12日

今年も三重・鈴鹿サーキットで開催されたF1日本グランプリ決勝レースで、シリーズ首位のL.ハミルトン選手が自身71度めのポール・トゥ・ウィンを獲得した。

L.ハミルトン選手(中央)が第16戦鈴鹿を制し、M.フェルスタッペン選手(左)が僅差の2位。D.リカルド選手が3位を獲得。
決勝日の鈴鹿に集まった6万8000人の観客を前に激走するハミルトン選手。
F1のチェイス・ケアリー会長(左)も鈴鹿に来場。JAF矢代会長と会談した。

2019 FIA F1世界選手権シリーズ 第16戦 日本グランプリレース
開催日:2017年10月6~8日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)

 世界最高峰の自動車レースの一つ、FIAフォーミュラ1世界選手権シリーズの日本ラウンドが、今年も三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットで開催された。

 レースウィークは変わりやすい天候に見舞われ、金曜のFP2は激しい雨によりヘビーウェットとなった。土曜からは日照もある曇りベースの安定した天候へと好転し、決勝の日曜には、夏を思わせる季節外れの陽気に包まれて、絶好のレース日和に恵まれた。

 土曜午後の予選セッションでは、ハミルトン選手の鈴鹿サーキット初ポール獲得と、11年ぶりとなる鈴鹿のコースレコード(2006年にM.シューマッハ選手が計測した1分28秒954)更新に注目が集まった。金曜のフリー走行から速さの片鱗を見せていたハミルトン選手は、スーパーソフトで挑んだ予選Q2で1分27秒819を計測してコースレコード更新。そして、予選Q3でも1分27秒345をマークして、新たなコースレコードを叩き出した。

 予選では、ハミルトン選手、S.ベッテル選手、V.ボッタス選手、D.リカルド選手、M.フェルスタッペン選手、K.ライコネン選手の順でグリッドが確定し、実に上位6台が従来のコースレコードを更新するという、今年のF1マシンの速さを見せ付ける結果となった。

 決勝スターティンググリッドでは、パワーユニット交換でF.アロンソ選手が35グリッド、J.パーマー選手とC.サインツ選手は20グリッド降格となり、ギヤボックス交換でボッタス選手やライコネン選手が5グリッド降格という波乱含みの幕開けとなっていた。

 14時から始まった決勝レース。ハミルトン選手が好スタートを決めたが、サインツ選手が逆バンクでストップしていきなりセーフティカー(SC)導入、M.エリクソン選手がデグナーでバリアに突っ込んでバーチャルSCが入る等、序盤から荒れた展開となった。そして、相性のいい鈴鹿でリベンジを図りたかったベッテル選手がまさかのスローダウン。そのままガレージに格納されて、ベッテル選手はマシンを降りることになった。

 これで楽になったハミルトン選手は、ピットストップも2秒6でこなして完璧なレースマネジメントを展開。29周目には、2番手でジワジワと追い上げて来ていたフェルスタッペン選手を、メルセデスの僚友ボッタス選手が押さえ込むというチームプレイが発動されるなど、ハミルトン選手のトップフィッシュは確実なものになっていった。

 レース終盤。チーム無線で「リアからバイブレーション」というコメントを発したハミルトン選手は、そんなトラブルを抱えているとは思えない快走を続けていた。しかし、2番手を走るフェルスタッペン選手が、一度は広げられた差を覆す好走で追い上げて、残り2周のシケインでは、ハミルトン選手にテール・トゥ・ノーズで迫っていた。

 最後の最後で予想外の接戦となったトップ2の争いだが、ポイントを獲得できる10位争いを展開していたF.マッサ選手とアロンソ選手のバトルに巻き込まれることになる。

 しかし、先行するハミルトン選手がアロンソ選手とマッサ選手を上手く利用して、フェルスタッペン選手に対するリードを広げることに成功。レースはそのままチェッカーを迎え、ハミルトン選手が今季8度めの勝利を挙げて、自身71回め、今シーズン5回め、鈴鹿サーキットでは初となるポール・トゥ・ウィンを獲得した。

 F1第16戦鈴鹿は、ハミルトン選手が優勝。最後の最後まで着実に差を詰めてポイントリーダーを苦しめたフェルスタッペン選手が僅差の2位。リカルド選手が3位で、レッドブル勢が表彰台の両脇を固めた。メルセデスのボッタス選手は4位、フェラーリ勢で唯一生き残ったライコネン選手は見事なオーバーテイクショーを披露して5位を獲得した。

 鈴鹿でも好調ぶりを見せたフォース・インディア勢は、E.オコン選手が6位、S.ペレス選手が7位で並び、ハース勢もK.マグヌッセン選手が8位、R.グロジャン選手が9位に入り揃ってポイントを獲得した。

 最後の鈴鹿参戦となるマクラーレン・ホンダは、アロンソ選手がマッサ選手との10位争いに敗れて11位フィニッシュ。S.バンドーン選手はスタート直後のコースオフが響いてしまい14位となった。なお、JAFスーパーフォーミュラ選手権最終戦鈴鹿参戦の去就に注目が集まっていたP.ガスリー選手は13位フィニッシュだった。

フォト/吉見幸夫 レポート/JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ