全日本カート最高峰を制した注目の選手をご紹介!

ニュース カート

2017年10月6日

モータースポーツシーズンも秋を迎え、各カテゴリーともチャンピオン争いが佳境に入った。そんな中、最終戦を待たずに早くも全日本のタイトルを決めた若者がいる。全日本カート最高峰参戦1年めでチャンピオンを獲ったその天才カーターって、一体どんな選手なんだろう。

 国内カートレースの最高峰、全日本カート選手権OK部門。その2017シリーズで、ひとりのルーキーが旋風を巻き起こしている。東京都出身の16歳、佐藤蓮選手だ。

 全日本カート選手権はその名の通り、日本一のカートドライバーを決めるシリーズ戦で、3つの選手権から成る日本カート選手権の最上位に位置するもの。全日本の下には地方カート選手権(FS-125部門/FP-3部門)とジュニアカート選手権(FP-Jr部門/FP-Jrカデット部門)がある。

 全日本カート選手権にはOK部門とFS-125部門があり、初級編に当たるFS-125部門はシャシー以外ワンメイク。それに対して、OK部門はほぼ全てのマテリアルのメーカーを自由に選べ、タイヤの開発競争やエンジンのチューニング競争がシビアに繰り広げられている。OK部門は、いわば“カートのスーパーGT”ともいえるレースなのだ。

 佐藤選手は2012年のFP-Jrカデット部門で参戦初年度にしてチャンピオンを獲得すると、2013年にはFP-Jr部門を、2014年には地方FS-125部門を、2016年には全日本FS-125部門を制し、若きタイトルハンターとして大きな注目を浴びながらOK部門にステップアップしてきた。

 そして、その活躍は期待に違わぬ……いや、期待をはるかに上回るものだった。OK部門デビューのSUGO大会で第1戦/第2戦を連勝すると、ここから快進撃を開始。5つの勝利を重ねて迎えた9月24日・もてぎ大会の第8戦で、予選ヒートを2位でゴールした時点で、次の決勝とシリーズ最後の鈴鹿大会(第9戦/第10戦)を待たずして、数字の上でチャンピオン獲得を決定してしまったのだ。

 第8戦を終えて、佐藤選手の勝利数は6。無念の車検失格となった第6戦を含めれば、その決勝1位ゴール率は実に87.5%に及ぶ。例年、実力伯仲の戦いが繰り広げられている最高峰部門において、ひとりのドライバーがこれほど勝利を独占するのも、シリーズ最後の大会の前にチャンピオン争いが決するのも、異例のことだ。そんな佐藤選手を、第8戦の優勝争いに僅差で敗れ2位となったベテランドライバーは「規格外の人間」と評して讃えた。

 速さ、強さ、インテリジェンス、そして勝利への情熱。あらゆる要素を兼ね備えた走りで他を圧倒してきた佐藤選手は、すでにフォーミュラのレーシングスクールで4輪デビューへの道を歩み始めている。今季ラストの鈴鹿大会で、そして2018年のフォーミュラレースで、佐藤の活躍から目が離せそうにない。

 そのキレキレの走りをナマで観戦したい人はぜひ、10月29日、最終戦が行われる鈴鹿サーキット国際南コースへ駆けつけよう!

レポート/JAFスポーツ編集部

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